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「18~49歳の女性をターゲットにシズル感とクオリティを感じさせるメディアを」グラムメディア・ジャパン千賀氏
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今回のゲストは、女性向けの広告メディアとして急速に成長している米Glam Mediaの日本法人、グラムメディア・ジャパンの千賀由久さんです。
Glam Mediaは自社メディアをハブとして、女性サイトをネットワーク化して広告を配信するアドネットワーク企業です。米国で急成長したGlam Mediaが日本でどのような展開をみせるのか。多くのメディアから注目される存在となったGlam Mediaの戦略をお伺いしました。
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千賀 由久
グラムメディア・ジャパン株式会社 セールスディレクター
米国にてMBAを取得後、1998年オグルヴィアンドメイザージャパンにインターネットメディア担当として入社。メディア専門会社マインドシェアジャパン設立時に転籍し、その後メディア運営会社勤務を経て、現在の役職に就く。
インターネット広告黎明(れいめい)期よりさまざまな広告プランを実践レベルで実施/推進。さまざまな企業のインターネットメディアに対するプラン/コンサルティングに従事。
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■ 米国発の女性ターゲットにしたメディアネットワークとして日本上陸
小川氏
まず、Glam Mediaという会社の業態を簡単に紹介いただけますか?
千賀氏
Glam Mediaは米国発の広告メディアネットワークサービスです。2005年9月にサービスをスタートした若い会社ですが、米国では5000万人を超えるユニークユーザーを抱える有力広告メディアとなっています。GoogleやYahoo!、マイクロソフトらのポータルは基本的に老若男女をすべて対象にしているわけですが、われわれは女性だけ、原則として18歳から49歳の女性をターゲットにしたサービスです。日本では2008年6月30日に会社を設立しまして、現在10名ほどの社員がおります。
小川氏
Glamが女性をターゲットにしているのは分かりましたが、女性向けのどんなサービスであると呼べばよいですか?
千賀氏
女性をターゲットにしたメディアネットワーク、です。まず、自社メディアとしてGlam.jpを運営しており、ファッションや美容などに関する情報を提供しています。同時に、Glam.jp以外のさまざまなファッションやビューティ、ライフスタイル、エンターテインメントなどの女性向けWebサイトやブログをネットワーク化して、それらのサイトの広告枠に対して最適な広告やクリエイティブを配信するという事業を行っています。
小川氏
千賀さんはその営業部門を担当されているわけですね。つまり、Glamは自社メディアと他社メディアの広告枠に対して、広告を提供するメディアネットワーク、と呼べるのでしょうか。
千賀氏
そうですね。さまざまなメディアをネットワーク化することで、より大きくリーチできる広告ネットワークを作り上げています。いわゆるバーチカルネットワークというものですね。日本では初の試みかもしれません。
小川氏
なるほど。
千賀氏
もう一つの特徴は、Glam Mediaはブランド重視であるということですね。
■ 広告枠だけでなくトラフィックの回流を促すニュータイプの広告ネットワーク
小川氏
Glamがほかの広告ネットワークと違う点をもう少し詳しくきかせてください。
千賀氏
広告ネットワークとは、参加してくださるメディアの広告枠をお預かりして、アドサーバー経由で広告の配信管理をするサービスです。
Glam Mediaがほかと違うところは、参加してくださるメディアに対して広告だけではなく、トラフィックを回流させる仕組みを持っていることですね。Glam.jpがハブになって、われわれ自身の独自コンテンツと同時に、パートナーであるメディアのコンテンツもみせているのです。
小川氏
はい。
千賀氏
例えば、Yahoo!さんであれば自社サイト上に他社コンテンツを掲載しますが、自分のトラフィックやコンテンツをあまり外には出しません。われわれの場合は、Glam.jpにもユーザーを集めて、そのユーザー(のトラフィック)をどんどんパートナーに送る仕組みです。トラフィックを回流させるために、ウィジェットを互いに張り合うこともしています。Glamのネットワークに参加するメディアは、コンテンツを共有しながら互いに大きくなっていくモデルというわけです。
小川氏
なるほど。
ところで、今回日本法人設立に対して、小学館と日経BPからの出資も受けているんですよね。
千賀氏
われわれとしては、クオリティの高いコンテンツをもつメディアと組んでいきたいと思っています。オンラインにも多くの高いクオリティを持つ女性メディアは存在し、私たちはそれらメディアとしっかり組んでいきたいと思っていますが、もう一つ大きく考慮されるのは、すでに雑誌メディアで実証されている各出版社だと思います。
女性誌で展開されているクオリティの高いコンテンツは、ブランディングを掲げているわれわれにとっては非常に魅力的です。現状、各出版社はWebの方に力を注ぎ始めている最中です。よくオンラインコンテンツと雑誌コンテンツは、相違しているといわれることもありますが、私はクオリティの高いコンテンツ制作に、オンラインもオフラインもないと思っています。われわれと各女性系クオリティメディアが手を組むことにより、ユーザーや広告主に対し、非常に魅力的なオンラインメディアをご提供できると思います。
小川氏
出版社さんが呼び込む広告は、どのようなクライアントからのものになると期待していますか?
千賀氏
そうですね、やはりラグジュアリーブランドの広告ですね。これまでオンラインに広告を出さなかったクライアントに、興味を持っていただくことができればいいと考えています。Webでの広告展開をためらっていたお客さまに、最適な場を提供していきたいですね。そのためには、クオリティ感のある場を提供することが大事です。
小川氏
そうしたラグジュアリーブランドに受け入れてもらうための方策は?
千賀氏
女性という中で大きなメディアネットワークを組み、ターゲットをより細かく切り分けていけることがGlam Mediaの特徴ですが、先ほど申し上げたように、ブランディングにフォーカスしていることも大きいです。ラグジュアリーブランドのお客さまは、やはりクリック数やクリックレートだけではなく、いかにブランド力を向上させることができるかを示さないと、興味を持っていただけません。コストが安いだけでは彼らは動いてくださらないのです。
■ カテゴリーを増やしてパートナー数の充実を図る
小川氏
千賀さんは、もともと外資の広告代理店だとか?
千賀氏
そうです。ネット系の広告の制作や企画などの業務に携わってきました。
小川氏
どうしてGlamに移られたんでしょう?
千賀氏
やはりモデルが新しいということ。そして勝てるモデルであると思ったことが大きいですね。クライアントに提供できるものといえば、インプレッションとクリック数だけの世界にフラストレーションを感じていたんです。Glam Mediaであればメディアとして、もっとクライアントに喜んでいただけるものを提供できると思いました。
例えば、サイト全体のユニークユーザー数を提示するサイトは多いかもしれませんが、広告キャンペーンごとにどれだけのユニークユーザーにリーチしたかをレポートしているサイトはあまりないように思います。そもそも、クリックとはアクションの産物ですが、そうではなくアウェアネス調査レポートを出そうと思っています。モニターに対して、特定の広告への認知や興味、購買の意欲などのレポーティングをスコア化していくことができれば面白い。それができれば、クリック数の確保だけの広告とは対極の、本当にブランディング効果のある広告を作るための軸が出せると思っています。
小川氏
よく分かりました。現在何サイトをパートナー化したのでしょう?
千賀氏
現在、約25サイトです。
ただ、サイト数というよりはインベントリー数を目標としています。いまは月間3000万インプレッションほどなのですが、今年中には2億インプレッションを在庫として持ちたいと思っています。また、いまはファッション、ビューティにフォーカスしていますが、今後はヘルス、ファミリー、エンタメ、ライフスタイルなど、カテゴリーを増やすことで、バラエティ豊かなメディアをパートナーとしていきます。参加サイトのアクセスを増やせるように、トラフィックを回流させてもりあげていくのも大事だと思います。
小川氏
分かりました。また目標の実現が見えたころに、あらためてお話を伺わせていただければと思います。
今日はありがとうございました。
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小川 浩(おがわ ひろし) 株式会社モディファイ CEO。東南アジアで商社マンとして活躍したのち、自らネットベンチャーを立ち上げる。2001年5月から日立製作所勤務。ビジネスコンシューマー向けコラボレーションウェア事業「BOXER」をプロデュース。2005年4月よりサイボウズ株式会社にてFeedアグリゲーションサービス「feedpath」をプロデュースし、フィードパス株式会社のCOOに就任。2006年12月に退任し、サンブリッジのEIR(客員起業家制度)を利用して、モディファイを設立。現在に至る。著書に『ビジネスブログブック』シリーズ(毎日コミュニケーションズ)、『Web2.0BOOK』(インプレス)などがある。 |
2009/02/24 00:00
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