マイクロソフト、パートナー オブ ザ イヤー 2009を表彰

19部門22社が受賞、樋口社長からトロフィーを授与

マイクロソフト パートナー オブ ザ イヤー 2009受賞企業各社

 マイクロソフト株式会社は9月8日、「マイクロソフト パートナー オブ ザ イヤー 2009」の受賞企業を発表した。

 東京・芝公園のザ・プリンス パークタワー東京において開催された「マイクロソフト パートナーコンファレンス 2009」の基調講演のなかで表彰式を行い、マイクロソフトの樋口泰行社長から、受賞企業各社に記念のトロフィーが贈られた。

 マイクロソフトのパートナー支援プログラムである「マイクロソフト パートナープログラム」に参加する、約1250社の認定ゴールドパートナー、認定パートナー企業の中から、マイクロソフト製品を基盤とした革新的なソリューション提供や提案実績を持つパートナー企業を表彰するもの。選出はマイクロソフトが行い、各分野におけるソリューションの先進性や、顧客企業の課題解決に向けた効果および満足度などを選定基準としている。

 マイクロソフト パートナー オブ ザ イヤー 2009では、19部門において22社が選ばれた。

 内訳は、マイクロソフト パートナープログラムで定義されるパートナー企業のコンピテンシー(得意分野)に基づいたソリューションに対するアワードとして、16部門17社。特定分野におけるアワードとして3部門5社。なお、パートナープログラムではコンピテンシーとして17部門があるが、そのうち、SOA and Business Process Solutionsアワードの該当が今年はなかったという。

 受賞部門および受賞企業は以下の通り。


コンピテンシーアワード

Advanced Infrastructure Solutions Award日本ヒューレット・パッカード株式会社
株式会社 日立製作所
Business Intelligence Solutions Award日本コンピューターシステムサービス株式会社
Custom Development Solutions Award株式会社セカンドファクトリー
Data Management Solutions Award新日鉄ソリューションズ株式会社
Hosting Solutions Award株式会社TKC
Information Worker Solutions Award株式会社エヌ・ティ・ティ・データ
ISV Software Solutions Award日本デジタルオフィス株式会社
Learning Solutions Awardグローバル ナレッジ ネットワーク株式会社
Licensing Solutions AwardNECネクサソリューションズ株式会社
Microsoft Business Solutions Award横河ソリューションズ株式会社
Mobility Solutions Award日本ユニシス株式会社
Networking Infrastructure Solutions Awardリコー販売株式会社
OEM Hardware Solutions Award株式会社マウスコンピューター
Security Solutions Award株式会社日立システムアンドサービス
Unified Communications Solutions Awardデル株式会社
Virtualization Solutions Award株式会社大塚商会

特定分野におけるアワード

スマートビジネス アワード協立情報通信株式会社
パブリックセクター アワード日本電気株式会社
特別賞 ~Best Alliance Partner~富士通株式会社
特別賞 ~Software Asset Management Solution~ウチダスペクトラム株式会社
特別賞 ~Winning Customer~株式会社 静岡情報処理センター

 「特別賞 ~Winning Customer~」を受賞した株式会社静岡情報処理センターでは、VMwareの導入を検討していた港湾関連業の中小企業に対して、Windows Server 2008 Hyper-Vを提案。Hyper-Vの導入コストおよび運用コストの削減を達成した点が評価されたという。

静岡情報処理センター 代表取締役社長の山田明寿氏

 静岡情報処理センターの山田明寿社長は、「首都圏の大手SIerと並んで、地方の一SIerが表彰されたことはまじめに取り組んできたことが評価されたものととらえている。社員にとっても大変励みになる」とし、「1969年の設立以来、NEC系のSIerとしてこれまで取り組んできたが、ここ数年、新たなチャネルにおけるビジネスを模索していた。地方でもキラリと光るSIerを目指しており、今回の受賞は、それに向けた道筋のひとつになる」などとした。

 受賞対象となったHyper-Vを導入した中小企業の案件では、2008年5月から社内ネットワークシステムの入れ替えを検討。専任のIT担当者がいないことから、運用の容易性、運用コストの削減が可能なシステム構成として、仮想化に注目していたという。

 導入検討段階では、実績面からVMwareを、低コストの観点からXenを検討しており、Hyper-Vについては情報量も少なく、これまでに実績がない未知の製品ととらえていたという。

静岡情報処理センター 執行役員企業ソリューション事業部長の鳥居誠氏

 だが、「当社自身も、すでにVMwareの納入実績を持っていたが、その際に苦労したという経験がある。また、今回の顧客の要求を考えた場合、Hyper-Vが最適であるとの感覚を持った」(静岡情報処理センター執行役員企業ソリューション事業部長の鳥居誠氏)として、Hyper-Vによる提案を行ったという。

 これまでクライアント/サーバー環境で6台のサーバーを導入していたが、これを3台に統合。63台のシンクライアントを仮想化環境で接続し、遠隔地におけるサポートもリモートで行える環境を構築した。

 従来に比べて消費電力で4分の1の削減、導入コストではVMwareに比べて3分の1の削減が実現できたという。また、これまでは週に平均1台でクライアントにトラブルが発生したが、今年4月のHyper-Vによるシステム運用開始以来、現時点でダウンタイムはゼロだという。

 提案に当たっては、ゴールドパートナーの強みを生かして、テスト環境を社内に構築。さらにマイクロソフトのアドバイザーを商談時に招聘(しょうへい)することで、Hyper-Vの将来的な方向性や考え方についても直接説明し、Hyper-Vに対する安心感を与えることに成功したことが功を奏したという。

 「実際にテスト環境を構築し、それを見てもらえたこと、Windows Server 2008の一部として、仮想化をとらえてもらったことが勝因だったと思っている」(鳥居氏)という。

 同社は、218人の社員のうち、約4分の1にあたる約50人が、MCP(マイクロソフト認定資格プログラム)を保有している。2009年2月からは、28歳の技術者をマイクロソフトにインターンシップとして半年間にわたり派遣。技術、営業面でマイクロソフトのノウハウを吸収するといった緊密な協業も行っている。

 「当社は、公共、医療、そして中小企業を含めた民需が重点領域だが、これらの領域の地元ユーザーに対して、マイクロソフトの最新技術を活用し、コストパフォーマンスの高いシステム構築を提案していきたい」(山田社長)とする一方、「あえてマイクロソフトへの要求をあげるとすれば、サポートセンターのレスポンスをもっと早くしてもらいたい」(鳥居氏)と、さらなるパートナーシップの強化に期待した。



(大河原 克行)

2009/9/8 17:41