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セカンドライフからPythonまで、ネットの商売人が取り組む“おもろい”世界
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ウェブシャーク木村社長
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今回のゲストは、「電脳卸ドロップシッピング」などのネットサービスで知られる、ウェブシャークの木村社長です。このところ一緒に飲む機会が続いてますが、実に楽しい人です。世界中のネットユーザーを愛し、そして信じるとうたう木村社長は、大阪商人らしい豪快さと細心さを併せ持つインターネットの商売人、といえるでしょう。
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木村 誠司
株式会社ウェブシャーク 代表取締役CEO。通称 大将
■職歴・職務内容:
1996年4月:リサイクルブランドショップ「FURIMAYA」を開店
1997年某月:べっこうあめでネットショップ「マニアック&プアーズ」運営開始
1998年5月:オンラインショップマスターズクラブ正会員に入会
6月:ネットショップ「MAP-STYLE.com」サービス開始 ※ネットの売り上げがあがるにつれ、実店舗はフェードアウト
2001年7月:大阪市創業支援センター「あきない・えーど」ビジネスプランコンテストにて電脳卸ビジネスプラン入賞
8月:有限会社ウェブシャーク設立・代表取締役社長に就任
2002年2月:第三者割当増資により株式会社に組織変更。「電脳卸」サービス開始。(資)逸品と事業提携
3月:中小企業総合事業団平成13年度新事業開拓助成金交付認定
11月:社団法人関西経済連合会主催 2002度の「関西IT活用企業百撰」に選定される
2003年11月:社団法人関西経済連合会主催 2003度の「関西IT活用企業百撰」に選定される
2004年11月:「Yahoo! Internet Guide」主催「WEB OF THE YEAR 2004」にノミネート
2005年9月:ブログ検索事業の「NAMAAN株式会社」を設立
11月:「Yahoo! Internet Guide」主催「WEB OF THE YEAR 2004」にノミネート
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■ 大阪の商い選手権で入賞
小川氏
先日は大阪でお世話になりまして。
木村氏
いやいや。
小川氏
ウェブシャークの成り立ちというか、木村さんの経歴をちょっと紹介していただけますか?
木村氏
経歴ですか? そうですね…。もともとですね、20歳から商売やってます。大学は卒業してない、というか入ってない(笑)。もとはね、フリーマーケットの行商をやりながら点々としてね。そのうちリアル店舗を始めたんですよ。古着とか、雑貨を扱って。
小川氏
順調だったんでしょ?
木村氏
そらぁ、儲かってましたよ。ところがインターネットと出会って、ネットでモノが売れるんかいっと知ってびっくりしてね。そこからごにょごにょとネットでの販売なんかを始めたわけです。リアルの店は自分がそこにいなければだめじゃないですか、自分がいないとモノが売れない。ところがネットは自分がそこにいる必要がないわけです。そんなこんなで、ネット経由での売上がリアル店舗を抜いた時点で、リアルショップは終了っと。
小川氏
なるほど(笑)
木村氏
でね、あるとき、大阪のベンチャー企業育成組織主催のオープニングイベントにいったら、そこでみたガイアックスの上田さんや、尾関さん、ゆめみの人たち、目立ってはる人たちがいたわけですよ。
小川氏
刺激を受けたと。
木村氏
そらあもう。そのときにベンチャーのビジネスプランとかいうものや、ベンチャーキャピタルが金を出してくれるなんてことを初めて聞いたんですわ。それまではモノを売って金をもらうということしか知らなかったわけで。それでショックを受けて、よし、これは自分もやらなあかんと思って、電脳卸というビジネスプランを3カ月後にたて、あきない・えーどちゅう、大阪の中小企業支援団体の商い選手権というイベントで3位に入賞したんですよ、えろう中途半端(^^)ですけどね、まあそれでレンタルオフィスとホームページのサーバーもらってことで、電脳卸をはじめたわけです。
小川氏
(笑)
木村氏
ところが半年でレンタルオフィスは出されてしまうという約束だったので、またまたごにょごにょと動いて、2001年の8月に法人化、有限会社つくって。その翌年の2月には株式会社化して。2002年2月ですね、ちょうどそのときに電脳卸もスタートしました。
小川氏
電脳卸のビジネスモデルについて、かるく説明をしてください。
木村氏
電脳卸ですか、そうですね、とりあえず、商品の在庫を持たなくても商売ができる、というのがテーマですかね。自分でネットで雑貨や古着を売っているときって、在庫をして、その写真とって、FTPでサーバーにアップして、商品にコメントをつける、なんてことがすごく大変だったわけですよ。そしたら、あるとき、ネットで月商1000万売ってる家具屋のおっちゃんと知り合いましてね。そのおっちゃんって、6畳一間でそれだけ売ってるんですよ。メーカーから写真をもらって、ぺたぺたはって。
小川氏
それが電脳卸のヒントになった?
木村氏
そのおっちゃんのネットのショップは写真だけで成り立ってるわけですよ。それやったら、ネット上にある写真をどんどん集めて、掲載してやれば、すぐにEコマース、店を出せるじゃないかと考えたんです。それが電脳卸アフィリエイトというビジネスになりました。でもね、家具屋さんのモデル自体はドロップシッピングだったと思います。そのアイデア自体も消化して、いまは電脳卸ドロップシッピングというサービスにつなげています。
■ ドロップシッピングとは
小川氏
電脳卸ドロップシッピングは儲かってます?
木村氏
ドロップシッピング自体はユーザー数が増えているが、まだまだティッピングポイントを越えた感じはしないですね。アフィリエイトは順調ですけど。でもどちらもいい感じで、感触はいいですよ。
それと、最近stmxというソーシャルマーケットプレイスを作って、ごにょごにょやってます。
小川氏
stmxですよね…。(実際にアクセスしながら)ああ、このヘッダーのスクリプトって、Macぽくていいですね(笑)。これはどんなサービスですか。
木村氏
例えばですね、お客様がうちのアフィリエイトから仕入れた商品画像をクリックすると、うちのモールの中のその商品に飛ぶんですけど、その先にstmxをおいています。電脳卸にとぶことはないんです。stmxの中では、お客様に売れたものをリアルタイムに公開しているところが特徴的ですね。買った人の数も公開しています。クリックすると、商品を購入した人のコメントがみられるし。ユーザーはユーザーページをもっていて、そのユーザーページもみせることができるようにしています。
小川氏
実際のところ、電脳卸アフィリエイトと電脳卸ドロップシッピングはどんな風に使い分けていますか? アフィリエイトはそのサービスを利用するユーザーからすれば、売上はなくて取り扱い手数料だけが収入で、ドロップシッピングならば実際に商品の金額が売上として立てられるわけですが、それでも収入からすればそれほど大きく変わるわけでもないですよね。
木村氏
そうっすね、われわれからするとアフィリエイトは普通の人向けで、ドロップシッピングはプロ向けというように単純に区別してますね。ドロップシッピングは、ユーザー自身が仕入れにマージンを乗せているわけで、卸売り価格はちゃんと自分で決められるわけです。
小川氏
エニグモのモデルに似てますよね。
木村氏
似てるんでしょうね。この間一緒に飲んでそんな話もね、しましたよ。
小川氏
僕もこの間、田中さんと須田さんと飲みました。しかし短期間でいろいろやってますよね。
木村氏
社内で怒られてますよ、マジで。stmxに集中するのかドロップシッピングに集中するのか?とかね(笑)。興味があったら作って始めたい性質(たち)で。他にも英語で海外向けのサービスやりたいし。
小川氏
海外志向なんでしたっけ?
木村氏
やっぱね、日本だけじゃだめでしょ。ブレイクの種をばんばん出していきたいですね、出さなければだめ。
小川氏
日本ベンチャーはビジネスモデルベンチャーが多くて、米国はテクノロジーベンチャーが多いという気がしますね。それはそうと、日本から海外に出るベンチャーは少ないけど、僕も木村さんと同じ志向ですね。
■ セカンドライフにベンチャーランドを作り、海外進出できるサービスも作る
小川氏
話は違いますが、セカンドライフにはまってるって話してたじゃないですか。その話をちょっと聞かせてくださいよ。
木村氏
セカンドライフですか。あれね、超楽しいですよね。最近島を買って、いまコツコツいろいろと作っていて超楽しいです。どこまで作っていいかがわからないですけどね。セカンドライフが何がすごいといって、バーチャル空間内で空を飛んでいて広告をみると、目に焼き付くんですよ。あれはリアルに近い気がしますね。広告効果が高いです。
小川氏
そうですか? 実は僕はMacユーザーで、セカンドライフはまだMacにちゃんと対応してないんで、あまり意欲がわかないんですよ。
木村氏
メタバーズさんという会社があってですね。会社は若くて小さいんですけど、セカンドライフのなかでは島をいくつも持ってるんですよ。セカンドライフで飛んでる僕からするとメタバーズは大企業ですよー、ほんと。
小川氏
(爆笑)
木村氏
mixiもメタバーズの土地を借りているらしいですよ。ギンザという島があるんですけど、そこがメタバーズさんの持ち物です。だから企業が進出するのはわかりますよ。セカンドライフ内で見たものは脳みそに残るっていうかね。とりあえず展開するのはアリ、だと思いますね。とりあえずそこにあることが大事ちゃいますかね。セカンドライフ内のルクセンブルグにいったら衝撃ですよ、本当の街さながらに作ってあるんだから。3Dなんてうまくいくかい、と思ってたら、ちゃんと成立していましたね。
小川氏
昔、ホリプロが伊達杏子という3Dのバーチャルアイドルを展開してましたから、いまならセカンドライフ内でそういうのもありかもしれないですね。
木村氏
実際にセカンドライフでみつけた可愛い女の子、というブログがあるらしいすよ。ズーム機能で顏みているだけみたいなサイトですけど(笑)。
小川氏
そうですか(笑)。じゃあ、今度木村さんの島で共同記者会見でもしましょうか。
木村氏
やりましょうよ。最近、僕らもね、いろいろ新しいことに取り組んでますから。
小川氏
おお、たとえば?
木村氏
例えばですね、いまうちのエンジニアにね、スカイフィッシュというコードネームでね、新しいサービス作らしとるんですよ。
小川氏
スカイフィッシュって、あの空飛ぶあれ?
木村氏
よう知ってますね、あんなの知っている人、あんまりいないですよ(笑)、小川さんも結構マニアックですね。
小川氏
いやいや(笑)
木村氏
まだどんなサービスかはいえないんですけどね、Pythonというオープンソース知ってますよね。そのPythonで作る謎のサービスということで、開発ブログだけ先に公開してます。ぜひね、期待しとってください。
小川氏
いや、ちょっと教えてよ(笑)
木村氏
いやいや、スカイフィッシュの正体は簡単に明かせないじゃないですか(笑)
小川氏
(笑)では、せめて次のゲストを紹介してください(笑)
木村氏
ゲストですか。じゃあ、うちのもう一つのWeb 2.0的なサービスの、(ブログ検索の)Namaanなんてどうですか。
小川氏
(社長の)益田さんですね。ぜひ。
木村氏
じゃあ、呼びますよ、ちょうど一緒に東京にきてるしね(笑)。
小川氏
そうでした、今日一緒に飲むはずでしたね(笑)
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小川 浩(おがわ ひろし) 株式会社サンブリッジ i-クリエイティブディレクター。
東南アジアで商社マンとして活躍したのち、自らネットベンチャーを立ち上げる。2001年5月から日立製作所勤務。ビジネスコンシューマー向けコラボレーションウェア事業「BOXER」をプロデュース。
2005年4月よりサイボウズ株式会社にてFeedアグリゲーションサービス「feedpath」をプロデュースし、フィードパス株式会社のCOOに就任。2006年12月に退任し、現在サンブリッジにて起業準備中。
著書に『ビジネスブログブック』シリーズ(毎日コミュニケーションズ)、『Web2.0BOOK』(インプレス)などがある。 |
2007/04/10 00:00
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