富士通、国際財務報告基準への適用を支援するコンサルティングサービス


 富士通株式会社は2月2日、国際財務報告基準(IFRS)の適用を検討する企業などに対し、「IFRS適用支援コンサルティング」の販売を開始すると発表した。価格は個別見積もり。

 IFRS適用支援コンサルティングは、2010年より任意適用が開始される、企業のIFRS適用を支援するサービス。顧客企業が現在導入している会計基準とIFRSとの差異を洗い出すとともに、経営への影響、会計システムに関連した業務プロセスとICTシステムへの影響度を分析する。また、IFRS適用にあたってのロードマップ作成、IFRS適用プロジェクトチームの立ち上げなどを、顧客企業の検討段階に応じて支援。事業会社としての対応に必要な、IFRSについての実践的な教育も実施し、IFRSへの対応をトータルにサポートするという。

 具体的には、導入検討段階では、経理部門、関連業務部門、情報システム部門へのインタビューなどにより、会計差異分析・業務およびICTシステムへのインパクト分析を実施。簡易分析結果やIFRSの基準改定などに基づいて、IFRS適用までの全社のロードマップを策定し、それに基づいた全社的なIFRS適用プロジェクトの立ち上げを支援する。

 また、詳細検討段階においては、個別の会計基準の差異ごとに、経理部門、関連業務部門、情報システム部門に対する詳細調査を実施。業績評価方法の見直しなどの個別課題ごとに、会計・業務・ICTの最新動向に基づく最適な対応計画の策定を支援する。あわせて、関係者間のコミュニケーションをスムーズに行う目的で、詳細調査や計画策定を通じた検討経緯の文書化も支援するほか、経理規定の策定および外部監査人との調整についても支援を行うとした。

 最後の適用段階では、会計、業務、ICTの最新動向により、計画実施時に発生する関係部門間調整などの課題解決を支援。ICTシステムの円滑な移行、システムユーザーへの教育を支援するとともに、新業務プロセスやシステムの運用をきちんと行えるようにサポートする。

 一方で教育については、全社的に正しい理解を促進するため、基準の読み取り方、システムへの影響度の考え方など、富士通の独自テキストと講師による教育をオンサイトで実施する。この研修では、経営幹部だけでなく、経理部門、営業部門、情報システム部門など幅広い部門を対象としており、会計的観点とビジネス全体の観点からIFRSの理解を深められるとのこと。

 なお富士通では、2009年10月にマーケティング本部内に設置した「IFRS専任チーム」を中心に、関連部門、関係会社などの連携体制を整え、今後も強化を図っていくとしており、今回のサービスもその体制のもとで提供される。


(石井 一志)

2010/2/2 12:04