日本HP、ストリーミングの負荷にも耐えるハイエンドシンクライアント端末


クアッドヘッド対応モデル
デュアルヘッド対応モデル

 日本ヒューレット・パッカード株式会社(日本HP)は5月28日、グラフィックス機能を強化したシンクライアントのハイエンドモデル「HP gt7720 Thin Client(以下、gt7720)」シリーズを発表した。4画面表示が可能なクアッドヘッド対応モデルと2画面表示が可能なデュアルヘッド対応モデルをそろえ、同日より販売開始する。

 gt7720は、ブレードPCやブレードワークステーションのアクセス端末として最適なシンクライアント端末。CPUにデュアルコアのTurion 64(2.3GHz)、OSにWindows Embedded Standardを採用。Windows XPとの互換性を確保しつつ、Windows Vistaに近いインターフェイス、Internet Explorer 7、Windows Media Player 11を搭載した。メモリは2GB。チップセットは内蔵グラフィックス機能を備えたAMD 780G。

 クアッドヘッド対応モデルでは、さらにATI FireMV 2250グラフィックスカードを搭載することで、グラフィックス機能を強化している。同時出力が可能な計4本の映像出力端子(DVI-I×3、DVI-D×1)を備え、シンクライアントには負荷の大きかったリアルタイムストリーミングコンテンツをはじめ、マルチディスプレイ環境を必要とする金融トレーディングなどに最適な製品となっている。

 デュアルヘッド対応モデルでは、幅45.7mmのコンパクト筐体を採用。別売りの「HPフラットパネルモニタQuick Release」を用いれば、VESA規格に準拠した液晶モニタのスタンドと一体化することも可能なため、省スペースなシンクライアント環境が実現できるという。

 プロトコルとしては、OS標準の「Microsoft Remote Desktop Protocol(RDP)」、高圧縮率が特長の「HP Remote Graphics Software(RGS)」のほか、Citrix、VMwareなど幅広く対応。出荷時にはすべてプリインストールされているため、導入後どれでもすぐに利用することが可能だ。

 管理ソフトとしては、「HP ThinState Capture」を標準搭載。各クライアントのデスクトップ環境をUSBメモリにバックアップするもので、イメージを記録したUSBメモリを使用すれば、ほかの端末でも同一のクライアント環境を再現できる。またセキュリティ対策として、ネットワーク外部からの侵入と内部データの流出を防ぐ「Symantec Endpoint Protection」を搭載。管理者モードで各クライアントのUSBメモリ書き込みや環境設定などを制限できる。

 価格は、クアッドヘッド対応モデルが9万2400円、デュアルヘッド対応モデルが8万1900円。




(川島 弘之)

2009/5/28 14:10