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「ウィジェットプラットフォームで世界最大へ」Widgetboxクロフ副社長
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今回のゲストは、サンフランシスコ市内にオフィスを構える新興企業のWidgetboxです。
Web 2.0的ベンチャーの中でも、米国ではウィジェット系のサービスを取り扱う企業が相当増えています。その中でもWidgetboxは著名なベンチャーキャピタルであるセコイヤなどの資金を得て、急速に成長し始めている注目株の一つです。同社のサンフランシスコ本社を訪ねて取材しました。
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スティーブ・クロフ
Widgetbox 副社長(左)
タム・ハイン
Widgetbox プロダクトマーケティングマネージャー(右)
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■ Web型ウィジェットのホスティングプラットフォーム「Widgetbox」
小川氏
お忙しい中、時間をいただきありがとうございます。
タム氏
日本からわざわざいらしていただいたのだから当然のことです。
クロフ氏
モディファイはどういう会社なのですか?
小川氏
(MODIPHI APPSのデモをみせながら)フィードリーダーなどの情報収集ツールや、RSSフィードを生成管理を行うツール、あるいはそれらを活用するためのマイクロメディアを作るためのコード生成を行うようなツールを提供しています。
クロフ氏
フィードを生成するというとFeedBurnerに近いサービスですね。ウィジェットも作れるんですね。
小川氏
作れますが、華やかなスキンというか、メディアとしての外観はまだ用意できていません。そこがまだまだWidgetboxには及ばないところです。
タム氏
技術的には近いと思いますが、方向の違いですね。どういうビジネスを日本ではやっているんですか?
小川氏
個人と法人にSaaS型でこれらのサービスを提供していて、法人からは月額の料金をいただく方向で進めています。ただ、いまのところはMODIPHIを使って企業のサイト開発やカスタマイズを行うことで収益を得ています。MODIPHIは一種のデータベースなので、MODIPHIとJavaScriptだけでサイトを開発することが可能なんです。近い将来は完全にサービス事業に持っていきたいですが。
タム氏
サービス事業の方がスケールしやすいですからね。
小川氏
ウィジェット事業ということでは、日本でもSlide.comやRockyou.comが知られていますが、Widgetboxのビジネスモデルはどのようなものでしょうか?
クロフ氏
Widgetboxは、Web専用のウィジェットの作成と配信を行うプラットフォーム企業です。われわれはウィジェットを作成するためのツールを提供するだけでなく、作成したウィジェットをホスティングするギャラリーでもあります。
タム氏
現在ギャラリーには6万を超えるウィジェットをホストしています。この半年で倍増するほどの勢いで増えています。世界最大のウィジェットギャラリーといっていいと思います。
■ 収益源は広告
小川氏
ウィジェットそのものの開発はどうしてるんですか?
クロフ氏
われわれが提供するプラットフォーム上で、外部のクリエイター達が作っています。われわれがウィジェットを作って用意しているわけではありません。
小川氏
ウィジェットはFlashで作る?
クロフ氏
そうとも限りません。例えば…(画面を触り、ウィジェットのコードを見ながら)ああ、これはFlashですね(笑)。確かにFlashが多いんですが、PHPやJSPによるものも多いですよ。
小川氏
日本ではウィジェットという言い方はあまり認知されていません。ブログに貼る利用方法が多いので、ブログパーツとして知られています。Widgetboxが提供しているウィジェットの用途は?
タム氏
われわれはいまのところWeb型のウィジェット専門で、主にFacebook、MySpaceなどのSNS、BloggesなどのブログやさまざまなWebサイト上で置かれるものです。iPhone専用のウィジェットも用意できます。
小川氏
ビジネスモデルは?
クロフ氏
現状は広告です。Facebookなどのパートナー上で表示される広告、あるいはウィジェット上にオーバーレイで広告を出せるようにしており、今後はわれわれ自身がウィジェット広告プラットフォームとして大きくなることを期待しています。
小川氏
YouTubeのオーバーレイ広告と似てますね。
クロフ氏
そうですね。ウィジェットは米国では急速に普及していますので、大きなビジネスチャンスがあると考えています。
■ オープンなSNSがなければウィジェットは育ちづらい?
小川氏
FacebookもMySpaceも日本進出をしていますが、Widgetboxはどうですか?
クロフ氏
われわれはまだまだスタートアップですから、先のことは分かりませんが、日本のSNSには興味があります。mixiくらいしか知りませんが、ウィジェットを採用していますか?
小川氏
日本のSNSはmixi一人勝ちですが、モバイルではモバゲータウンやGREEなどが勢力争いをしています。しかし、どのSNSも外部のウィジェットを貼ることは許していませんね。日本のSNSはクローズドなんです。
タム氏
それはなぜでしょう?
小川氏
難しい質問ですね…。アメリカではデータポータビリティやOpenSocialなど、よりオープンな世界へと進むための仕様や取り組みが一般的ですが、日本ではネット事業のほとんどがまだまだ閉鎖的というか囲い込み合戦に血道をあげています。ブログネットワークでさえも、独自のウィジェット、というかブログパーツしか貼らせないところは多いんです。
クロフ氏
それは驚きです。なぜクローズなんです?
小川氏
うーん…(苦笑)。カルチャーの違いとしかいいようがないかな…。
クロフ氏
日本に進出する時期は分かりませんが、まずはmixiなどと直接交渉しなくてはならないわけですね。
小川氏
そうなりますね。
日本に来る気になったら、ぜひ一報してください(笑)。
クロフ氏
分かりました(笑)。いずれにしてもウィジェットがその価値を生むにはオープンなネットサービスの環境が必要ですから、日本もそうなることを願っています。
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小川 浩(おがわ ひろし) 株式会社モディファイ CEO。東南アジアで商社マンとして活躍したのち、自らネットベンチャーを立ち上げる。2001年5月から日立製作所勤務。ビジネスコンシューマー向けコラボレーションウェア事業「BOXER」をプロデュース。2005年4月よりサイボウズ株式会社にてFeedアグリゲーションサービス「feedpath」をプロデュースし、フィードパス株式会社のCOOに就任。2006年12月に退任し、サンブリッジのEIR(客員起業家制度)を利用して、モディファイを設立。現在に至る。著書に『ビジネスブログブック』シリーズ(毎日コミュニケーションズ)、『Web2.0BOOK』(インプレス)などがある。 |
2008/06/24 00:00
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