米Citrix、クライアントハイパーバイザー「XenClient」の評価版を提供開始


 米Citrixは5月12日(米国時間)、クライアントハイパーバイザー「Citrix XenClient」の評価版、「XenClient Express」を提供開始した。

 XenClientは、サーバー用のハイパーバイザー「Xen」をベースにして開発された、PC向けのハイパーバイザー。ベアメタル(ホストOSを必要としない仮想化ソフトウェア)方式であるのが特徴で、Virtual PCやVMware Workstationなどと異なり、ハードウェアの上で直接動作するため、一般のWindows OSの上で仮想化を実現するこれらの製品と比べ、PCのマシンパワーをそれほど必要としないメリットがある。

 また、2つの環境を分離し、おのおのを独立して利用できる“使い分け”を実現するのも大きなポイント。1台のPC上で、異なる環境をお互い干渉することなく同居させられるため、企業が許せば、従業員が自らのPC上に、ゲーム用のプライベートな環境と、仕事専用のセキュアな環境を構築する、といった使い方も可能になる。

 また、XenClientのデスクトップ環境を管理するための「Receiver for XenClient」、仮想マシンとサーバー側でデータを同期させる「Synchronizer for XenClient」が提供され、管理やバックアップといった面で、企業の管理者を支援できるとしている。

 なおXenClientの製品版は、まず、Intel製プラットフォームを採用したDell、HP、LenovoといったベンダーのPC向けに、年内にも提供される予定だ。



(石井 一志)

2010/5/14 15:16