J-SaaSの次は「A-SaaS」、会計業務に特化したSaaSプロジェクトが始動
アカウンティング・サース・ジャパン株式会社は9月3日、3カ月間の準備期間を経て「SaaS会計事務所プロジェクト(以下、A-SaaS)」の本格的な事業展開を開始したと発表した。
アカウンティング・サース・ジャパンは、日本初の会計事務所向けSaaSシステムの企画・開発を目指して、6月1日に設立された企業。8月末までに第三者割当増資、社員の採用、本社の移転などを完了し、9月1日よりA-SaaS事業を本格的に開始した。
SaaSプロジェクトとしては政府が進めるJ-SaaSが3月31日にスタートしているが、こちらは財務会計のほか、経理、給与計算、グループウェア、セキュリティ対策など、中小企業に必要なさまざまなパッケージをSaaSで提供するもの。
これに対してA-SaaSは、「会計事務所の視点に立って、会計事務所のベストなシステムを、会計事務所と一緒になって企画、開発するプロジェクト」。このキャッチの通り、会計事務所から賛同者を募り、賛同者が主体となって会計事務所の実務に則したシステムを最新のSaaSで構築するのが特徴だ。
会計事務所業界では、長年蓄積されたシステム用の課題などにより、最新のコンピュータシステムや技術の恩恵を受けきれない状況にあるという。その停滞した会計事務のコンピュータ化について、会計事務所自らが連携し、自らの手で業界のシステムイノベーションを目指すのがA-SaaSだ。
計画では、財務システムを2010年9月にリリースし、2012年5月に税務システムなどを含む全システム開発を終了する予定。提供されるすべてのシステムが6IDまで2~3万円/月の定額で利用でき、ストレージやドキュメント管理などの付帯システムも包含される。SaaSであるため、ハードウェア・ソフトウェア・保守費用などの初期コストを大幅に抑えられるほか、税制改正やバージョンアップなどの維持管理費も発生せず、会計事務所では本来の業務に専念することができるという。
アカウンティング・サース・ジャパンでは、本格的な事業開始に伴い、業界紙への広告掲載、全国50カ所での説明会の開催、プロトタイプのリリース、ユーザー開発委員会の設置、コミュニティサイトの新設などを行い、広く認知度を高め、2010年9月のシステムリリース時までに3000件の会員獲得を目指す。
2009/9/4 13:19