仮想化の普及進む、クラウドは15%、サイバーテロ対策に遅れ-データセンター動向調査


 データセンター業界団体のAFCOMは10月27日(米国時間)、最新の年次調査を発表した。注目のクラウドコンピューティング技術だが、実装率は14.9%と低いことが分かった。データセンターの環境対策では、政府系で出遅れが目立つという。

 採用が進んでいる新技術は「仮想処理」が多く実装率は72.9%だった。以下、「Webアプリケーション」(70.4%)、「自動化」(54.8%)、「クラスタコンピューティング」(50%)など。「クラウドコンピューティング」は14.9%で、実装があまり進んでいないことがわかった。

 環境対策では、71.3%が「活発にグリーンイニシアティブを進めている」と回答したが、「正式なグリーンイニシアティブがある」は42.2%にとどまった。対策が進んでいるのは「電源効率」(60.8%)分野で、「冷却の効率化」は51.4%だった。関連して、性能モニタリングソリューションの実装が進んでいる(電源管理で68.1%、ネットワークトラフィックで65.8%の実装率)こともわかった。

 セキュリティでは、米国や中国など数カ国でNATO(北大西洋条約機構)への攻撃が確認されるなど、サイバーテロの脅威が現実のものとなりつつあるが、サイバーテロに対する対策は遅れているという。対応すべき脅威と認識しているのは60.9%だが、災害復旧計画にサイバーテロ対策を含んでいるのは34.4%にとどまった。

 AFCOMは4500社以上の企業や団体が加盟する世界最大のデータセンター業界団体。調査は、企業、政府系、大学など世界約430のデータセンターに新技術、セキュリティ、環境対策などについて聞き「2009/2010 Data Center Trends」としてまとめた。



(Infostand)

2009/11/2 09:00