富士通、Xeon 5500番台を搭載したブレードサーバー「PRIMERGY BX900」


PRIMERGY BX900
サーバーブレードのPRIMERGY BX920 S1とストレージブレードのPRIMERGY BX940 S1

 富士通株式会社は5月12日、Xeon 5500番台を搭載したブレードサーバー「PRIMERGY BX900」を発表した。同日より販売を開始する。あわせて、サーバーの可視化・自動化ソフトウェア「ServerView Resource Coordinator VE V2」も同日より販売開始することも発表した。

 PRIMERGY BX900は、10Uラックサイズのシャーシに最大18枚のサーバーブレードを実装可能なブレードサーバー。サーバーブレード「PRIMERGY BX920 S1」は、Xeon 5500番台を最大2基搭載でき、メモリは最大72GB(9DIMMメモリスロット)、2.5インチSAS HDDを最大2台まで搭載可能。ネットワークはGigabit Ethernet×4を標準で搭載し、最大16ポートまで拡張可能。そのうち10Gigabit Ethernetを4つまで搭載できる。これにより、シャーシ全体では、36CPU(144コア)、1.29TBメモリ、216ポートに対応している。

 同時に発表されたServerView Resource Coordinator VE(旧称:Systemwalker Resource Coordinator)は、グラフィカルな管理コンソールを採用したサーバー運用管理ミドルウェア。物理サーバーと仮想サーバーを一元的に管理することができ、仮想サーバーや仮想スイッチなどを視覚的に表示するなど、システム構成を容易に把握できるのが特長。今回発表されたPRIMERGY BX900で利用できるほか、同社のラックサーバーやタワー型サーバー、また、IPMI 2.0対応の他社製サーバーも監視対象にすることができる。


ServerView Resource Coordinator VEの管理画面。物理サーバーに搭載されている仮想サーバーなどが視覚的に理解できるようになっているネットワークに障害が発生した場合、どの仮想サーバーに影響が出るかを視覚的に確認することも可能
IAサーバ事業本部長の河部本章氏

 同社IAサーバ事業本部長の河部本章氏は、「PRIMERGY BX900は、集約性能・将来性・運用性・グリーン化の4つの面で強化している。集約性能では、サーバー仮想化ソフトと組み合わせることで、2004年に発売した1Uサーバー230台を1つのシャーシに集約することが可能。設置スペースでいうと、96%の削減が可能だ。また、将来性では、6.4Tbpsという業界最高クラスの大容量データ転送を実現するミッドプレーンを採用。10Gigabit Ethernet 26ポートをワンチップに集約したLSIも採用しており、レイテンシーで従来比約3分の1の300ns、消費電力で従来比約3分の1の40W以下を実現している。運用性では、同時に発表したServerView Resource Coordinator VEを利用することで、仮想環境の動的な見える化を実現したほか、物理・仮想双方の運用環境の統一、サーバーリソースの最適化などを実現。そしてグリーン化では、Cool-safeテクノロジーを採用することで、本体自体の消費電力を低減したほか、冷却効率向上により空調設備への負担も軽減している。そのほか、仮想サーバーの縮退運転などにより30%の電力・CO2排出削減も実現している」と説明する。


仮想サーバーを活用することで高い集約力を実現独自の10Gbpsシリアル伝送技術など先端技術を採用

見える化・シンプル化を実現するServerView Resource Coordinator VECool-safeテクノロジーにより約40%の電力削減を実現

 価格は、PRIMERGY BX900 S1シャーシが68万円(税別)から、PRIMERGY BX920 S1が20万2000円(税別)から。出荷開始は7月末。ServerView Resource Coordinator VEの価格は21万円(税別)から。出荷は6月末より。

同社経営執行役常務 システムプロダクトビジネスグループ長の山本正己氏

 同社経営執行役常務 システムプロダクトビジネスグループ長の山本正己氏は、「x86サーバーは、ドイツの富士通テクノロジーソリューションズ(旧、富士通シーメンス)で一元開発し、グローバルで統一された製品を提供するほか、開発自体のスピードアップ化、調達窓口の一元化などサプライチェーンの最適化によるコスト競争力の強化など、グローバルでの競争力強化に向けて取り組んでいる」と説明。「ブレードサーバーは企業のITインフラの核となりつつある分野。このブレードサーバーは富士通が持つ技術力や総合力をもっとも生かせる分野であり、最重点分野に位置づけている」と、意欲的に取り組む考えであるとした。





(福浦 一広)

2009/5/12 14:44