日立、第3四半期連結決算を発表-営業利益は全部門黒字化により大幅改善
株式会社日立製作所は2月4日、2009年度第3四半期(10~12月)連結決算を発表した。売上高は前年同期比5%減の2兆1579億円、営業利益は前年同期のマイナス145億円から663億円に、税引前損失は前年同期のマイナス1736億円から576億円に、当期純利益は前年同期比3928億円改善の218億円となった。
2009年4月から12月までの9カ月間では、売上高は前年同期比17%減の6兆2828億円、営業利益は前年同期比77%減の416億円、税引前損失は前年同期のマイナス354億円からマイナス525億円に、当期純損失は前年同期のマイナス3569億円からマイナス1113億円となった。
執行役副社長の三好崇司氏 |
同社執行役副社長の三好崇司氏は、「在庫調整に入っていた商品に動きが出始めた。しかしながら、国内の設備投資の状況は依然として厳しいのは変わらないため、売上高は前年同期比で95%となった。営業利益に関しては、構造改革や原価低減の効果などもあり、2008年第1四半期以来のプラスに転じるなど、大きく改善した」と説明。
情報通信システムは、売上高が前年同期比11%減の5320億円、営業利益が前年同期比145億円減の238億円。内訳は、ソフトウェア/サービスの売上高が、前年同期比7%減の2524億円。そのうち、ソフトウェアが前年同期比2%減の381億円、サービスが前年同期比8%減の2143億円。ハードウェアの売上高は前年同期比15%減の2795億円。そのうち、ストレージは前年同期比17%減の1697億円、サーバー(汎用機とUNIXサーバーなど)が前年同期比2%増の125億円、PC(ビジネスPCとPCサーバーなど)が前年同期比11%減の58億円、通信ネットワークが前年同期比12%減の315億円となっている。
「情報通信システムは、国内中心の事業が多いこともあり、売上高は89%の水準となった。また、サービス・ハードの減益などの影響もあり、営業利益も減益となった。ただし、第3四半期の計画と比べると、売上高で6%増に、営業利益で138億円の上ぶれとなった」と、厳しいながらも当初見込みより大きく改善していると述べた。
電子デバイスは、売上高が前年同期比19%減の2098億円、営業損益は34億円減の5億円。日立ハイテクノロジーズが回復基調になったものの、本格的な納品は2010年以降になったことから、前年同期を下回る結果になった。また、ディスプレイについては、ゲーム向け製品の売り上げが減少したことなどから、赤字となっている。
デジタルメディア・民生機器は、売上高が前年同期比15%減の2623億円、営業利益は前年同期比203億円増の41億円。光ディスクドライブ関連が好調だったものの、設備投資の抑制の影響を受けて空調機器は減少。営業利益に関しては、構造改革やエコポイント効果などにより黒字化している。
このほか、電力・産業システムは、売上高が前年同期比8%増の7606億円、営業利益が前年同期比491億円増の236億円。高機能材料は、売上高が前年同期比13%減の3266億円、営業利益が前年同期比192億円増の187億円。物流およびサービスが、売上高が前年同期比2%減の2415億円、営業利益が前年同期比2億円増の48億円。金融サービスは、売上高が前年同期比10%増の924億円、営業利益が前年同期比15億円増の37億円となった。
また、同社では、2009年度の通期業績見通しを修正した。売上高は、10月29日の公表値と同じ8兆7000億円、営業利益は550億円増加の1350億円、税引前損失は450億円増加のマイナス450億円、当期純損失は200億円増加のマイナス2100億円。
三好氏は、「大きな赤字は残ってしまうが、事業構造のさらなる改革を図り、2010年度は黒字化を目指す」と述べた。
2010/2/5 00:00