カスペルスキーとデジタルアーツ、ウイルス対策とフィルタリング製品を融合へ
左から、デジタルアーツ 営業部 営業第一グループ マネージャーの今井賢司氏、取締役 COOの高橋則行氏、Kaspersky Lab CEOのユージン・カスペルスキー氏、カスペルスキー 代表取締役社長の川合林太郎氏、丸紅情報 常務執行役員の板垣博氏、プラットフォーム&ネットワーク事業本部 NSソリューション部 部長補佐の山崎僚氏 |
株式会社Kaspersky Labs Japan(以下、カスペルスキー)、デジタルアーツ株式会社、丸紅情報システムズ株式会社(以下、丸紅情報)の3社は5月13日、フィルタリングとウイルス対策の機能を統合した新ソフト「i-FILTER Powered by Kaspersky(仮称)」の開発で協業すると発表した。9月をめどに開発を進める。
デジタルアーツのフィルタリングソフト「i-FILTER」とカスペルスキーのウイルス対策ソフト「Kaspersky Anti-Virus for Proxy Server(以下、KAV for PS)」の機能を融合して、i-FILTER Powered by Kaspersky(仮称)を開発する。丸紅情報システムズが国内総販売代理店として、販売と保守サポート業務を担当。両製品を以前より取り扱っていた同社が、「急速に変化する脅威に対して、両製品を融合するのが効果的なのでは」と呼びかけ、この協業に至った。
i-FILTER Powered by Kaspersky(仮称)は、ゲートウェイにインストールし、社内外間のインターネット通信(HTTP/HTTPS)に対し、i-FILTERによるWebフィルタリングとKAV for PSによるウイルス対策の機能を提供する。9月にICAP版、2010年第2四半期に統合版をリリースする予定。まずは両製品の通信連携機能や一元ログ機構、設定・UIの連携機能などを開発し、両製品が連携するICAP版、単一ソフトとして提供される統合版を順次投入する。
両製品統合のメリットとして丸紅情報 プラットフォーム&ネットワーク事業本部 NSソリューション部 部長補佐の山崎僚氏は、「両製品の機能を一元化できる」「価格が抑えられる」「インストールが簡略になる」「サポート窓口が一本化される」などを挙げている。価格は、500ユーザーで200万円程度の見込みで、両製品を別々に購入するより、2~3割程度安価になるという。
ターゲットは「従業員500名以上の企業・団体。既存のi-FILTERユーザー、カスペルスキーユーザーに提案するほか、他社Webフィルタリング・ウイルス対策製品からの乗り換えも狙い、販売初年度3億円の売り上げを見込む」(丸紅情報)とのこと。
丸紅情報 常務執行役員の板垣博氏は、「2002年よりデジタルアーツ製品、2007年よりカスペルスキー製品を扱う中で、両社の製品を融合して欲しいというニーズを多くいただいていた。今回、こうして統合製品の開発が実現したことは非常に喜ばしい。新ソリューションでは、多くのユーザーのIT利用環境に貢献するものと期待している」とコメント。露Kaspersky CEOのユージン・カスペルスキー氏やデジタルアーツ 取締役 COOの高橋則行氏も、「それぞれに強みを持つ両社が提携できたことは非常にうれしいことだ。この提携で現状の脅威に即したもの、ユーザーが直面する状況に適したものが提供できるだろう」などとコメントした。
各社の役割 | i-FILTER Powered by Kaspersky(仮称)の構成イメージ |
2009/5/13 16:34