一般ユーザーが使いやすいMFPに-リコーが無償ガジェット「App2Me」を公開
MFP本体の機能を利用者のPC上で行えるApp2Me |
グローバルマーケティング本部 商品マーケティングセンター 第二商品戦略室 室長の武田健一氏 |
株式会社リコーは1月26日、同社のデジタル複合機(以下、MFP)向けのウィジェット型ソリューション「App2Me」の提供を開始した。同日公開されたのは、「Scan2Me plus」「Printin' 4Me plus」「ecoフレンドリープリント」「中とじ製本プリント」「プリンターモニター」の5つのウィジェット。すべて無償で利用できる。
App2Meは、MFPを有効活用するための各種機能をウィジェット形式で提供するソリューション。最大の特長は、これまでMFPの前で行わなければならなかった操作を、利用者のPC上で行える点にある。
同社グローバルマーケティング本部 商品マーケティングセンター 第二商品戦略室 室長の武田健一氏は、「これまで、さまざまな機能を拡張する場合、MFP本体やサーバーに拡張機能を導入する方法が中心だった。しかし、この方法だと、導入担当者には機能を紹介できても、導入担当者から利用者に機能を周知させるとは限らず、また利用者がMFP本体でどのように設定すればいいかわからないという問題があった。その結果、機能は用意されていてもMFPを有効活用されないという場合が多く見られた」と、MFPを実際に利用する人に“壁”が存在していたと指摘。
これを解決するために、MFP本体ではなく利用者のPC上で設定が行え、なおかつ使いたい機能が明確になるような仕掛けが必要と判断。「App2Meは、専用サイトから利用者が使いたい機能を、ウィジェット形式でダウンロードして利用できるようにした」(武田氏)と、利用者にとってMFPを活用しやすい環境を用意したと説明する。
「Scan2Me plus」は、MFPで行うスキャン設定をあらかじめウィジェットで行うことで、MFPで行ったスキャン結果を登録したフォルダなどに手軽に保存できるウィジェット。MFP側では、利用者名を選択し、Scan2Me plusのボタンを押すだけというシンプルな操作性を実現している。
Scan2Me plusのガジェットをクリックすると、MFP本体で行っていたスキャン方法を手軽に設定できる | MFP本体のパネルの様子。利用者は自分の名前でアクセスし、利用する機能のボタンを押すだけ | スキャン結果が、利用者のPC上に表示される |
「Printin' 4Me plus」は、印刷時に専用プリンタドライバを選択することで、MFP本体で印刷ボタンを押すまで保留する機能を提供するウィジェット。MFP本体で自ら印刷操作を行うので、機密文書の印刷、印刷物の置き忘れ防止などに有効なほか、App2Me対応MFPが複数存在する場合、どのMFPからでも印刷できるのが特長。また、MFPで印刷するまで、PC側で保留されているので、印刷ミスを削減する効果もあるとしている。
印刷時に専用プリンタドライバを選択することで、Printin' 4Me plusの機能が利用可能になる | MFPで印刷していない文書は、ウィジェット上で確認できる。この段階で印刷ミスに気づけば、削除することも可能 | MFP本体で該当する文書を選択すれば、印刷できる。App2Me対応MFPが複数ある場合、どのMFPからでも同じ操作が行える |
「ecoフレンドリープリント」は、両面印刷や複数ページを集約した印刷を行えるウィジェット。「中とじ製本プリント」は、MFPに搭載されている中とじ製本機能を手軽に利用できるようにするウィジェット。「プリンターモニター」は、PC上でMFPの状態を確認できるウィジェット。
App2Meの各ウィジェットの動作に必要なのは、Yahoo!ウィジェットエンジンまたはGoogleデスクトップ。対応するMFPは、imagio MP C5000/C400/C3300/C2800シリーズ。これ以外にも、2007年秋以降に発売されたMFPは順次対応する予定。なお、App2Meを利用するには、拡張オプション「imagio VMカード」が別途必要。imagio VMカードの価格は、2万円(税別)。
2010/1/26 12:30