ドットヒル、DR機能を利用可能なエントリーストレージ「3000シリーズ」

8Gbps FC/iSCSI搭載モデルなどを用意

ストレージシステム「3000シリーズ」

 ドットヒルシステムズ株式会社(以下、ドットヒル)は3月8日、エントリークラスのストレージシステム「3000シリーズ」を発表した。3月15日より出荷を開始する。6Gbps SASのバックボーンプレーンを搭載するほか、エントリークラスの製品としては初めて、ディザスタリカバリ(DR)に利用できるリモートレプリケーション機能を搭載可能という。

 3000シリーズは、同社の「2000シリーズ」の後継として提供される、エントリークラスのストレージシステム。ホストインターフェイスには、最新の8Gbps SASを採用するほか、1GbpsのiSCSIインターフェイスをあわせて搭載する製品も用意した。ディスクドライブは、SAS HDD、SATA HDD、SSDの混在が可能で、Raidは0/1/5/6/10/50などをサポート。同一の筐体内で階層化ストレージを構築するような使い方にも対応する。

 1筐体には、3.5型HDDモデルの場合で最大12のHDDを搭載可能。2TB HDDを搭載すれば24TBまで拡張できるほか、JBODの増設によって最大96TBまでの拡張を行えるとのこと。また、未使用時のHDDをスピンダウンさせて消費電力を削減するMAID機能への対応、低消費電力型の電源ユニットの採用などによって、電力効率の向上も実現する。

 加えて、エントリークラスの製品ながら、DR機能「AssuredRemoto」を追加可能な点も特長で、ボリュームコピー機能「AssuredCopy」や、スナップショット機能「AssuredSnap」などと併用すると、スナップショットベースでの非同期リモートレプリケーションが行える。

 価格は、3.5型HDDモデルや2.5型HDDモデル、搭載インターフェイスなどの構成によってさまざま変化するが、例えば、2UシャーシのiSCSI/FCハイブリッドモデル「3930」に1TB SATA HDD×12を搭載し、リモートレプリケーションとスナップショットのオプションを付けた場合で398万円。また、FCモデル「3730」のシングルコントローラ版に、1TB SATA HDD×12を搭載する場合では、182万8000円となっている。

 なおドットヒルは、従来は製品のOEMが多く、自社ブランドでの流通が少なかったが、今後は自社の名前を前面に出し、チャネル経由への販売を強化したい意向で、リモートレプリケーションなどの付加価値機能を含めて顧客に訴求したい考えを示す。さらに今後は、スループット性能の高い上位版を5月~6月に提供し、ラインアップの拡充を図るとのこと。これについて、カントリーマネージャーの青木登氏は、「広帯域の製品を提供することによって、なかなか入り込めなかったビデオ系システムなどにも食い込んでいきたい」との狙いを話している。


(石井 一志)

2010/3/8 11:10