日立、キャリアグレードNATを実現する「日立アドレス変換機能カード」


日立アドレス変換機能カード

 株式会社日立製作所(以下、日立)は10月1日、キャリアグレードNATに対応した拡張カード「日立アドレス変換機能カード」を発表した。自社のGigabit Ethernetルータ向けに、10月5日より販売開始する。

 現在は、インターネットユーザーの増大などによるグローバルIPv4アドレスの枯渇が問題になっているが、IPv6への移行まではまだまだ時間がかかる。そこで、IPv6へ本格的な移行までのつなぎとして、NAT技術を通信事業者・ISPの網内で利用するキャリアグレードNATの利用が提唱されるようになった。

 今回日立が発表した「日立アドレス変換機能カード」は、キャリアグレードNATの規格「Large Scale NAT(LSN)」に準拠したルータ用拡張カード。日立のGigabit Ethernetルータに対応しているので、これを用いることで、既設のルータを使いながら、IPv6移行までのアドレス不足を補えるようになるという。

 また、日立アドレス変換機能カードでは、同時接続数1800万セッションを実現しているほか、アドレス変換処理をしながらでも、1台あたり10Gbpsの転送速度を確保可能。ルータを冗長化した場合でも、ルータ間でアドレス変換のセッション情報を同期させられるため、送信/受信の経路が異なったとしても、問題なくアドレス変換が可能としている。

 価格は個別見積もりで、2010年3月26日の提供開始予定。日立では、今後3年間で300台の販売を目標としている。


(石井 一志)

2009/10/1 17:28