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世界的なロングテールで売れるのは“巨大女”ビデオ
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クリーム小林社長
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今日のゲストの小林さんは、元ウェブシャークのCOOです。大将(ウェブシャークの木村社長)の話から、非常に狭い範囲の嗜好的(フェチ)な話へと、思ってもみない方向に話が進みます。
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小林 伸泰
有限会社クリーム 代表取締役
1995年 日本大学工学部卒業
1998年 薬品会社を退職し、ネット通販事業「HI!SOFT」をスタートする。
2001年 電脳卸ビジネスプランに参画、大阪市産業創造館「あきないえーど」主催「カウントダウンラボコンテスト」にて入賞。
2001年 有限会社ウェブシャーク設立。取締役就任
2002年 「志ファンド」から投資を受け、株式会社ウェブシャーク設立。取締役COO就任。
2004年 株式会社ウェブシャーク取締役COO退任。
2004年 有限会社クリーム設立。取締役社長就任。
2004年 XCREAMのビジネスプランでドリームゲート主催「スター誕生」イベントにて入賞
2006年 XCREAMサービス開始
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■ 当初はウェブシャークのCOO兼務で物販サイトを運営
小林氏
物販サイトのXCREAMを運営している、クリームの小林です、よろしくお願いします。
小川氏
赤坂で飲んで以来ですね、今日はよろしくお願いします。
小林氏
あのときはごちそうさまでした。
小川氏
元ウェブシャークなんですね。
小林氏
そうですね。クリームは2004年9月に作ったんですけど、2001年から2004年7月までウェブシャークのCOOを勤めてました。
小川氏
XCREAMはいつからスタートしたんでしたっけ?
小林氏
2006年2月からですね。だからまだ1年くらいですね。
小川氏
社名のクリームの由来は? なんか面白い社名ですよね。
小林氏
むずかしいな、なんってことないんですよ。会社とかサービスの名前つけるのがうまい友達がいて、たまたまクリームってどう?みたいな。そしたらドメインがあいてて、じゃあいいか、という感じ。それに、ドリーム(Dream)のDを一個上にするとCreamじゃないですか。
小川氏
あ、ほんとだ(笑)。
小林氏
ドリームチームの一個上みたいでいいじゃない?と(笑)。
■ 音楽・動画販売のXCREAMをスタート
小川氏
クリームのビジネスモデルを紹介してください。
小林氏
ネットの物販事業ですね。もともと25歳でサラリーマンをやめて、HI!SOFTというサイトを始めたのが98年ですね。ちょうど95~96年頃のネットの盛り上がりをみていて、物販を始めたらよかろうと。で、スノーボードやサーフィン系のビデオの物販を始めたんです。そのうちサイトで洋楽CDも売って、そこから靴やアパレルも手を出して。
小川氏
ウェブシャークに入る前なんですね。
小林氏
そう。ウェブシャークをやっているときもこのサイトは続けていました。大将(ウェブシャークの木村社長)とは、ネットの古着屋業者として出会ったんですよ。関西のネット物販の業界ってあまり若い人が多くなくて、互いに目立ったんでしょうね。でも大将ってあのキャラでしょ。僕らヘンタイが好きで(笑)、なんか一緒にやろうということになって。大将は自分では営業の経験がないんで、じゃあ僕が手伝いましょうと。
小川氏
ウェブシャークを離れることになったのは?
小林氏
うーん、ウェブシャークが儲かるようになって、自分のやることがなくなったということかな。じゃあそろそろ、また自分の商売やろうかと。で、改めて最近のネットの物販を調べたら、データ配信事業が盛り上がってきてるじゃないですか。だったら、自分も配信の仕組みをやろうと。いろいろ調べてたころに、Winnyの金子さんが捕まって(笑)。
小川氏
はいはい。
小林氏
その裁判費用募金のボランティアに寄付して関わったんです。その代表者でメロートーンという会社の社長がいて。このひとがまた変態で(笑)。中卒なのにドクター・クラス、IPAの天才プログラマーに認定されてるんです。日本人でこんな人初めてみましたね。
小川氏
お名前は?
小林氏
新井俊一さん。で、この人に作ってもらったのがXCREAMなんです。
小川氏
へえー。
小林氏
XCREAMは音楽とか動画のネット販売サイトなんですけど、いまは50数社につかってもらっています。
小川氏
猪子さん(チームラボ社長)のところのwaccaとは違うんでしょ?
小林氏
近いかな。データ販売の楽天みたいな感じ? 決済とダウンロード機能とDRM管理、それからストレージ部分を提供してます。成果報酬で、売れたら30%マージンをもらう、というかこっちがクレジット決済するので、70%バックする、みたいな感じですね。waccaとここは似てますね。
小川氏
Macはだめなんでしょ?
小林氏
だめですね、まだ。Windows Mediaファイルであればなんでもいけるんですけど。
■ 巨大女ビデオが売れる理由とは?
小川氏
扱うコンテンツは?
小林氏
売ってるのは、グラビアアイドル系の動画が多いですね。アニメ会社や映画会社にトライするんだけど、ストリーミングはいいけど、ダウンロードは無理、というお答えをいただくことが多くてね。僕的にはDVD販売とは変わらないと思うんだけど。
小川氏
iTunes Music Storeと近いのかな。
小林氏
近いっすね。ソフトの提供はしないけど。
小川氏
コンテンツのフィルタリングはしてるの?
小林氏
してないです。契約に同意した人が上げている。公序良俗や著作権にひっかかるものは削除する契約ですが、僕らが消したという実績はないです。
小川氏
他に売れ筋はどんなものがあるんです?
小林氏
そうですね。意外なものが売れるとうれしいんですけど、ちょっと紹介すると巨大女というコンテンツがあるんです。
小川氏
巨大女??
小林氏
そう。北海道の人が上げたコンテンツなんだけど、一応アダルトジャンルに入るんです。アダルトジャンルは当初やる気はなかったんだけど、リクエストが多くて結局作ったんですね。で、そこに巨大女というファイルがはいっていたわけです。一応最初はチェックするので中を見ると、普通の女の子がプラモデルかなにかで作った町や戦車などをハイヒールでつぶしたり、歩いているだけ。あれ、これはアダルトではないよね、と思って本人に聞いたら、いや、これはフェチだからアダルトですというんです。
小川氏
ふむ(笑)。
小林氏
じゃあいいやというわけでほっといたら、これがよく売れる。
小川氏
売れるんだ(笑)。
小林氏
30分5000円なのに、ばんばん売れる。しかも海外でも売れるから驚く(笑)。
小川氏
なんで売れるのかなー、全然わからない(爆笑)。
小林氏
それがね、どうやら一種のフェチで、世界中で巨大な女性好きな人がいるらしいんですよ。不思議なんだけど、そのビデオの中で、巨大女がいろいろなコスプレをしていて、街を壊すんです。その足下で(CGで撮った)小さい男がやめてくれーとか言ってる(笑)。このフェチはジャイアンテス(GIANTESS)とか言うらしいんだけど、マニアが世界中にいるってことです。ある意味、ロングテールなんだな、と思ったりしてます。
小川氏
それも世界的なロングテール(笑)。
小林氏
いやほんとに。ネットでは個人のパワーがあればいいんですよね。サービスとしても、ブログなど個人が情報を整理できるものはでてきたじゃないですか。音楽とか映像はまだまだ敷居が高いんですね。売ろうとか、配ろうとかすると大変な手間がかかるわけです。政治的な内容を出そうとして発禁処理を食らっているアーティストもいて、そういう人たちのマーケットもあるんです。実におもしろいですよ。
小川氏
確かに。
小林氏
日本の強みは、クールジャパンじゃないけど、女の子とサブカルなんですね。このあたりをうまく使うと、ネットの物販も世界に出て行けるんじゃないかな、と最近思い始めてますね。
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小川 浩(おがわ ひろし) 株式会社サンブリッジ i-クリエイティブディレクター。
東南アジアで商社マンとして活躍したのち、自らネットベンチャーを立ち上げる。2001年5月から日立製作所勤務。ビジネスコンシューマー向けコラボレーションウェア事業「BOXER」をプロデュース。
2005年4月よりサイボウズ株式会社にてFeedアグリゲーションサービス「feedpath」をプロデュースし、フィードパス株式会社のCOOに就任。2006年12月に退任し、現在サンブリッジにて起業準備中。
著書に『ビジネスブログブック』シリーズ(毎日コミュニケーションズ)、『Web2.0BOOK』(インプレス)などがある。 |
2007/05/22 00:00
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