|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
ネットPRで得られるリターンはより濃い情報
|
|
ニューズ・ツー・ユー 石谷取締役
|
|
今回のゲストはニューズ・ツー・ユーのセールス&マーケティング担当取締役の石谷さんです。ブロガー仲間である石谷さんとは、仕事上で絡むのは今回が初めてです。ディープなブロガーという印象が強い石谷さんですが、思いのほかネットPRにかける熱いお話を伺えました。ブロガーとしての経験があってこそお客様への説得力が増す、と断言する石谷さんの想いをお届けします。
|
石谷 匡希(いしたに まさき)
株式会社ニューズ・ツー・ユー取締役(セールス&マーケティング担当) ブロガー&ライター
ブログ:[mi]みたいもん!運営。
共同運営:クチコミマーケティングブログ、ONEDARI BOYS。
ビデオブログ・トーキョードリフト、プロデューサー。
雑誌連載:Livesにて【オフィス巡礼】
寄稿:特許四季報【ライフスライス ~色彩の断層図~】
受賞:2007年第5回 Webクリエーション・アウォード Web人ユニット賞受賞(ONEDARI BOYS運営)
2002年メディア芸術祭・特別賞「ライフスライスカレンダーとライフスライスワールドマップ」
共著:クチコミの技術 広告に頼らない共感型マーケティング(2007年3月/日系BP社)、マーケティング2.0(2006年8月/翔泳社)、ソーシャル・ネットワーキング・サービス・縁(えん)の手帖(2005年3月/翔泳社)
執筆協力:ブログ・オン・マーケティング成功企業に学ぶブログ活用の極意(2006年6月/日経BP社)
|
■ ブロガーとして各メディアに参加
小川氏
先日ニューズ・ツー・ユーのオフィスにお伺いしたときも思ったけど、ちゃんとした(笑)仕事場で、ビジネスモードで会うことってあんまりないですよね(笑)。カレーナイト(なぜか五反田のインド料理店で定期的に行われているブロガー集会)ではよく会うけど。
石谷氏
そういやそうですね。あとはセミナーの会場とかでしか会わないし。
小川氏
だからなんか石谷さんがまじめに仕事している感じがなくて(笑)。でも、(ニューズ・ツー・ユー社長の)神原さんも「(石谷さんが)こんなに働く人とは思ってなかった」って言ってたしね。
石谷氏
働いてますよ(笑)。まあ、いろんなことやってますからね。
本業はニューズ・ツー・ユーのセールスとマーケティングの役員です。それをやりながら、ブロガーとして「みたいもん」(http://mitaimon.cocolog-nifty.com/blog/)、ビデオブログの「トーキョードリフト」(http://tokyodrift.jp/)、それとブログマーケティングのテストプロジェクトとしての「ONEDARI BOYS」(http://www.onedari.org/)に参加してます。「ONEDARI BOYS」はWeb人(http://award.wab.ne.jp/)でユニット賞を受賞したりしています。
小川氏
ブログ自体を始めたのはいつでしたっけ?
石谷氏
正式には2004年1月かな、でも2003年の秋からいろいろ試していました。前職がレンタルサーバー屋(ファーストサーバ)だったので、自分でサーバーを抱えるのはなんかいやで、手抜きしたかったところに、ニフティのココログが出てきたのでそれを使うようにしました。
もともとはメーリングリスト(ML)をやっていたんですよ、情報発信としては。30人くらいの参加者にポストしてたんですけど、それをブログに切り替えた。MLもまだ存続してますけど。
小川氏
ブログの魅力をどうとらえてますか?
石谷氏
MLって、普通何かお題があって、そこに何人もがポストして、レスをつけるじゃないですか。ところがそのMLは発言者はほぼ自分(笑)。もうやめていいかときくと、読者からは続けてよといわれるんですね。じゃあ、リターンがなくても続けていく気持ちになる、ということでブログにしたといえますね。それに30人対象なのと、パブリックな場で情報を出せるということでブログをやることは、やはり反応が違うとも思いました。
■ プレスリリースによって企業の情報がネットの中を回遊していく
小川氏
その石谷さんがニューズ・ツー・ユーに移ったときはなんか意外でしたよ。シックス・アパートなら分かるんだけど。
石谷氏
そうですか? でもないと思いますよ。
僕は情報の流れ、が好きなんですね。それが面白いと思ってます。情報がネットの中を回遊していく、その動きの中で、情報の出し手には絶対リターンがあると思います。そしてその情報の出し方には、いろんなパターンがある。リリースはまさにその一つなんですね。それにリターンにもいろいろなパターンがあって、リリースという情報の出し方には特に、いろいろなリターンが存在します。
小川氏
確かにそうです。
石谷氏
PVで単純に考えてもいいし、マスメディアからの取材もあるし、実際にビジネスやアライアンスに結びついたりが面白いわけじゃないですか。神原とそこへの興味や考え方が一致したと思いますね。企業のリリースを預かって、配信する。ある意味レンタルサーバーもそう。パブリックスペースを貸して、情報の発信先になるということは同じじゃないですか。だから仕事を変えた、という感じはあまりないですね。
小川氏
しかし、ニューズ・ツー・ユーは神原さんの会社、という印象が強かったですけど、今や石谷さんもそうだし、元シックス・アパートの平田さんや野間さんでしょ、なんか急にスターが増えた感じですね。それに「技術」のイメージが強くなった感じです。
石谷氏
もともと、企業の情報の流れをいかに円滑にするか、そのお手伝いをする会社ですよね。だから、社内に周知するなら社内報、社外に周知するならリリースを使う。そういう流れを提供することがわれわれのビジネスで、それをもっと広げることが自分の仕事なんです。そこにもって、いろいろと目立つ人(笑)が入って、会社として分かりやすくなったかもしれないですね。実際、より技術指向に社内のムードがなった気はします。
うん、開発力は確かにあがったという実感はありますね。最近リリースポータルをリニューアルしたし。いろいろとスピード感はでてきたかな。
小川氏
クライアント数は?
石谷氏
いまの加入者としてのお客様は250社くらいで、累計で900社くらいですね。ここ1年で上積みできた感じはします、特に上場企業のお客が増えたのはうれしいですね。
ネットPRがようやく世の中的に受け入れられたんだと思います。2001年からやっていて、ようやく受け入れられた。
■ 新たなテクノロジーの利用を実践することでお客様に経験をフィードバック
小川氏
広報の大事さは僕もずっと訴えてきています。ところで話は違いますが、ブロガーとして最近注目のサービスがあったら教えてください。
石谷氏
Tumblrがないと生きていけないかな、いまは。
ブログとは似ているが、もっとシンプルですね。ブログはいったん自分で整理してエントリするじゃないですか。でもTumblrはその過程で、エントリをすることができるんですね。ソーシャルブックマークにも似た要素があって、実際僕はブックマークをやめました。Tumblrの方がコンマ何秒で早い。写真、リンク、エントリなどを整理していくうえでとても使いやすいんです。例えばYouTubeの情報をエントリしようとすると、YouTube用のテンプレートでエントリしてくれるんです。
小川氏
Tumblrは確かにシンプルで僕も注目しています。他には?
石谷氏
ビデオブログかな。動画をとるために外出しようというモチベーションにもなっているし(笑)。
小川氏
趣味と実益がリンクしてる?(笑)
石谷氏
うーん。ダイレクトなリンクはないけど、サービスを部下やお客さまに説明するときに、自分が経験していることがやはり強いですよ。PVにしてもログの取り方によって意味や価値が違いますよね。適当な1万PVよりも、ある領域の100PVが欲しいということがあるわけですよ。ブロガーであるということが生きているのは、そういう違いをちゃんと説明できることですね。
ニューズ・ツー・ユーでは、ネットPR(http://netpr.jp/)というブログを通して、お客さまに限らず、多くの広報担当者に情報を提供しています。このブログは幸いご好評をいただいていまして、それは広報の方は同業他社が何をしているのかをとても気にされるからなんですね。また、自分でブログを書くだけではなくて、社内の担当者が調査として、他の広報担当者のブログを読むことも大事ですし、実際ブログを続けていると担当者のリテラシも向上してエントリの質もよくなってきますし。
だから、自分の経験を別の形に置き換えるということが、自分のブロガーとしての4年間の成果かな。
小川氏
書くということで、自分の中にあるモノを整理して抽出することにつながりますしね。
今年も2カ月がすぎようとしてますけど、これから目指すことはなんですか?
石谷氏
顧客満足度を上げていくことしかない、ですね。ネットPRを使って、リリースをしていくことでPVが増えることが満足、というお客さまもいらっしゃるし、リリースを見た見込み客やプレスからの問い合わせの反応が大事というお客さまもいらっしゃいますから、やっぱり結果に結びつかないとね。そうでないとビジネスはだめですから。それに、ブログならアクセス解析しないと何も分からないじゃないですか。だからプレスリリースしただけではだめで、広告ではいってくるPVとリリースでくるPVでは質が違うようなことも、もっとお教えしたいですね。リリースによる反応は、より濃い情報の流れなんです。
小川氏
同感ですね。
石谷氏
ウルトラCはないわけですから、日々の積み重ねしかないと思っています。先ほども言いましたけど、広報の方は同業他社が何をしているのかを気にするわけですから、同業や会社の規模、社員数などが似ている企業の情報を広報担当者はほしがっているわけです。だから事例集などももっと拡充していきたいですね。
最近、ワンタイム、という1カ月のお試し版を始めたんですけど、おかげさまで好評で。続けてくれる人は年間でやってくれるわけですけど、会社ごと季節要因があって、たとえば学校なら受験シーズンなどで繁忙期がやっぱり決まっています。だから年間を通して情報を出してないと、そういう季節要因が分からないということも伝えたいです。いつピークがあるか、それを知っていれば、少し前に先手をとってアプローチできるわけじゃないですか。続けていくことで価値を生む。それをもっとアピールしていきたいですね。
小川氏
おっしゃるとおりです。この連載も長く続けて価値を生みたいですね(笑)。今日はありがとうございました。
|
小川 浩(おがわ ひろし) 株式会社モディファイ CEO。東南アジアで商社マンとして活躍したのち、自らネットベンチャーを立ち上げる。2001年5月から日立製作所勤務。ビジネスコンシューマー向けコラボレーションウェア事業「BOXER」をプロデュース。2005年4月よりサイボウズ株式会社にてFeedアグリゲーションサービス「feedpath」をプロデュースし、フィードパス株式会社のCOOに就任。2006年12月に退任し、サンブリッジのEIR(客員起業家制度)を利用して、モディファイを設立。現在に至る。著書に『ビジネスブログブック』シリーズ(毎日コミュニケーションズ)、『Web2.0BOOK』(インプレス)などがある。 |
2008/02/19 00:00
|
|
|
|
|