一般のPCをシンクライアント化するソフト新版、起動時間や通信速度を向上


 株式会社アイズは8月24日、一般のPCをシンクライアント化するシンクライアントOSの新版「iZE Thin Client 3.0」を発表した。価格はオープン。9月1日より販売を開始する。

 iZE Thin Clientは、LinuxベースのセキュアなシンクライアントOSをUSBメモリに内蔵した製品。一般のPCに挿入して起動させると、PCのHDDが無効化され、画面転送型シンクライアントとして利用できるようになる。販売は2006年から開始しており、防衛省や教育機関、民間企業ですでに実績を上げているという。

 今回の新版では、起動時間を最大45%短縮させたほか、VPN接続ソフトの改良により、外部接続の通信速度が最大15倍に向上。また、Windows Server 2008のターミナルサービスにも対応した。加えて、サーバーを利用したシンクライアントシステムとしてだけでなく、Windows XP/Vistaが持つリモートデスクトップ機能を利用し、リモートからPCを安全・簡単に接続する機能を充実させた。この機能を利用すると、iZE Thin Client 3.0の入ったUSBメモリを配布するだけで、社員の自宅のPCに何の変更も加えず、簡単にテレワーク環境を実現できるという。

 参考価格は、端末用USBメモリ×5、起動補助CD×5と設定ツール、マニュアルをセットにした「簡単シンクライアントキット」が16万円程度から。USBメモリは、汎用的な製品以外に、指紋認証機能を備えたセキュアUSBメモリを利用するパッケージも用意した。なおいずれの場合も、サーバーを活用したシンクライアントシステムへの移行を設定変更のみで行えるとのこと。


(石井 一志)

2009/8/24 18:15