NEC、世界最軽量725gのAtom搭載ウルトラモバイルノートPC

キーボードの使い勝手も犠牲にせず

VersaPro UltraLiteタイプVS

 日本電気株式会社(以下、NEC)は5月26日、企業向けPC11タイプ30モデルを発表した。ビジネスノートPC「VersaPro タイプVE/VA/VF/VN/VW」、モバイルノートPC「VersaPro UltraLite タイプVC/VS」、デスクトップPC「Mate タイプME/MA/MC/MF」の11タイプで、中でも目玉となるのが、最軽量時725gの軽さと最薄部15.8mmの薄さを実現したモバイルノートPC「VersaPro UltraLite タイプVS」。希望小売価格は17万6000円(税別)からだが、NEC「得選街」にて7月27日まで、10万円を切るキャンペーン価格で販売する。

 VersaPro UltraLiteタイプVSは、企業ユーザーのより軽くという声に応え、徹底して軽さと薄さを追求した10.6型モバイルノートPC。筐体に軽くて丈夫なマグネシウム合金を採用するとともに、従来比で約25%小型化された高密度マザーボードやSSDといった軽量部品を使用することで、最軽量時725gの軽さを実現。これは「10.6型液晶搭載でWindows Vistaをプリインストールしたモデルとしては世界最軽量」(同社)という。

 内部では、キーボードと基盤類が上下に重ならないフラットな配置のほか、厚さ約1mmのカーボングラファイトシートによって放熱する構造を採用。冷却ファンやヒートシンクを不要としたことで、最薄部15.8mmの薄さを実現している。

 一方で堅牢性も実現。満員電車などでの持ち運びを配慮し、天板全体で150kgf、部分的な圧力(点加圧)で25kgfまでの圧力に耐えられるようにし、高さ76cmからの落下試験もクリアしている。

 また軽量・薄型ながら、キーボードの使い勝手を犠牲にせずに、キーピッチ17mm、キーストローク2.5mmを確保。スティック型ポインタとスクロールボタンを採用し、「タップ機能やスクロール機能などNXパッドと同様の使い勝手を維持している」(同社)。

従来比で約25%小型化された高密度マザーボードやSSDを採用。キーボードと基盤類が上下に重ならないフラットな配置とすることでコンパクト化を図った最薄部15.8mmの薄さを実現キーピッチ17mm、キーストローク2.5mmを確保
薄さ約15.9mmの薄型ACアダプタ

 バッテリは、M/Lサイズの2種類を用意。Windows Vistaの駆動時間は、Mバッテリが約3.9時間、Lバッテリが約7.8時間で、Windows XPなら最長約8.2時間の駆動を実現。ACアダプタは通常型のほか、薄さ約15.9mmの薄型も用意し、PC本体と合わせても約935gと、持ち運びやすさ・かさばりにくさを実現した。

 主な仕様は、Atom Z540(1.86GHz)、1GBメモリ(オンボード)、64GB SSD、インテルシステム・コントロール・ハブ US15Wチップセット、WXGA(1280×768ドット)表示可能な10.6型スーパーシャインビュー液晶、Windows Vista Business(XPインストールサービス付き)。インターフェイスには、USBポート×3(左右背面に1つずつ)、Gigabit Ethernet、IEEE 802.11b/g無線LAN、SDカードスロットを搭載した。キャンペーン価格は、9万9750円。

 なお、このVersaPro UltraLiteタイプVSでは、同筐体を採用した小型シンクライアント端末「VersaPro シンクライアント US10Na」も製品化。薄さ、耐久性、液晶サイズなどVersaPro UltraLiteタイプVSの特徴を有しながら、重さ649gを実現。PCサーバー「Express5800シリーズ」と接続することで、モバイル用途に対応したシンクライアントシステムが構築できるとする。

 また新製品共通の特徴として、環境対応強化のための「ECOモード設定ツール」を標準添付。CPUの稼働率、省電力モードへの移行時間、ディスプレイの輝度などを「高性能」「標準」「ECO」の3段階に変更できる。さらにCeleronなど省電力制御を搭載していないCPUで特に効果的という、独自のCPU電力制御機能も搭載。これらにより、国際エネルギースタープログラムに適合している。

前タイプにECOモード設定ツールを添付。VersaPro タイプVE/VA/VFでは、キーボード上部に一発でモード変換できる「ECOボタン」を搭載するECOボタン。青が「高性能モード」、緑が「ECOモード」と色で判断できるようになっている各モードごとに電源オプションやディスプレイ、CPUの省エネ設定が行える





(川島 弘之)

2009/5/26 14:36