日本オラクル、過去最大の機能強化を実施した基幹業務アプリケーション最新版

常務執行役員アプリケーション事業統括本部長の保々雅世氏

　日本オラクル株式会社は12月14日、基幹業務アプリケーションの最新版「PeopleSoft Enterprise 9.1」（日本語版）を発売すると発表した。まず、2010年1月より人材管理アプリケーション「PeopleSoft Enterprise 9.1 Human Capital Management」の出荷を開始し、2010年2～3月をめどに、CRMアプリケーション「PeopleSoft Enterprise 9.1 CRM」、および財務会計とSCMアプリケーション「PeopleSoft Enterprise 9.1 Financials and Supply Chain Management」を順次出荷する。

　PeopleSoft Enterprise 9.1は、150社以上の顧客企業からのニーズに対応し、1350もの新機能を追加。ユーザー画面の改良に加え、分析ツールやレポート機能において容易かつ直感的な操作が可能となった。また、開発生産性の向上や、導入から運用、保守などまでシステムのライフサイクル管理も拡充している。これにより、基幹業務システムの性能とともにユーザーの生産性向上も実現し、投資対効果の迅速な獲得を支援する。

　常務執行役員アプリケーション事業統括本部長の保々雅世氏は、「今回発表した最新版は、PeopleSoft買収後、3回目のリリースになるが、過去最大の機能強化を実施したメジャーバージョンアップ製品となっている。人材開発からCRM、財務会計まで幅広い範囲で1350の新機能を追加するとともに、200にわたるインダストリー特化の機能拡張を行った。日本語版のリリースにあたっては、日本市場において特にユーザーの多い人材管理アプリケーションから投入し、順次、ラインアップをそろえていく」と述べている。

オラクルのタレント・マネジメント

アプリケーション事業統括本部HCM本部シニアマネージャーの安井清一郎氏

　最新版の第1弾としてリリースする人材管理アプリケーション「PeopleSoft Enterprise 9.1 Human Capital Management」では、“競争優位性の向上”をテーマに、最新テクノロジーを積極的に活用するとともに、タレント・マネジメントの機能強化に力を注いでいる。

　アプリケーション事業統括本部HCM本部シニアマネージャーの安井清一郎氏は、「従来の人材管理システムは、個別業務の遂行を目的に、現場担当者の視点からバラバラに導入が進められてきた。そのため、業務ごとに部分最適化はできているものの、企業全体の最適化、さらには企業競争力の強化にはつながっていないのが実情。これに対して当社では、タレント・マネジメント機能によって、業務で発生した情報を、人材情報として一括集中し、その情報を業務に活用できる仕組みを実現している。今回の最新版では、目標管理、報酬管理、キャリアプランの各機能を強化するとともに後任計画機能を新たに追加し、現場・人事担当者・経営層、それぞれの立場において、人材情報をさらに活用できるようにした」と説明している。

　新機能の「後任計画」では、「9ボックスレイティング」という評価手法を採用し、各人材の現在のスキルレベルと目指すべき方向性を論理的に表示する。その上で、企業全体や組織、また役職や役割に必要な人材像を客観的に把握することにより、それぞれの人材像に必要なスキルとそのスキル習得に必要なトレーニングなどを効果的かつ迅速に判断、提案することが可能となる。

　また、オラクル製品とオラクル以外の製品との相互運用性を実現。特に、今年10月に同社が提供開始した、小売・流通サービス業界の各店舗や拠点でのシフト計画作成を可能にするアプリケーション「Oracle Workforce Scheduling」との連携機能を提供し、派遣契約社員やアルバイトなどの人材開発・活用の向上を支援する。

　このほか、ユーザーインターフェイスの操作性・可視性向上も図っており、ナビゲーションメニューの改善、先読み入力の採用、マウスオーバーポップアップ、組織チャート、評価ボックスチャート、ガントチャートなど、2万8000ページ以上にわたる改善を実施している。

目標管理の強化	報酬管理の改善	キャリアプラン機能
新機能の後任計画機能	ユーザーインターフェイスの操作性・可視性向上	相互運用性によるコスト削減を実現

　なお、「PeopleSoft Enterprise 9.1 Human Capital Management」の参考価格は、従業員数100人で201万円からとなる。