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新機能「Server Core」を使う【第二回】
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Server Coreの基本コマンドをマスターする
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Server Coreのインストールは、Windows Server 2008のインストール画面から「Server Core」を選択するだけと、いたってシンプルだ。ただし、インストール後の各種設定ではGUI画面は用意されておらず、Server Coreのコマンドラインで行う必要がある。今回は、Server Coreの管理で必要となるコマンドを中心に説明する。最終的には、リモートコンピュータからServer Coreにアクセスできるまでを紹介する。
なお、ワークグループ環境ではユーザー認証などの問題から正しく動作しないものがあるので、Active Directoryのドメインに参加できる環境を用意した上で読みすすめてもらいたい。
■ Administratorのパスワード設定
Server Coreのインストールにおいては、ほとんど入力をしなくてインストールが進むようになっている。このため、OSをインストールした後、Server Coreにログインするときに、「Administrator」のパスワードを新しく入力する必要がある。
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インストール直後の画面。[他のユーザー]をクリックする
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ユーザー名にAdministratorを入力。パスワードは設定されていないので空欄のまま
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パスワードが未設定なので、設定するよう警告が表示される
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ここで新しいパスワードを入力
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パスワードが正しく設定されるとメッセージが表示される
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以後はコマンドプロンプトで作業することに
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■ Server Coreの再起動方法
Server Coreでさまざまな設定を行うと、再起動が求められる。そこで、Server Coreでのサーバーの再起動やシャットダウンなどで使うshutdownコマンドに関して、説明しておこう。
サーバーをシャットダウンするには、「shutdown /s」を使う。/sオプションを使うと、シャットダウンを実行するまでに1分間の余裕を見る。もし、すぐにシャットダウンしたい場合は「shutdown /p」を使う。
サーバーを再起動するには、「shutdown /r」を使う。そのほか、「shutdown /h」で、サーバーを休止状態にできる。「shutdown /i」を使うと、通常のWindows Server 2008でシャットダウン時に表示されるGUIが表示される。これを使えば、Windows Server 2008と同じ操作で再起動やシャットダウンが行える。これ以外にもshutdownコマンドには、いくつかのオプションが存在する。ちなみに、shutdownコマンドは、Server Coreだけのコマンドではなく、Windows Server 2008やWindows Vistaなどのコマンドラインでも使用できる。
■ コンピュータ名の変更
コンピュータ名は、インストール時に数字やアルファベットを組み合わせたユニークな名前が付けられる。そのままでは使いにくいので、コンピュータ名を変更しよう。現在付けられているコンピュータ名は、hostnameコマンドで確認できる。
コンピュータ名の変更には、netdomコマンドを使用する。今回は、インストール時に付けられた「WINーC7KKGAIM74Y」というコンピュータ名を、「ws08-core」というコンピュータ名にする。
netdom renamecomputer WINーC7KKGAIM74Y /newname:ws08-core |
上記のコマンドを改行せずに入力すれば変更できる。
変更後、新しいコンピュータ名を適用するには、コンピュータの再起動が必要になる。shutdown /rコマンドで再起動しよう。これで再起動後は、ws08-coreというコンピュータ名に変更されている。
■ IPアドレスとDNSサーバーの設定
コンピュータ名の変更以外に、IPアドレスの設定、DNSサーバーの設定なども必要だ。Windows Server 2008では、IPv6がサポートされているが、今回はIPv4環境の設定方法を紹介する。
Server Coreをインストールした初期状態では、DCHPサーバーがネットワーク上にあれば、そこからIPアドレスを付与してもらうようになっている。しかし、Server Coreといえども、やはりサーバーだ。このため、IPアドレスは固定にしておきたいと考えるのが普通だろう。
IPアドレスは、netshコマンドで変更する。
netsh interface ipv4 set address name="ローカル エリア接続" source=static address=IPアドレス mask=サブネットマスク gateway=デフォルトゲートウェイのIPアドレス |
先ほどと同様、改行なしで入力する。なお、黄色の文字部分は環境に応じて変更する箇所を表している。
今回の環境では、IPアドレスは「172.16.1.195」、サブネットマスクは「255.255.0.0」、デフォルトゲートウェイは「172.16.255.254」に設定してみる。この場合、
netsh interface ipv4 set address name="ローカル エリア接続" source=static address=172.16.1.195 mask=255.255.0.0 gateway=172.16.255.254 |
とコマンド入力すればいい。「ローカル」と「エリア接続」の間には、半角の空白を入力するように。
DNSサーバーの設定もnetshコマンドで行う。
netsh interface ipv4 set dns "ローカル エリア接続" static DNSサーバーのIPアドレス |
とすればいい。
今回の環境では、DNSサーバーのIPアドレスを172.16.0.89にしている。この場合は、
netsh interface ipv4 set dns "ローカル エリア接続" static 172.16.0.89 |
とコマンド入力すればいい。こちらも、「ローカル」と「エリア接続」の間には、半角の空白を入力する。
ちなみに、DHCPサーバーを使用するように変更するには、
netsh interface ipv4 set address name="ローカル エリア接続" source=dhcp |
とコマンドを入力すればOKだ。
もし、ネットワークカードの名称が分からないときは、次のコマンドを実行してみよう。
netsh interface ipv4 show interface |
このコマンドを実行すると、下記のような結果が表示される。
Idx Met MTU 状態 名前
--- --- ----- ----------- -------------------
2 10 1500 connected ローカル エリア接続
1 50 4294967295 connected Loopback Pseudo-Interface 1 |
このとき、一番左に表示されている「idx」の番号(この場合「2」)をネットワークカードの名称の代わりに入力してもOKだ。
再起動後、「ipconfig /all」で、指定したIPアドレス、DNSサーバーに設定されているかどうかをチェックしよう。
■ Server Coreをドメインに参加させる
Server Coreをインストールした初期設定では、Server Core自体は、Workgroupに配置されている。これを、ドメインに参加させるには、netdomコマンドを使用する。
netdom join コンピュータ名 /domain:ドメイン名 /userd:ドメイン管理者のユーザー名 /passwordd:ドメイン管理者のパスワード |
で変更できる。
■ リモートデスクトップの設定
Server Coreをリモートデスクトップで利用するためには、事前にServer Core側で設定を行う必要がある。
cscript c:\windows\system32\scregedit.wsf /ar 0 |
このコマンドで接続できるリモートデスクトップは、RDP 6.0以降になるため、Windows VistaやWindows XP SP3だけとなる(ネットワークレベル認証を利用するため)。セキュリティ的には弱くなるが、Windows XP SP2などからもアクセスできるようにするには、上記のコマンドに加えて、
cscript c:\windows\system32\scregedit.wsf /cs 0 |
と入力すればいい。
■ ライセンス認証
Server Coreでライセンス認証を行うには、
cscript c:\windows\system32\slmgr.vbs -ato |
と入力する。プロダクトキーが未入力の場合は、
cscript c:\windows\system32\slmgr.vbs -ipk プロダクトキー |
として、直接プロダクトキーを入力すればいい。もちろん、ライセンス認証を行う場合は、インターネットに接続されている必要がある。
また、ライセンス認証は、60日以内に行う必要があるが、Windows Server 2008では3回までライセンス認証を延長することができる。この機能を使えば、最大240日テストを行うことができる。ライセンス認証の残り時間が0日になったときに、次のコマンドを入力する。
cscript c:\windows\system32\slmgr.vbs -rearm |
この機能を使えば、十分にServer Coreをテストすることができるだろう。ちなみに、現在のアクティベーションの状況を知るには、
cscript c:\windows\system32\slmgr.vbs -dli (パッケージ製品の場合) |
cscript c:\windows\system32\slmgr.vbs -dlv (ボリューム製品の場合) |
で知ることができる。
■ コマンドプロンプトを閉じてしまったとき
Server Coreでは、エクスプローラが存在しないため、もしコマンドプロンプトのウィンドウを閉じてしまったときは、何もないデスクトップ画面が表示されるだけになり、何も操作ができなくなる。このときは、[Ctrl]+[Shift]+[Del]キーを押して、タスクマネージャを起動し([Ctrl]+ [Shift]+[Esc]キーでもOK)、ファイルメニューの[新しいタスクの実行]から、cmdを起動すれば、元の画面に戻る。
■ Windows Updateはどうすればいいのか?
Server Coreでは、余計なモジュールがないため、セキュリティが高くなっている。とはいっても、やはりServer Coreを対象にしたアップデートもある。そこで、Server CoreでWindows Updateを使用するためのコマンドを紹介する。
cscript c:\windows\system32\scregedit.wsf /au 4 |
これで、Server CoreでもWindows Updateが利用できる。これを実行すると、更新プログラムをAM 3:00にインストールするようになる。
GUIがあるWindows Server 2008では、更新プログラムをダウンロードするが、インストールするかどうかは選択できるなどのモードがあるが、これらのモードはGUI表示が伴うため、Server Coreでは使用できない。つまり、Server Coreで使用できるWindows Updateは、「更新プログラムを確認しない」「自動インストール」の2種類しかない。
ここでは、Server CoreのコマンドでWindows Updateの設定を行ったが、Server Coreをインストールしたサーバーのグループポリシーで変更することもできる。グループポリシーを使うことで、ドメインで一括して、コントロールすることが可能になる。
■ 時間や日付、タイムゾーンを設定する
Server Coreは、エクスプローラやWebブラウザなどは存在しないが、GUI自体がないわけではない。このため、いくつかのアプリケーションは、Server Core上でGUIを持ったウィンドウが表示される。
時間や日付、タイムゾーンを設定するプログラムなどは、Server Core上でもGUIを持ったウィンドウが表示される。ただし、起動自体は、コマンドラインからになる。もちろんマウスも使用できる。
時間や日付を指定するには、
を実行する。
タイムゾーンを設定するには、
を実行する。
特に、時間や日付は、違っているとWindows Updateが使用できなくなるため、正しい時間にセットしておく必要がある。このときに、「インターネット時刻」にntpサーバーを指定しておけば、自動的に時刻をセットする。もし、テストでServer Coreを運用しているため、ワークグループで運用している場合、Active Directoryが動作しているサーバーのIPアドレスなどを入力するといいだろう。
■ パスワードの変更・ユーザーの追加方法
Server CoreのAdministratorのパスワードを変更するには、
と入力し、新しいパスワード、再確認のパスワードを入力すればOKだ。
ローカルコンピュータにユーザーを追加するには、
と入力する。
ドメインのユーザーをローカルのAdministratorsグループに追加するには、
net localgroup Administrators /add ドメイン名\ユーザー名 |
と入力する。
これまでに紹介したコマンドで、Server Coreの基本的な設定は行えるだろう。次回は、リモートコンピュータからServer Coreにアクセスする方法を紹介する。
■ URL
Windows Server 2008
http://www.microsoft.com/japan/windowsserver2008/
■ 関連記事
・ 新機能「Server Core」を使う【第一回】(2008/07/17)
・ 新機能「Server Core」を使う【第三回】(2008/07/31)
・ 新機能「Server Core」を使う【最終回】(2008/08/07)
( 山本 雅史 )
2008/07/24 08:50
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