NSD、セキュリティ機能を充実させた大容量ファイル転送ソフト
システムの構成イメージ |
一般ユーザー向けGUIのイメージ |
株式会社日本システムディベロップメント(以下、NSD)は8月26日、大容量ファイル転送システムを構築するためのソフト「eTransporter」を発表した。セキュリティやコンプライアンスの要件に対応するための機能を盛り込んでいるのが特徴。9月15日より販売を開始する。価格は1サーバーあたり200万円。
eTransporterは、メールの添付ファイルでは送れないような、大容量ファイルを安全に送受信するためのソフト。送信者が、社内に構築されたeTransporterサーバーにWebブラウザを用いてファイルをアップロードすると、受信者へダウンロードURLがメールで通知される仕組みで、受信者はメールに記載されたURLをクリックして、Webブラウザでファイルをダウンロードする。こうしたファイル転送システムは各社から数多く販売されているが、顧客のニーズを取り入れ、セキュリティやコンプライアンスに対応するための機能を複数備える点が特徴という。
具体的には、eTransporterサーバーへのアップロード時にファイルを自動暗号化(ZIP形式)する機能を搭載しており、管理者が暗号化を強制することも可能だ。また、ダウンロードするユーザーをパスワード認証する機能、ファイルダウンロード時にパスワードを入力させる機能を備えているので、復号時のパスワードとあわせて三重の保護をかけられる。
さらに、あらかじめ決められた送信先にのみファイルを送信できるように制限する機能、誰が、いつ、誰に、どういったファイルを送ったかを確認できる「監査ログ機能」も備え、ユーザーの行動を確認可能。サーバー自体が社内に存在することから、外部のサーバーを利用することで発生するリスクも抑えられるとした。なお、eTransporterサーバーは1台でも構成可能だが、Webサーバー部分と、実際にファイルを格納するデータベースサーバー部分を分割できるため、DMZにはWebサーバーのみを公開し、データベースサーバーはバックエンドに設置するようにすれば、よりセキュリティを高められる。
管理者向けの機能としては、送信できるファイルサイズ、使用できるディスク容量などをユーザーごとに設定する機能、グループを作成し、各グループ間での送信可・不可を設定する「グループ管理機能」、アップロードされたファイルを削除したりダウンロードしたりできる「ファイル操作機能」などを搭載。ユーザー向けには、アドレス帳機能、送受信一覧を表示する機能などを提供するほか、ユーザビリティを考慮し、ドラッグ&ドロップなどの簡単な操作でファイル送信を行えるGUIを用意した。
Webサーバー、データベースサーバーともOSはWindows Server 2003とLinuxに対応。データベースはPostgreSQL 8.3を利用する。クライアント側は、WindowsがInternet Explorer 6/7/8、Firefox 2/3、ChromeとOperaから、Mac OSがSafariから利用できる。
価格は、1サーバーあたり200万円。ユーザーや容量による追加ライセンスのない、シンプルな課金体系を採用した。NSDでは、主に1000名以上の大企業を対象に販売を進める計画で、製造・建築業、情報・サービス業、印刷・広告代理店など、1年間に40~50社への導入を見込む。
2009/8/26 11:30