方正、中国語サイトのクチコミや報道を自動分析するクラウドサービス
検索キーワードに関連する記事数やコメント数を、時系列で整理して表示することができる |
中国のIT大手「北大方正集団」の日本法人、方正株式会社は、中国語サイト上の記事やブログ、書き込みを自動分析するクラウドサービス「イーグルズ・アイ・ウェブ・マーケティング(以下『方正Eagle's “i”』)」を販売開始すると発表した。基本機能の利用料金は初期費用20万円、1カ月の利用料金は8万円から。初年度、年間300社導入、2億円の売上げを目指す。
「方正Eagle's “i”」では、北大方正集団のグループ会社である「方正電子」が北京大学と2000年から研究開発に取り組んできたインターネット分析システム「智思(ヂースー)」を分析エンジンに採用。
「智思」は、新開発した中国語の口語や書き言葉を自動解析する自然言語処理技術と、記者やブロガー、書き込み者や書き込んだ地域などの属性を特定するサイト解析技術、独自の検索エンジンなどを複合的に組み合わせたインターネット上の情報を分析するシステム。
中国では書き込み者の地域なども特定できることから、キーワードで検索した、たとえば特定企業のポジティブ情報が何件書き込まれているかを地域別に図表で表示することもできる。
■「方正Eagle's “i”」のおもな機能と特徴
「方正Eagle's “i”」では、キーワードのほかより自然言語の文章で検索ができ、抽出した内容を要約してレポートし、一覧表示することができる。
検索による情報収集は、百度をはじめとした中国の主要検索エンジンでキーワード検索を行ない、その検索結果を独自の解析で整理する方法と、独自に約2000サイトをクロールし、更新分を整理した情報の2種を分析対象にしている。独自にクロールする約2000サイトには、報道サイトはほぼすべて含まれるほか、掲示板やブログも主要なものはカバーしているという。
自社でクロール収集したデータについては、たとえば新聞社の記事であれば、掲載日や記事に付いたコメント数、ページ参照数が表示される場合はその参照数などを要素ごとに分類してデータを格納する。このため、たとえば企業名で検索した時に、関連する記事総数と付いたコメント総数、記事の参照総数などを時系列でグラフ化するなども可能だ。
収集したデータについては、広報評価とリスク分析の視点から、日本語でレポートするサービスもオプションで用意。広報評価は広報企業大手の共同PR株式会社と提携、リスク分析は東京海上リスクコンサルティング(TRC)株式会社と提携している。2社とは販売面でも提携しているが、データを分析して戦略を立案するためのコンサルティングも合わせて依頼できる。
方正では、共同PRやTRCのようなコンサルティングもあわせて提供できるソリューションパートナーを今後も強化していく方針だという。
また、方正は今年1月から、中国進出を目指す日本企業向けの支援サービスも開始。基幹業務システムや販売・物流管理システムなどのパッケージソフトを開発する日本企業が中国向け製品を開発・販売するための法制度・商習慣への対応支援を行っている。
中国の親会社「北大方正集団」は、新聞社の制作システムを開発した北京大学の研究プロジェクトが発祥で、政府が出資して設立した企業。ITソフトウェア・ハードウェア事業を中核としているが、医療画像診断ソフトウェアの開発を行っている関係で、北京市郊外に病院を建設してその運営も行っているほか、日本のSuicaのような自動改札システムの開発、銀行や証券業なども幅広く手掛ける。
2010/4/14 16:56