マイクロソフト、SQL Server 2008 R2の新機能「セルフサービスBI」の価値を訴求


サーバープラットフォームビジネス本部 エグゼクティブプロダクトマネージャー、斎藤泰行氏
SQL Server 2008 R2で実現する「セルフサービスBI」
Power Pivot for Excel 2010の概要
データの共有のための仕組みも用意された

 マイクロソフト株式会社は2月18日、SQL Server 2008 R2の新機能に関する説明会を開催。BI機能の向上などをアピールした。

 SQL Serverではこれまでも、例えば、SQL Server 2005 SP2と連携するExcel向けアドオンツール「Data Mining Add-ins」を提供するなど、BI(ビジネスインテリジェンス)には力を入れてきた。そのポイントを、サーバープラットフォームビジネス本部 エグゼクティブプロダクトマネージャー、斎藤泰行氏は「誰もが使えるBIを提供すること」と説明する。

 これは具体的にいうと、価格が安いこと、使い勝手のいいツールがあることの2つ。前者については、標準機能でBIを提供することでクリアしているほか、後者では、BIのフロントエンドツールとして、ユーザーが使い慣れたExcel、Webブラウザを利用できるようにすることで解決してきたという。

 しかし、BIが普及するにつれて、また別の問題が持ち上がってきた。それは、業務部門のユーザーが、自分が好きなようにデータを分析できない、という点だ。データはIT部門が管理するサーバーにあるため、ユーザーの手元にあるアンケートデータと統合したい、別のデータベースを統合して分析したい、といったことが簡単にはできず、「IT部門に対して、このデータを統合してくれないか、という依頼をその都度かける必要があった」(斎藤氏)。

 そこで、マイクロソフトでは、Excel 2010に「Power Pivot for Excel 2010」アドオンを提供することにしたという。Excel 2010にこのアドオンを適用すると、SQL Server上で管理されているデータのみならず、Excelファイル、テキストファイル、ほかのデータベース、HTML、RSSフィードなどなど、さまざまなデータを、自らのクライアントPCのメモリ上に展開し、自由に結合して分析できる「セルフサービスBI」を実現可能になる。

 さらに、セルフサービスBIにおけるデータ共有のニーズにも対応する。SharePoint Server 2010向けに「Power Pivot for SharePoint 2010」アドオンを提供し、ユーザーが作った「ワークブック」を共有できるようにすることで、「せっかく作ったのだから、ほかの人にも使ってもらいたい、いいものは自分も使いたいという要望に応える」(サーバープラットフォームビジネス本部 プロダクトマネージャー、松澤純氏)とした。またこの分野では、「SQL Server Reporting Services」と、そのコンポーネントである「レポートビルダ」の新版「同 3.0」を提供。地図データのサポートや、データバー、インジケーター、スパークラインといったビジュアル機能への対応によって、より表現力の高いレポートを共有できるようにしている。

 一方、こうした機能強化はIT部門の管理者にとってもメリットがあるという。松澤氏は、「セルフサービスBIによってユーザーが自らBI作業を行うようになるため、IT管理者は本来のITの仕事に注力できる」という点を指摘。各ワークブックの利用頻度や、それらがサーバー上でどの程度メモリを使っているか、といった点を確認するツールも提供されるため、こうしたことを参考にサーバーの管理という“本来の業務”に集中可能になると、メリットをアピールしていた。

 このような機能強化によって、まずはBI専業ベンダーのツールを導入している企業をターゲットにしたい考え。斎藤氏は「こうしたお客さまの課題はコストで、年間、多くの保守費用を支払っている。これを、完全標準機能の当社製品に置き換えることで、十分なメリットを提供できる」とこの戦略を説明した。またその次のステップとしては、広く導入をはたらきかけていきたいとのことで、「これだけ安くて使い勝手がよく、リッチな分析ができるのだから、『BIはコストが高い』と二の足を踏んでいたお客さまにも訴求できるだろう」と述べている。




(石井 一志)

2010/2/19 00:00