「厳しい環境の中小企業を全面バックアップ」-弥生が事業戦略を公開

Windows Server 2008 Foundation対応製品を半額で提供するキャンペーンも発表

代表取締役社長の岡本浩一郎氏
上半期の売上は微減、営業利益は10%以上の増加に

 弥生株式会社は5月28日、事業戦略説明会を開催。同社代表取締役社長の岡本浩一郎氏より、2009年度上半期(2008年10月~2009年3月)の概況と、下半期の営業戦略について説明が行われた。

 上半期の業績に関して、岡本氏は、「厳しい景況感の中、量販店でのシェアは前年同期と比べ、本数で3.5%増、金額で5.2%増と健闘できた。とはいえ、本数・金額ともに対前年ではマイナスと厳しい状況にはある」と、前年を超える実績は上げられなかったものの、苦戦する競合をさらに引き離すシェアを獲得できたと説明。上半期の業績について、「前年同期比で1.9%減となったが、経費削減などの効果により営業利益は10%以上増加した」と、厳しい環境下で一定の成果を上げられたと強調した。

 また、青色申告向けのソフトでは、競合から低価格製品が出てきたものの、「低価格で購入されたユーザーも多いが、弊社製品の支持は引き続き得られている。低価格も訴求力はあるようだが、やはり安心感というのが重要だということが明確になった」と、同社製品に対する安心感・確実性が認められた結果が出たと述べた。

 同社製品への安心感を与えるものとして、岡本氏が強調するのが各種サービス。上半期に取り組んだものを挙げると、札幌カスタマーセンターを、60席から最大146席と大幅に増床したほか、「弥生の福利厚生サービス」「業種別勘定科目テンプレート」「仕訳相談サービス」といった弥生ユーザーを対象としたサービスの拡充を実施。「福利厚生サービスは今年の1月にサービスを開始したもので、現在4809社が利用していただいている。年内には1万社が利用するサービスにしていきたい。業種別テンプレートは以前から行っているものだが、弥生09シリーズの発売後にダウンロード数は伸びており、累計ダウンロード数で1万3506件となっている」と、中小企業の経営者を支援する各種サービスを拡充することで、引き続き安心感を与えていく考えを示した。


本数・金額ともに量販店でのシェアが向上競合との比較対前年では本数・金額ともに低下

 下半期の営業戦略については、「企業規模でいえば、弥生も中小企業。この厳しい環境を実感しており、同じように厳しい環境にある中小企業を全面的にバックアップする施策を展開する」と、中小企業に対してより利用しやすい製品やサービスを提供する考えをしめした。

 その一つが、「弥生で安心スタートキャンペーン」。これは、量販店店頭で同社製品を購入するユーザーを対象としたもので、同社製品を購入後ユーザー登録することで、各種サービスを無料で利用できるというもの。

 また、「弥生会計09ネットワーク」「弥生販売09ネットワーク」の2製品を半額で提供するキャンペーンを6月15日から9月30日までの期間限定で実施。同日発表されたWindows Server 2008 Foundationへの両製品の正式対応とあわせ、サーバー+ソフトウェアという形でパートナー経由で展開することも明らかにした。

 パッケージ以外での製品展開については、「株式会社インストラクションと協力して、弥生会計ネットワークと弥生販売ネットワークを、XenAppを利用したホスティングサービスで提供しており、6月には「かんたんホスティング for 弥生会計」として低価格サービスも提供する。また、経済産業省が推進するJ-SaaSに対応した弥生会計スタンダードを12月にダウンロード提供する予定」と説明。

 SaaS展開については、「弥生SaaS(仮)というSaaS型アプリケーションを開発中。既存の弥生会計とはまったく別のコードで開発しており、2010年末のサービス開始を目標に開発を進めている」と述べた。


弥生で安心スタートキャンペーンの概要Windows Server 2008 Foundationと半額キャンペーンの組み合わせを提案SaaS関連の取り組み





(福浦 一広)

2009/5/28 14:05