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「2000種類以上のエフェクトを駆使して簡単に動画編集を!」
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オンライン動画編集サイト スプラシアの椙原ディレクター
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今日のゲストは、スタートアップベンチャーの中でも、非常に洗練されたサービスを既に展開している動画編集サービスのスプラシアの椙原さんです。
Flashベースのオンライン動画編集ツールは、非常に軽快な操作感を実現しており、専門的な知識がなくても、動画への楽しい加工を行うことができます。動画サービス市場のプレイヤーは数あれど、動画検索や共有サービスではなく、パブリッシャー側向けのサービスに着目した点が評価できる、非常に注目すべきベンチャーの一つです。
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椙原 誠(すぎはら まこと)
株式会社スプラシア ストラテジック部ディレクター
1979年9月8日生まれ
2002年4月 株式会社NTTドコモ入社
2005年1月 株式会社ディメンションズ 立ち上げに参画
2007年8月 株式会社スプラシア 立ち上げ
2008年4月 オンライン動画編集コミュニティ【Sprasia(スプラシア)】http://www.sprasia.com/一般公開
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■ オンラインで動画の加工を簡単にするスプラシア
小川氏
まず自己紹介をお願いします。
椙原氏
オンライン動画編集サイトのスプラシアを運営しております、株式会社スプラシアの椙原です。戦略立案などを担当しております。
小川氏
まだ創業して1年経ってないんですよね。これだけのサイトを作り上げたのは素晴らしい。
椙原氏
ありがとうございます。会社は2007年の8月8日に設立して、Webのサービスは今年の4月15日に一般公開しました。昨年の12月にクローズドベータ公開はしていましたが。
小川氏
社名とサービス名であるスプラシアの意味は?
椙原氏
いろんな人のクリエイティビティをスプレーさせたい、という意識からですね。インターネットの面白いサービスはアメリカ発ばかりなので、日本やアジアから出していきたいという意味でもあります。スプラシアは、Web上で動画を編集できるというサービスなんですけど、ソフトをインストールしなくていい、編集ツールをWebブラウザだけで使えるという点が特徴です。
小川氏
ツールとしての特徴を教えてください。
椙原氏
動画に対して、吹き出しのようなオブジェクトを加えたりして加工することが可能です。さまざまなエフェクトを用意して、それらを組み合わせることでオリジナルの動画を作ることができます。
小川氏
動画を切り貼りしたりするエディットというよりも、エフェクターといえますね。ちなみに、どのくらいの数のエフェクトを用意されているのでしょう?
椙原氏
エフェクトは2000種類くらいありますね。毎日10個ずつアップしています。
小川氏
10個と決まっているんですか? 今日は11個とか、明日は9個とか?
椙原氏
いえ、10個ずつです(笑)。サイトの作り上、五行ずつ足していくので。
小川氏
そうですか(笑)。サービスの特長をかいつまんで紹介してくれますか?
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編集ツール画面
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椙原氏
サービスの詳細は、
・エフェクト2000種類以上
・尺(動画の長さ)は若干ながら変更可能
・エフェクト合成は10レイヤーまで。1レイヤーで5つのエフェクトを追加できる。
・ドラッグ&ドロップで編集
・音源も用意している
・写真は個人がアップすることで追加できる
・写真が4MB、ビデオは100MB、トータル500MBの容量を用意
・エフェクトにクリッカブルリンクをつけられる
・動画を1つのファイルに5種類まで挿入して連続再生が可能
という感じです。
小川氏
すごい。けっこう回線に負担かけそうですね。
椙原氏
はい。ネットワークの帯域はそれなりに用意をしています。
■ 動画編集技術のOEM提供も収益の柱に
小川氏
サービスを作ろうと思ったのはなぜですか?
椙原氏
YouTubeがでてきて、動画をWeb上にアップロードするということがはやりだしたときでしたから。自分もやりたいと思っても、なかなか自分ではできないですよね。だから技術的なハードルを下げて、誰でも面白い動画を作ってパブリッシュするサービスを作れば、よいサービスになると考えたんです。
小川氏
ブログがHTMLの知識なしにWeb上にコンテンツをアップするゲートウェイになったことと同じ役割になりますね。
動画市場、という言い方をした場合、競合となり得るのはどこですか?
椙原氏
動画プレイヤーというと、YouTube、ニコ動、パンドラ(韓国)といった動画共有サイトがまずありますね。スプラシアは動画共有ではなく、動画の作り手のサポートをするサービスですから、直接的なライバルとは思っていません。動画編集サイトというカテゴリーでは、YouTubeにもリミックスという、アドビが作っているソフトがついていますが、エフェクトもなく、やはりある程度専門知識が必要なことには変わりありません。そこを解決している会社はあまりないと思っています。
小川氏
なるほど。ビジネスモデルはどうなりますか? やはり広告?
椙原氏
sprasia.comをメディアにして広告、ということはもちろん考えています。あとは、動画編集機能というテクノロジーを他社に提供するという、B2B的なモデルも考えていて、この二つを両軸として事業を作っていきたいと思っています。
例えば、動画をアップしてコマーシャルみたいなことをやりたいとか、動画マーケティングみたいなことをやりたいけど、やり方がわからないという中小企業は多いと思います。そういう方々にサービスを提供することはビジネスになると思います。また、単発で最近増えてきているのは、動画の投稿キャンペーンなどのプロモーション企画ですね。こうした企画にうちのサービスをもちこみたいと思っています。OEM的な提供や代理店との共同のようなモデルになると想定しています。
小川氏
それは分かりやすいし、ベタですけど、実効性が高いアイデアですよね。
椙原氏
ありがとうございます。
■ 編集済み動画のダウンロードや、ケータイでの動画視聴にも対応予定
小川氏
話は違いますけど、iPhoneはFlashをサポートしてないので、たいていの動画サイトは見られないのが残念ですよね。
まあ、iPhone自体が動画撮影もできないですけど。
椙原氏
Appleのジョブズ先生は(笑)、フルFlashは重すぎる、Flash Liteは機能が少なすぎるといっているらしいですね。アドビがiPhone用のFlashをつくるという話もあるので期待しています。
小川氏
YouTubeは、最近のケータイでは見られるようになってきたじゃないですか。編集した動画を書き出してYouTubeにあげられるとうれしいでしょうね。
椙原氏
まだリリースはしていないんですが、編集した動画のエクスポートは近々サポートするつもりです。それに、動画フォーマットをケータイに合わせて、3GPにエンコードする機能も準備中です。
小川氏
素晴らしい。さすがにケータイでの編集はサポートしないですよね(笑)
椙原氏
ケータイで編集はなかなか難しいですね(笑)、だからとにかくビューワーは用意したいですね。
でも、あらかじめフレームをセットして、メールアドレスをひもづけて、そこにメールを送ると動画とフレームが組み合わせる、というようなシンプルなやり方はありだろうと思います。
小川氏
ある意味プリクラ方式ですね。
椙原氏
まさにそう。
たとえばBGMをセットしていて、同じようにそこにメールすると動画にBGMをつけられるというのも、キャンペーンの一例ですけど、自分のPVを作るようなことにつながるかもしれません。
小川氏
なるほどね。いま何人でやってらっしゃるんですか?
椙原氏
20人くらいですね。
半分が開発、その半分がクリエイターです。
動画編集をWeb上で行わせるためには、テクノロジー的にはかなり複雑なことをしなくてはなりません。いまはその編集作業自体も大変な作業なわけで一般の人にはハードルが高いんですけど、スプラシアは、その作業を極力シンプルにしたいと思って作っています。
小川氏
その成果物としての動画作品は、誰の目にも分かりやすいソリューションですから、そんなに簡単なら私もやってみようと思う人は多そうですね。
僕もiPhoneが動画対応したら、ぜひ挑戦したいと思います(笑)。今日はありがとうございました。
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小川 浩(おがわ ひろし) 株式会社モディファイ CEO。東南アジアで商社マンとして活躍したのち、自らネットベンチャーを立ち上げる。2001年5月から日立製作所勤務。ビジネスコンシューマー向けコラボレーションウェア事業「BOXER」をプロデュース。2005年4月よりサイボウズ株式会社にてFeedアグリゲーションサービス「feedpath」をプロデュースし、フィードパス株式会社のCOOに就任。2006年12月に退任し、サンブリッジのEIR(客員起業家制度)を利用して、モディファイを設立。現在に至る。著書に『ビジネスブログブック』シリーズ(毎日コミュニケーションズ)、『Web2.0BOOK』(インプレス)などがある。 |
2008/07/22 00:00
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