アバイア、コンタクトセンターのオペレータ向けソフトフォン「one-X Agent」

「見えない不安を軽減」、在宅オペレータシステムの構築に効果あり

 日本アバイア株式会社(以下、アバイア)は3月12日、コンタクトセンターのオペレータ向けソフトフォン「Avaya one-X Agent」を提供開始すると発表した。IP-PBXと連携し、PCからの操作によって、コンタクトセンターの電話受付を可能にする。

 one-X Agentは、コンタクトセンターでの利用に適した、マルチメディア対応のソフトフォン。通話、ACDと連携した状態表示といった基本機能に加えて、業界標準のXMPP(Extensible Messaging and Presence Protocol)ベースのプレゼンス機能を搭載し、登録されているメンバーの在席情報確認を行える。

 また、インスタントメッセージング(IM)を搭載し、最近増えているチャット対応のコールセンター構築が可能。IM機能についてはこのほか、「オペレータとスーパーバイザーとのやりとりをSkypeなどでやってしまうケースがよくあるが、別のシステムを使ってしまっては、履歴が残らなくなってしまう。one-X Agentでは、ログをすべてとっておけるし、XMPPベースのため、ゲートウェイを介して他社の製品との連携にも対応する」(ソリューションマーケティング 部長の平野淳氏)メリットがある。

 加えて、ビデオ/動画の共有機能や、デスクトップ画面の共有機能を搭載。操作性についても、GUIを用いた直感的な操作で、通話の転送などを行えるとした。

ソフトフォンとしての基本機能を一通り備えるプレゼンスとIMの両機能により、きめこまかな対応が可能になる
システムエンジニアリング部の橋本健氏
アバイアの在宅コンタクトセンターソリューションの特徴

 アバイアではこの製品を、国内でも注目されつつある、コールセンターの在宅オペレータシステム構築に最適なものとして展開したい考え。システムエンジニアリング部の橋本健氏は、「米国では2008年2月で15万1000名のオペレータが在宅勤務しており、2011年までに倍増傾向にある。しかし国内では、当社の場合、のべ2000シート未満にとどまっている」と現状を紹介した上で、「最大の阻害要因は情報セキュリティだ」と指摘する。

 しかし、「ITインフラの観点では、(インハウスのコールセンターと)同等のセキュリティが可能だ」(橋本氏)としたほか、一番のポイントという「オペレータが直接見えないこと」に対する不安についても、「one-X Agentのビデオ機能で見える化したり、オペレータのデスクトップ画面をセンター側で確認したりできる。在席しているかどうかも確認可能だ」(平野氏)と、技術面でかなりの部分がカバーできるという点を強調した。

 なお、在宅オペレータを導入するメリットとしては、コスト削減や顧客満足度の向上が挙げられるという。橋本氏が紹介したJupiter Shop Channelでは、人の確保が難しかった深夜のピーク時間に対し、在宅オペレータを使って対応することで、高い応答率と顧客満足度を実現。さらに、転居した優秀なオペレータを継続して雇用できるといったメリットもあるとのことで、顧客満足度や人材確保といった点でのメリットが理解されれば、今後、在宅オペレータのニーズは増えてくるのではないかとしている。


(石井 一志)

2010/3/12 15:40