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弥生・岡本社長、「ユーザーの満足度を高めることを第一に活動する」
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「中小企業、個人事業主、起業家といった方々に支持していただいているのが弥生シリーズ。ユーザーの満足度を高めることを第一に活動する」、そう語るのは、4月に弥生株式会社の代表取締役社長に就任した岡本浩一郎氏。就任後初めての弥生シリーズとなる「弥生09シリーズ」が12月5日に発売され、自ら店頭に立って販売促進も行う。就任から半年が経過した岡本氏にこれまでの活動状況と今後の方針などを伺った。
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代表取締役社長の岡本浩一郎氏
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―就任から半年以上経過しました。まず、この半年の自己評価をお聞かせください。
岡本氏
12月に就任後初めての弥生シリーズを出荷しますが、あっという間に過ぎましたね。点数をつけるとすると、70~80点というところでしょうか。
今回発売する弥生09シリーズは、私が望んでいたものはかなり反映できています。そういう意味では満足できる製品といえます。一方、会社を代表する立場としては、お客さまやパートナーの方々との話し合いをもっともっとやれればよかったとはおもっています。
―外部の方との話し合いの時間がとれなかったということですか。
岡本氏
もちろん、多くの方と話をし、正確に理解していただいてはいます。話をしてみると、弥生に対する期待値は非常に高かったですね。
ただ、内向きな部分に時間を割いていたのは確かですね。われわれのユーザーは、中小企業や個人事業主の方々です。これらのお客さまの事業を効率よく立ち上げるために製品を使っていただいています。社内に対しては、ユーザーの満足度を高めることを第一とするよう意識改革を行っています。
―ユーザーの満足度にこだわりを持っているわけですね。それが「岡本カラー」といえるものでしょうか?
岡本氏
岡本カラーといえるほどのものかわかりませんが、ユーザーが満足して幸せになることが、すべての原点にあります。製品でもサービスでもそうですね。お客さま視点に立つことを社内で訴えています。もちろん、従業員の満足度向上も大切で、そのバランスが重要ですね。
―今回発売される弥生09シリーズでは、そうした岡本社長の考えが反映されているわけですね。
岡本氏
そうですね。製品そのものは就任前から開発していましたので、すべて盛り込んでいるわけではありませんが、弥生シリーズの特長でもある「かんたん、やさしい、使いやすい」という部分を徹底しています。これまではウリにつながりやすい機能を追加する形でのバージョンアップをしていましたが、実際にユーザーが使っているかというと必ずしもそうではありませんでした。こうした点を改善し、「かんたん、やさしい、使いやすい」をテーマに開発したのが、今回の弥生09シリーズです。
たとえば、会計ソフトの問題点として使い始めの設定が難しいというものがあります。これを改善するために、業種別のテンプレートを用意しました。これを利用することで、勘定科目の設定に不慣れな方でもスムーズに導入できるようになります。また、新機能として、定期的に発生する仕訳を事前に登録することで、仕訳作業を支援する取引予定表なども特長といえます。
弥生シリーズを新たに購入していただくお客さまにとって、新旧製品を比較するわけではありません。多くの方に支持していただいている弥生シリーズの強さを改めてフォーカスしたのが、弥生09シリーズといえます。これは、私が弥生ユーザーであったから、より強く思い描いていたものでもあります。
―機能アップよりも使い勝手の向上にフォーカスしているようですが、ユーザーの声はどのように集めていらっしゃるのですか?
岡本氏
基本はカスタマーセンターですね。ここで集まった声を共有するようにしています。また、ユーザビリティテストなど、ユーザー調査を定期的に実施しています。たとえば、ユーザーからいただいた要望のトップ10を製品に反映するなど、ユーザー調査の結果を今後の製品に生かしていきたいですね。
―目立つ機能を追加するのではなく、ユーザーの使い勝手をよくした製品を投入するという考え方は共感を持てます。しかし、使ってみないとわからない部分でもあり、新規ユーザーへのアピールとしては弱いのではないでしょうか?
岡本氏
おっしゃるとおりです。この部分はどのようにアピールするか大きな課題です。必要な機能を的確にそして丁寧に伝えていくのが大切だと考えています。
幸い、弥生シリーズは既存ユーザーを多く抱えています。また、顧客満足度の高さも弥生シリーズの強さでもあります。購入するユーザーから見ると、会計ソフトははずれてはいけないソフトなのです。こうした実績は選択時の重要な基準になるとおもいます。
―就任時の会見では、SaaSにも積極的に取り組むと話していましたが、弥生シリーズのSaaS化は進めているのでしょうか?
岡本氏
確かに、就任会見ではパッケージのSaaS化を念頭に発言しました。しかし、パッケージとSaaSは別のものとして考えるようにしています。ユーザーから見た場合、パッケージからSaaSに置き換えても、あまり意味はないのではないのではないでしょうか。ですので、弥生シリーズをそのままSaaSにするのではなく、今まで提供できていなかったものをSaaSとして提供する方向で検討しています。
―起業家支援にも力を入れていくことも話されてましたね。
岡本氏
起業家支援に関しては、支援団体などとイベントを行うなど、中長期的な視点でみた活動ですね。起業する意味などを大学などの教育機関でレクチャーするなどの形でお手伝いしていきたいと考えています。
製品側では、テンプレートを用意したり、ベンチャー向けに福利厚生サービスを提供するなどしていきます。大企業では福利厚生が充実しているものの、個人や中小では不十分なのが現実です。これを補うのが福利厚生サービスで、弥生09シリーズの保守サポート契約ユーザーに新たに提供するサービスです。自社で福利厚生を整備しづらい企業でも、宿泊施設やスポーツ施設を廉価に利用できるのがメリットです。
―就任からの半年の自己評価が70~80点とのことですが、自己評価を高めるためにすべきことはなんでしょうか? 特にこの1年ではどのような取り組みを行いますか?
岡本氏
もちろん、売上が上がることが最終的な評価ではありますが、個人的にはユーザーの満足度を高めることを第一にしたいですね。1年後にまた自己評価をするのであれば、どれだけユーザーに満足していただいたかで評価したいと考えています。
―ありがとうございました。
■ URL
弥生株式会社
http://www.yayoi-kk.co.jp/
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・ 弥生、使い勝手を追求した業務ソフト「弥生 09シリーズ」(2008/10/15)
・ 弥生・岡本新社長が会見、「弥生製品をSaaS化する」(2008/04/22)
( 福浦 一広 )
2008/11/28 00:00
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