インフォア、複数元帳機能でIFRS対応を支援する「Infor AGL」
Infor AGLの画面イメージ |
インダストリーソリューション・ビジネスコンサルティング本部 執行役員の笹俊文氏 |
日本インフォア・グローバル・ソリューションズ株式会社(以下、インフォア)は11月6日、国際会計基準(IFRS)対応の複数元帳アプリケーション「Infor Advanced General Ledger(AGL)」を発表した。2010年2月に提供を開始する。
現在の企業においては、各国の拠点でばらばらのシステムが導入されているところも多く、「その中でどうやってガバナンスを効かせながら、情報を一元化し、IFRSに対応していくかに、担当者は頭を悩ませている」(インダストリーソリューション・ビジネスコンサルティング本部 執行役員の笹俊文氏)という。
こうした課題を解決するため、大手ベンダーでは、グループ企業全体を1つの大きなシステムに移管し、異なる会計基準での情報管理、自動連結を行うアプローチを推奨しているところもある。しかし、笹氏は「大きなシステムであるために、小さな拠点までに使わせることが難しかったり、企業買収をした結果、別システムが結局できてしまったり、IFRS対応のためにはアップグレードが必要だったり、といった問題があった」と指摘。インフォアでは、複数の個別システムを統合するのではなく、別のコンポーネントを利用してIFRSへの対応を図るとした。
そのために提供されるのが、既存の会計システムに、複数元帳機能を追加するためのソフトウェア、Infor AGLである。この製品では、会計期間、勘定科目マスタ、通貨が異なる複数の会計マスタをあらかじめ定義することにより、1つの会計データから、複数の会計データを自動生成することができる。導入にあたっては、既存システムのアップグレードが必要ないほか、仕分けデータが発生する段階で、その都度データを連携させる仕組みにより、ほぼリアルタイムな情報集約を実現可能。また、「OnRamp」サービスバスを経由するこの手法以外にも、データベースからデータをインポートする「Infor Data Publisher」により、自社製品だけでなく、ほぼすべての会計アプリケーションとの連携に対応するという。
Infor AGLのコンセプト | Infor AGLを活用したグローバル元帳管理 |
ディメンジョンによる各種セグメント情報の保持 |
このほかIFRSでは、マネジメント層が意思決定する際に用いる区分で、セグメント情報を開示する「マネジメントアプローチ」への対応が必要となるが、市場にある製品の多くは、分析項目の数が限定されたり、セグメント構成の柔軟性が欠けたりしていたという。しかしInfor AGLは、30項目のディメンジョンを用意したことに加えて、複数帳簿間での、複数階層構造を利用した分析も可能になっているとした。
Infor AGLは、既存のインフォア製品ユーザーが、購入ライセンス以下のユーザー数で利用する場合は無償で提供される。ただし、購入ライセンス数を超えるユーザー数で利用する場合、他社製品も含めて連携する場合などは、別途ライセンス料金が発生するとのこと。そうした場合の価格は、個別見積もりとなる。
2009/11/6 15:40