日本オラクル、統合経営管理ソリューションの日本語版を提供開始

アプリケーション事業統括本部 ビジネス推進本部 本部長の塚越秀吉氏

アプリケーション事業統括本部 ビジネス推進本部 シニアマネジャーの箕輪久美子氏

　日本オラクル株式会社は5月21日、経営管理ソリューション「Oracle Enterprise Performance Management System（Oracle EPM System）」への取り組みを強化し、同ソリューションを構成するアプリケーション製品群「Oracle Hyperion Performance Management Applications」の日本語版を本日より提供開始すると発表した。

　Oracle Hyperion Performance Management Applicationsは、事業の目標設定から、モデリング、経営策定、モニタリング、分析や報告などまで、経営者の意志決定を支援する経営管理に必要なプロセス全体を実行できるアプリケーション製品群。これまで、すべて英語版で提供していたが、今回、同製品群からグループ経営管理（連結）ツール「Oracle Hyperion Financial Management」、予算・計画・予測ツール「Oracle Hyperion Planning」、目標管理・スコアカードツール「Oracle Hyperion Performance Scorecard」、事業戦略・中長期計画ツール「Oracle Hyperion Strategic Finance」の4製品について、日本語版の提供を開始した。また、新たに「Oracle EPM System」の各製品と、SAPのERP製品との連携を実現する「Oracle Hyperion Financial Data Quality Management-SAP Adapter」を提供開始する。

　アプリケーション事業統括本部 ビジネス推進本部 本部長の塚越秀吉氏は、「経済不況が続く中、企業のIT戦略ロードマップにおいて、中長期的に競合優位性を出していくためには、ERPの情報を有効活用して経営管理を行うマネジメント・エクセレンスが重要になる。そして、マネジメント・エクセレンスの実現に向けては、事業計画からビジネス遂行、ビジネス結果という従来の業績管理に加え、ビジネスモデリング、市場分析、さらにはステークホルダー環境までを含め、正確な数値と予測に基づいた経営管理が必要となる。Oracle EPM Systemは、こうした経営管理に必要なプロセス全体を支援する、業界初の統合経営管理ソリューションであり、今回のアプリケーション製品群の日本語化を機に、パートナーとの協業も進め、日本でも本格的にマネジメント・エクセレンスを展開していく」との方針を述べた。

Oracle EPM Systemの製品体系	マネジメント・エクセレンスの競合優位性	マネジメント・エクセレンス実現のための“Strategy to Success”フレームワーク

統合予算ソリューションのフレームワーク

　パートナー戦略については、Oracle EPM System導入推進の一環として、日本HPとの協業を強化。日本HPでは、Oracle EPM Systemの導入を検討している企業に向けて、システム規模や利用用途に応じて最適なハードウェア構成を提案する無償サービス「HPサイジングサービス for Oracle EPM System」の提供を開始する。

　今回、日本語対応となった各製品の特徴は、グループ経営管理（連結）ツールのOracle Hyperion Financial Managementでは、グループ経営管理に有効な財務報告書の収集や連結処理、分析を行うことが可能。また、予算・計画・予測ツールのOracle Hyperion Planningでは、予算編成および予算管理、業績予測が可能となっている。「これらの統合予算ソリューションによって、企業全体の予算プロセスをカバーするとともに、シームレスな連携を図ることができ、将来予測の精度向上を実現できる」（アプリケーション事業統括本部 ビジネス推進本部 シニアマネジャーの箕輪久美子氏）という。

　目標管理・スコアカードツールのOracle Hyperion Performance Scorecardでは、企業の戦略や目標を実際のアクションにひも付け、KPI（経営評価指標）をモニタリングすることができる。事業戦略・中長期計画ツールのOracle Hyperion Strategic Financeでは、事業ポートフォリオの最適化や資金調達などの中長期計画策定を支援する。

　新たに提供するOracle Hyperion Financial Data Quality Management-SAP Adapterは、SAPのERPデータを経理部門のユーザーが簡単な操作で、Oracle EPM Systemのアプリケーションに取り込むことができる連結ソリューション。Oracle EPM Systemから、あらかじめマッピング（関連づけ）されたSAPのERPシステムのデータへと、さかのぼって参照するドリルバックも可能となっている。箕輪氏は、「このアダプタを活用することで、SAPのERP製品とOracle EPM Systemとの双方向連携を容易に行うことが可能となり、企業の決算早期化と予算管理業務に大きく貢献できる」としている。

Oracle Hyperion Planningの概要	Oracle Hyperion Performance Scorecardの概要	Oracle Hyperion Financial ManagementとOracle Hyperion Financial Data Quality Managementによる連結ソリューション