日本IBM、最大14PBのデータを管理できるNAS製品「SONAS」


IBM Scale Out Network Attached Storage(SONAS)

 日本アイ・ビー・エム株式会社(日本IBM)は3月1日、最大14PBのデータを管理できるNAS製品「IBM Scale Out Network Attached Storage(SONAS)」を発表した。最小構成価格は7682万1000円(税別)からで、3月12日の出荷開始を予定する。

 SONASは、スーパーコンピュータにも採用されている分散ファイルシステム「General Parallel File System(GPFS)」を採用したクラスタNAS製品。同技術では、大規模かつ分散したストレージシステムの一元管理とが可能なほか、1つのファイルを、並列なデータ経路を使って分散保存できるため、ファイルへのアクセス速度を向上させられるという。

 具体的な性能としては、1システムあたり従来の約12倍となる最大14PBのデータ、最大約20億ファイルの格納に対応。単一のグローバルネームスペースでデータへアクセスできるので、ユーザーに利便性を提供できる。対応プロトコルはCIFS/NFS/HTTP/FTP/SCP。HDDはSAS/SATAをサポートする。

 なお日本IBMによれば、インターネットの急速な普及によって増加するデジタルメディアの保存や、医療診断、製品設計に用いられる、データサイズの大きな3D映像や画像、設計データなどのファイルの保存に向くとのこと。

 今後は、アクセス頻度やデータ生成時からの経過時間などを参照し、設定した保管ポリシーに応じて階層管理を行う機能や、1500万個のファイルに対し、1分間で前回保存バージョンとの差分情報を取得して、差分だけを効率よくバックアップする機能などを提供する予定としている。


(石井 一志)

2010/3/1 15:49