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「十人十色の多様性と技術&企画力で成長」エクストーン桂社長
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今日のゲストはNetvibesあるいはiGoogleと競合しえる高機能なパーソナライズドポータルサービスを提供しているベンチャー、エクストーンの桂社長です。弱冠25歳というネットショッキング史上最年少の桂さんの興味は多岐にわたっています。
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桂 信
株式会社エクストーン 代表取締役
2005年3月、慶應義塾大学在学中に有限会社シーリンクを創業。
2006年10月に株式会社エクストーンを創業。
2007年4月に株式会社シーリンクとの合併。現在に至る。
過去に、Siggraph Emerging Technologies 採択(2006), Tokyo Designer's Week 2003 デザインプレミオ賞受賞、慶應義塾大学 政策・メディア研究科 相磯賞受賞など。
慶應義塾大学大学院修了
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■ 十人十色という社名
小川氏
社名の由来は?
桂氏
XtoneのXはローマ数字の10です。Toneは階調、つまり10色を示しています。十人十色、というわけです。
小川氏
なるほど。
桂氏
もともと起業をしたのは、2005年にドワンゴさんのニワンゴメールポータルサービスに参画させてもらうという機会を得たことがきっかけです。そのときに有限会社シーリンクという会社を作りました。その後エクストーンを設立して、シーリンクを合併してエクストーンを存続会社にして今に至っています。
小川氏
エクストーンというとパーソナライズドポータルのtruncのイメージが強いですが、事業全体の説明をしていただけますか?
桂氏
Webを中心にしたさまざまなサービスの企画をしている会社ですね。
内容はそのときの仕事によってまちまちなんですが基本的にはWebの企画と制作業務です。それでも家電メーカーさんと一緒にR&Dを一緒にしたりするので、一言ではいえないですね。
truncは去年の9月から手を付けていて、情報大航海プロジェクトにもそれで参加させていただきました。
小川氏
はい。
■ Webを中心としたさまざまな企画の中からパーソナライズドポータル「trunc」を開発
桂氏
面白い企画としては、good by ringsというのがあって。恋人が別れるときに行き場を失った指輪を換金して、それを寄付するというサービスを作りました。統計のしかたにもよりますが、2分に1組別れてるらしいですから。
あとは、日本ロマンチスト協会というのを作っていて6月19日をロマンスの日という記念日として、ハレの日として広めようと運動してます(笑)。持続可能な男女関係の創造を支援するというテーマですけど。
小川氏
面白いですね(苦笑)。
ちょっとtruncに話を戻すんですけど、収益化にはまだ貢献していない?
桂氏
してないですね。
結構様子見のところが大きくて。コンシューマー向けの商品としては実験ですね。広告も入れてみたりしていますが、単純にバナーを置けばいいというものではないですし。ただユーザーの利用動向が分かる仕組みであるから実験データを採集している段階で、本格的な商品開発はこれからですね。
小川氏
うちにもパーソナライズドポータル的な話はたまにくるんですよ。B2B2C的に一般の会員向けサービスとしての話もあるし、イントラのEIP(企業内情報ポータル)としてのニーズもよく聞きます。エクストーンさんではどうですか?
桂氏
EIPは難しいですね。確かにうちにも話は来ますが、ブレスト的にお話を伺う程度にいまは抑えています。業務システムとの連携を作ることはしたくありません。やるとしたらパッケージでお渡しするしかないですが。そもそもWebにはスケジューラーもメールソフトもいろいろあって、個人によって好きなツールを使っているわけですけど、それらをまとめるインターフェイスが欲しいなと思ったのがtruncを作ったきっかけです。ちょっとした編集ならまだしも、なにからなにまでうちで作る気はなくて、truncはいろいろなシステムの連携用です。
また、B2B2C的な案件があるにしても、ASPはやる気がないので、お客さまごとにカスタマイズしてお渡しすることはあるかなと思っています。
小川氏
収益は受託メインですか?
桂氏
そうですね、自社メディアでの収益はまだないのですが、あとはメディア運営してリベニューシェアしています。
■ ピクサーにあやかって成長したい
小川氏
なんとなくチームラボさんに似ているのかもしれないですね。
桂氏
直接競合ではないけど、よくいわれますね、あとはカヤックさんとか。とにかく面白い企画を作ってよ、といわれることが多くて。スタッフも好奇心旺盛な人間が多くて、Webに限らずいろいろなことをやりたいと思っています。ただ、例えばデジタルサイネージだったりネット家電だったりと、最近の面白い企画はやっぱりWebに近寄ってきていますから、やりたいこととやっていることがマッチしてきているというか、結局はWebを軸にしている会社だと思っています。デスクトップのアプリを作るにもAIRなんかを見るように、やはりWebベースですよね。
小川氏
こうなりたいロールモデルというか、会社をこうしたいという形ある目標はどうですか?
桂氏
昔から憧れているのはピクサーですね。大学時代、慶應のSFCなんですけど、もともとCGをやっていたこともあるんです。ピクサーは90年代前半まではあまり一般的な知名度はありませんでしたけど、いまや技術でCG業界を盛り上げて、よいクリエイティブと成果が全部揃っていて好きです。会社の成長の形がいいですね、憧れます。業界は違うけれど学ぶべきところが多いと思います。
小川氏
アップルじゃないんだ(笑)。でも確かにピクサーはユニークな存在ですね。
いまエクストーンとして技術的に進めていきたいことは? 特にtruncは最近バージョンアップされたばかりでしょうから、そこにフォーカスして聞かせてください。
桂氏
大きく分けると3つあります。一つはAPI公開です。truncと連携できるサービスを作れるようにします。それと、デザインを自由に変えられるようにすること。もう一つは実験的でレイアウト自体も自分でできるようにすることですね。第一ステップを10月3日に公開したばかりですが、カラムではなくフリーレイアウトでウィンドウを自由に動かせるようにしました。重ねたり、置く自由に決められるんです。
小川氏
これ、すごいですよね。対応ブラウザは?
桂氏
Internet Explorer 6/7、Firefox 2/3、Safari 3.0、Opera 9.5には対応しました。広告のエリアもバナー領域も消して、小さくテキスト広告を置いてみました。いちおうユーザーの情報に即した情報を表示して、1分に一度切り替わるようにしています。
小川氏
パーソナライズドポータルを提供している会社は日本にもあると思うけど、例えばMODIPHIの機能を使って作れることは作れるけど、これという形になったサービスを提供しているのは、いまのところエクストーンさんだけですね。
桂氏
ありがとうございます。
パーソナライズドポータルは、やはりさまざまなサービスをまとめる機能ですが、Yahoo!が提供したらメールもカレンダーもYahoo!だけとか、iGoogleだとGmailしか連携できない、というようになりがちです。やっぱりユーザーが好きなサービスを使っていけるように、中立な会社が提供するべきだと思います。うちはその点、他の機能を提供しているわけではないから、中立で、好きなように使っていただけると思いますよ。
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小川 浩(おがわ ひろし) 株式会社モディファイ CEO。東南アジアで商社マンとして活躍したのち、自らネットベンチャーを立ち上げる。2001年5月から日立製作所勤務。ビジネスコンシューマー向けコラボレーションウェア事業「BOXER」をプロデュース。2005年4月よりサイボウズ株式会社にてFeedアグリゲーションサービス「feedpath」をプロデュースし、フィードパス株式会社のCOOに就任。2006年12月に退任し、サンブリッジのEIR(客員起業家制度)を利用して、モディファイを設立。現在に至る。著書に『ビジネスブログブック』シリーズ(毎日コミュニケーションズ)、『Web2.0BOOK』(インプレス)などがある。 |
2008/10/14 00:00
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