日大が職員情報流出で緊急会見「業務情報は無断持ち出しだった」
日本大学は27日、同大学職員が自宅のPCでファイル交換ソフト「Share」を使用してウイルスに感染し、業務情報がインターネット上に流出した問題で緊急会見を開催。会見では同大学総務部長の大工原孝氏が報道陣の質問に答える形で、情報流出の経緯などを説明した。
謝罪する日本大学の総長の酒井健夫氏(右から4番目)と理事長の田中英壽氏(同3番目)ら |
以下は、報道陣との一問一答。
――流出した業務情報の内容は。
具体的には、人事課で掌握している各種委員会に関する資料、答申書、議事録、その他もろもろと認識している。また、皆様方ご承知のように、本人が以前(2010年3月まで)勤務していた日本大学医学部付属練馬光が丘病院の職員名簿、PC上のプライバシー情報も含まれている。
――わいせつな画像が流出したというのはあるのか。
まだ確認できていない。
――流出した個人情報の件数は。
流出したファイルは、WordとExcelの総数が約1500件。その中にあった練馬光が丘病院の職員住所録には、1万数千件の個人情報が含まれていた。現在は調査中だが、このほかにも個人情報が流出している可能性がある。
――今回流出した情報は、大学にとって機密情報に近い内容とも思われるが、これらの業務情報は人事課の職員であれば誰でも閲覧できる状況だったのか。
閲覧に関しては、業務マニュアルということで可能だった。情報管理についてはかなり厳しくしていたが、職員は4月24日、業務情報をUSBメモリーに保存して無断で持ち出してしまった。業務情報の持ち出しは、ガイドライン上で禁止している。
――職員が日本大学に異動した際、練馬光が丘病院に勤務していた際に使用していたファイルを削除するような指導はしていたのか。
調査中なのでしばらくお待ちいただきたい。
――大学が情報流出を把握したきっかけは。
4月26日午前8時30分ごろ、広報課に匿名のFAXが届いた。また、大学公式ホームページあてにも同様のお知らせが届き、ここで情報流出を初めて把握した。
――職員に対して、ファイル共有ソフトの利用を禁止していなかったのか。
ガイドラインを作成し、今回のようなことがないよう重ねて順守するように指導していた。また、文部科学省の通達に準じて鋭意対応していたが、若干その部分がおろそかになった嫌いはなきにしもあらずだった。
――職員がShareを使い始めた時期と、その目的は。
まだ確認できていない。
――職員はWinnyは使っていなかったのか。
当初はWinnyとShare両方と思っていたが、現在はShareだけと認識している。
――情報流出させた職員への処分は。
まず、今回の件をすべて把握した上で、検討する可能性は出てくる。
――情報流出させた職員は、今回の件について何と言っているのか。また、現在は何をしているのか。
「たいへん、うかつで軽率な行為だった」と上司に報告書を書いている。職員は昨日から自発的に休暇をとり、家族とともに別のところで休んでいる。
――今回の情報流出に関して、学生への告知は行ったのか。
今日ないし明日の段階で日本大学の公式ホームページで告知する予定。現時点では告知していない。
――酒井健夫総長からも一言お願いしたい。
4月27日に特別調査委員会を設置し、原因と対応を鋭意検討している。関係者にはご迷惑をおかけしたことをお詫びしたい。
総長の酒井健夫氏 | 総務部長の大工原孝氏 |
2010/4/27 19:35