日本HP、ITILの現実的な実装を支援する「HP Service Manager 7.1」
HPソフトウェア・ソリューションズ統括本部 ビジネス・テクノロジー・ソリューションズ事業本部 マーケティング部の長谷修氏 |
日本ヒューレット・パッカード株式会社(以下、日本HP)は6月2日、ITIL実装を支援するITサービス管理ソフトの新版「HP Service Manager 7.1 software(以下、HP Service Manager 7.1)」を発表した。同日から出荷開始する。
HP Service Manager 7.1は、企業内のヘルプデスクの役割を担うITサービス管理製品。問い合わせの解決、ナレッジ管理機能などを搭載。問い合わせの内容やマニュアル文書を登録し、蓄積されたデータを横断的に検索することで、問題解決策の再利用が可能となる。
新版では、ITIL v3ベースのベストプラクティスをテンプレート化した「ITSM Implementation Accelerator(IIA)」を搭載。実装のためのさまざまな定義をあらかじめひな形として用意したもので、「人」「プロセス」「モノ」を包含した仕組みをテンプレートとして提供する。
具体的に「人」については、管理プロセスの役割と責任に関するテンプレートが用意され、各管理プロセスの役割に応じた担当者を割り当てることが可能。「プロセス」では、管理プロセス図と実行手順、KPIに関するガイドが提供され、「モノ」では、構成管理データベースのひな形が提供される。
「ITILの実装のためには高度な知識や詳細な設定が必要」だが、IIAにより「その作業負荷を軽減することができる」(HPソフトウェア・ソリューションズ統括本部 ビジネス・テクノロジー・ソリューションズ事業本部 マーケティング部の長谷修氏)という。
また、統合リポジトリ製品「HP Universal CMDB(以下、UCMDB)」との連携も強化。HP Service Manager 7.1とUCMDBで双方向連携できるデータの範囲を拡張し、インシデント管理から問題管理、サービスデスク、変更管理、可用性管理、キャパシティ管理、サービスレベル管理まであらゆるデータをリアルタイムにやり取りできるようにした。
これにより、「システム構成の変更がサービスに与える影響」「サーバーの障害がサービスの可用性に与える影響」といったことまで把握可能となったほか、UCMDBが保有する「実際のCI情報」と、HP Service Manager 7.1が保有する「計画上のCI情報(あるべき姿)」に誤差が生じた場合に、管理者に通知して簡単に整合性を取ることも可能になった。
HP Service Manager 7.1の単体価格は、5ユーザーライセンス、保守費用込みで357万1050円/サーバーから。
基本機能の概要図 | 連携機能を強化。構成管理情報の適用範囲を拡充 | HP Service Manager 7.1とUCMDBでCI情報に誤差が生じた場合に、整合性を図る仕組みを提供 |
このほか、基本機能とヘルプデスク機能、変更管理機能、サービスレベル管理機能をセットにしたスイートパックやSaaS形式での販売も行う。スイートパックは、25固定ユーザーライセンスでの提供で、価格が個別購入するよりも68%割引となる806万4000円。さらに教育サービスや構築サービスを含むトータルソリューションを展開することで、国内ITサービス管理市場の拡大をめざす方針。
2009/6/2 14:27