オープンテキスト、直感的な操作性が特徴のBIツール-マルチベンダー環境にも対応

日本市場ではサムライズが独占販売

 株式会社サムライズとオープンテキスト株式会社は7月28日、加Open TextのBIソフトウェア「Open Text Business Intelligence(BI) 日本語版」を、サムライズが国内で独占販売すると発表した。販売は9月1日より開始される。

オープンテキスト 執行役員副社長兼営業本部長の荒川勝也氏

 Open Text BIは、エンドユーザーによる容易なデータ活用を可能にするBIソフトウェア。以前は「GQL」「BI-Query」といった製品名で販売されていたもので、データの可視性を高め、情報の活用を促進することができる。オープンテキスト 執行役員副社長兼営業本部長の荒川勝也氏は、「当社の推進しているECM(エンタープライズコンテンツ管理)は、ただ単に文書管理だけを提供するのではなく、ほかの業務システムなどと連携し、コンプライアンス強化や生産性向上につなげるソリューション。部門横断的にファイルを登録したり、ワークフロープロセスなどから情報を登録したりすると、情報がたまってくるが、その次のデータを活用するフェーズに入ったときに、BI製品が生きてくる」と述べ、Open Text BIの位置付けを説明した。

 製品の主な特徴は、1)マルチベンダーのデータベース製品に対応、2)高い使いやすさを提供、という2点。1)では、ODBC接続が可能なデータベースであれば、基本的には対応できる汎用性を持つ。サムライズ マーケティンググループ 課長の立石満氏は、「さまざまなデータベースから結合してデータを見たいという要望があるが、ベンダーに特化したツールでは制限があって見られない」という点を指摘。「Open Text BIは、対象となるデータベースに依存しないほか、ODBC接続が可能なデータベースであれば、複数のデータベースを接続した問い合わせも可能」と説明した。

 2)では、エンドユーザーに対する直感的な操作性を提供。さらに管理者向けにも、「短期間で、データを抽出する環境(データモデル)を柔軟に作れる」(立石氏)メリットを提供できる。データモデルは、管理者が許可した範囲でエンドユーザーによるカスタマイズも可能。エンドユーザーのスキルに応じて、適切な情報活用が図れるという。なお、Open Text BI自身はセキュリティ機能を持たないものの、ユーザー、グループごとに異なるデータモデルを参照させることにより、適切な範囲のデータのみを扱えるよう、制限がかけられるとしている。

対象となるデータベースに依存しない、高い柔軟性を持つ直感的に操作できる操作性も特徴サムライズ マーケティンググループ 課長の立石満氏

 対応OSは、Windows XP Professional SP2以降、Windows Vista Business/Enterprise。データベース側はODBC接続が可能なことが条件で、Oracle Database、SQL Server、DB2、Informix、Sybaseなど多様なデータベースに対応する。1ライセンスあたりの価格は、管理者機能を備えた「Admin」が29万9000円(税別)、一般ユーザー向けの「Update」が11万円(同)。導入にあたっては、最低1ライセンスのAdminが必要となる。

 なおOpen Text BIでは、データベースに接続できるクライアントにソフトウェアをインストールするだけで、別途サーバーを用意する必要がないため、システムの導入も容易に行えるとのこと。サムライズではこうしたメリットを生かし、低価格BIツールとして広く販売したい考えで、初年度1000ライセンスの新規販売を見込んでいる。「従来販売していたBI Queryでは、500~700ユーザーの導入例もあるが、3~5ユーザーといった小規模環境でも利用されている。スモールスタートで大きく使える、というメッセージも発信したい」(サムライズ 技術グループ 部長の伊藤信也氏)。


(石井 一志)

2009/7/28 14:49