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ブログ検索NAMAANとウェブシャークの技術を支えるオトコ
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NAMAAN益田社長
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益田さんとは昨年11月のNILSで会って以来、ちょくちょく会う機会、というより呑む機会に恵まれて、最近急接近中(?)です。今回は、独特の名前と、驚くほどの速度で知られるブログ検索エンジンNAMAANの“舞台裏”を伺いました。
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益田 洋成(ますだ ひろなり)
NAMAAN株式会社 代表取締役
東京生まれ横浜育ち現在大阪在住。
2004年5月 :ウェブシャークに入社。
2004年10月:社内プロジェクト「NAMAANブログ検索」に携わる。
2005年9月 :ウェブシャーク100%出資の子会社としてNAMAAN設立。NAMAAN代表取締役に就任。
2007年4月 :ウェブシャークCTOに就任。(NAMAAN代表取締役と兼任)
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■ ウェブシャークに入社した理由
小川氏
今日はこのあと呑みにいく約束だったのに、参加できなくなってすみません。(といいつつ、結局深夜に合流することに…)
益田氏
気になさらずに(笑)。
小川氏
NAMAANはウェブシャークの100%子会社なんですよね。
益田氏
そうです。
小川氏
益田さんはいつウェブシャークにジョインしたんですか?
益田氏
2003年です。もともと僕は、横浜にある小さな受託開発会社で働いていたんです、ネットバブルの絶頂期になりますね。そこでアメリカのベンチャー群ががんがん成功するのをみながら、自分もいつかはそういう仕事をやりたいと思っていたんですね。で、会社を辞めて、一人でプログラミングの仕事を始めてしまいました。
小川氏
思い切りいいですね(笑)。
益田氏
そうしたらもっとやんちゃな人たちがいる会社を見つけてしまって(笑)それがウェブシャークなんですが、大将(ウェブシャークの木村社長)にちょっと遊びにいっていいか、とメールをしたら、「ただで会うのはいやだ、うちに就職してくれるならおいでよ」といわれて(笑)。
小川氏
ははあ(笑)。
益田氏
しょうがないから(笑)、じゃあ働きますよといって大阪まで出て行ったんですね。(一人で仕事をしている)当時の僕には、既に3000万円も資本金があるベンチャーはある意味あこがれでしたから。でも、ウェブシャークも当時はすごく狭いオフィスで、それも土禁(土足禁止)なんですよ。みんな夜は雑魚寝で泊まり込んでいるような会社だったなあ。で、結局ほんとに2カ月後には働くことを決めました。社員としては7番目の入社でした。でも、ウェブシャークは3カ月間はインターン採用という条件だったんですけどね。
小川氏
いや、ホントに思い切りがいいです(笑)。
■ NAMAAN誕生秘話
益田氏
まあ無事社員になったわけですけど(笑)。ところが、正社員になったとたん大将から、ブログ検索をやってよと。当時、技術部は三人しかいなかったので、入社したての僕だけまだ余力があったという理由ですけどね(笑)。でも、じゃあ引き受けますよ、と。ただ引き受けても面白くないので、ようし、ならできるだけ速い検索サービスを作ってやろうと考えました。
小川氏
唐突なのは木村さんらしいですよね(笑)。でも益田さんのその軽さも好きです(笑)。ところでNAMAANと名づけた理由は?
益田氏
(笑)。ウェブシャークにはサービスの名前をつけるセンスを持ったスタッフがいるんです。みんなでいろいろと話し合いを持ったんですけど、そもそもリアルタイムで情報を知らせるブログ、それを検索するんだから、「生(ナマ)」はどう?という意見が出て。
小川氏
生、ですか?
益田氏
それはいくら何でも…、となって、じゃあ英語でNama?いや、ナマー?それよりナマーンがいいよ、と。そんな感じで名づけました(笑)。
小川氏
インパクトがない名前はネットサービスでは生き残れないですから、いいと思いますね。
益田氏
テクノラティが出て以来、ブログ検索はずいぶん世に出ましたけど、Blogなんちゃら、というのはどんどん埋もれていきましたからね。
小川氏
記憶というか脳にこびりつくような名前がいいですよ。
益田氏
ブログ検索にはとりたててサービスの特徴の違いというのはないと思うんですけど、サービス開始当時はとにかくインデックスの更新の早さにこだわりました。ブログ更新後、Pingがでて何秒以内に更新するか、という早さにこだわりましたね。いまは公式には、1分くらい(笑)といっていますけど。
小川氏
Ask.jpやgooとの比較が記事になったりもしましたね。
益田氏
Googleがやったら、Yahoo!がやったらどうするの?とよくいわれました。僕ら的にはやったらいいじゃないですか、と答えてましたけど。
■ ECとブログ検索は相性がいい
小川氏
ブログ検索がWeb検索とは別に存在するための意義をどう考えますか?
益田氏
いまこのとき、何がいいの?というモノを探す道具ですよね。ブログのなかから自分が欲しい情報を教えてくれるエージェントといったらいいかもしれません。例えばショッピングのときに、このミネラルウォーターはどうなの、カラダにいいの?とか、他に買った人はいないの?などの情報をうまく抽出して届けるためのエージェントですね。
小川氏
やっぱりライバルはテクノラティになるんですかねえ。
益田氏
そうかもしれないです。でも、こちらはいま社員僕一人で、バイトは週にきて二回の会社ですから(笑)。
小川氏
テクノラティは収集したデータの再利用、それと広告にビジネスモデルのフォーカスをおいている気がしますが(ほんとうのところは分かりませんが)、僕はGoogleのように検索サービスのOEMをやるべきじゃないかと思ってるんです。NAMAANではどうです?
益田氏
逆にうちはそのOEMに力を入れて、走り出してます。
小川氏
それはいいことを聞きました。
益田氏
ええ。特にEC向けに検索技術をつかって販促のASPを提供しはじめています。たとえば、アライドアーキテクツのEDITAというサービスの検索を手伝っていますね。Googleもそうでしたけど、こういう事業を行うことで財務基盤が安定するとも思っています。
小川氏
NAMAANの評判はいいですよ。
益田氏
検索技術が最近、いろいろなところから評価されていますよ。いつまでたっても重くならない、という点が特に。うちもGoogle並みに(笑)分散型のサーバーになっています。裏のテクノロジーはおっそろしいことになっていますよ。それが評価されてネットエイジのビジネスプランコンテストの認定第一号にもなれました。
小川氏
そうでしたね。
益田氏
mySimonというサイトがあるんですね、価格比較サイトなんですけど。これなんて、欲しい商品から逆に用途にたどりつくスタイルの検索です。セレスタイルという会社もあって、切り口検索という検索をやっているんですが、たとえばお見舞い用の商品、などの切り口から検索を行うわけです。特にECでは、検索結果が必ずある、ということが大事なんですよ。
小川氏
同感です。検索結果はありません、と返されるとがっくりしますから。
益田氏
ECのコンバージョンをあげるには自分たちの検索が使えそうと思っています。ECで成功しているところに、僕らのノウハウを加えることがビジネスになるのでは、と。
小川氏
kizasiあたりを意識したりしますか。
益田氏
何を検索していいかわからないとき、あれはいいサービスになりますよね。自動で、ブログのなかで登場するキーワードを拾ってくれるんですから。まあ、われわれも検索技術そのものでGoogleに勝てると思ってないですけど、独自のやりかたで立ち向かいたいですね。ニュースとブログ、ショッピングとブログというのは相性がいいわけです。うまくユーザーが自発的に検索できるようなサービスに仕上げていきたいですね。おかげさまで単月黒字にはなれたので。
小川氏
検索は設備に金がかかるでしょう。
益田氏
そうでもないですよ、いま40台くらいですかね。クローラーには20台くらいあててます。うちもGoogleのような分散処理のノウハウがあって、かなりうまくやってますよ。
小川氏
なるほど。サーバーはどこのiDCに?
益田氏
いや、オフィス内にサーバーを置いてますよ。
小川氏
ほんとですか? オフィス暑くならないですか?
益田氏
サーバーは40台くらいありますからね、17坪の4分の1はサーバーなんですけど、やっぱり暑いです(笑)。冬はいいですけどね。
小川氏
(笑)。最後に今年の目標をお願いします。
益田氏
せっかく単月黒字を達成したので、今後はとにかく財務基盤を固めて、業績を伸ばしたいですね。後は社員ももっととりたいです(笑)。
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小川 浩(おがわ ひろし) 株式会社サンブリッジ i-クリエイティブディレクター。
東南アジアで商社マンとして活躍したのち、自らネットベンチャーを立ち上げる。2001年5月から日立製作所勤務。ビジネスコンシューマー向けコラボレーションウェア事業「BOXER」をプロデュース。
2005年4月よりサイボウズ株式会社にてFeedアグリゲーションサービス「feedpath」をプロデュースし、フィードパス株式会社のCOOに就任。2006年12月に退任し、現在サンブリッジにて起業準備中。
著書に『ビジネスブログブック』シリーズ(毎日コミュニケーションズ)、『Web2.0BOOK』(インプレス)などがある。 |
2007/04/17 00:00
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