日本AMD、“Istanbul”こと「6コアOpteron」を発表

12コアの次世代Opteron“Magny-Cours”も公開

2ソケット向けの6コアOpteron 2400シリーズ(左)と、4~8ソケット向けの6コアOpteron 8400シリーズ(右)
6コアOpteronのウエハーを手にしたマーケティング&ビジネス開発本部 エンタープライズ・プロダクトマーケティング部 部長の山野洋幸氏
6コアOpteronの概要

 日本AMD株式会社は6月3日、6月1日(米国時間)に発表された2ソケット以上のサーバー向けプロセッサ「6コアAMD Opteronプロセッサ」に関する記者向けの説明会を開催した。

 6コアOpteronは、Istanbul(開発コード)と呼ばれていた45nmプロセスで製造されるプロセッサ。2ソケット向けの6コアOpteron 2400シリーズと4~8ソケット向けの6コアOpteron 8400シリーズが用意されている。

 同社マーケティング&ビジネス開発本部 エンタープライズ・プロダクトマーケティング部 部長の山野洋幸氏は、「スループットへの要求や、仮想化、電力効率、コストパフォーマンスなど、サーバーマーケットへのニーズが変化している。今回発表した6コアOpteronは、これらのニーズに応える製品」と、サーバー市場で必要とされる要件を兼ね備えていると説明。

 既存のプラットフォームと互換性を持っており、クアッドコアOpteronから6コアOpteronに入れ替えるだけで、電力あたりのパフォーマンスが34%以上向上すると説明。また、仮想化支援機能の「AMD-V」や、電力管理機能の「AMD-P」といった機能も搭載。「競合の場合、低価格品で搭載されている機能が異なったりするが、AMDはすべての製品で同じ機能を提供している」と、機能の違いを意識することなく製品を選択できる点を強調した。

 6コアOpteronで新たに搭載されたのが、HT Assist。「HT Assistはキャッシュの同期をとるためのトラフィックを、L3キャッシュ用に各CPUソケットごとにディレクトリを持つことで、ブロードキャストで食われてしまうハイパートランスポートのトラフィックを抑制し、パフォーマンスを高める技術。ただし4ソケット以上のプラットフォームでないと効果が出ないので、2ソケット向け製品では基本オフになっている」(山野氏)と、4ソケット以上のプラットフォームのパフォーマンスを改善するものであるとした。


6コアOpteronで新たに搭載された「HT Assist」仮想化支援機能の「AMD-V」、電力管理機能の「AMD-P」も搭載2003年に発売されたシングルコアのOpteronとの比較。2003年に314のプロセッサで実現したパフォーマンスは、6コアOpteronを21個で実現。同じ314個の6コアOpteronでパフォーマンスを比較すると、同じ消費電力で14倍以上のパフォーマンスを実現

 なお、既存のクアッドコアOpteronも引き続き販売を継続する。「6コアOpteronは、仮想化やデータベースといったエンタープライズ用途で高い効果が出る製品。これに対して、クアッドコアOpteronは、低消費電力や低コストを意識する環境向けといえる」(山野氏)と、ワークロード別に使い分けが可能と述べた。


説明会では、2010年発表予定の“Maranello”プラットフォームに12コアの“Magny-Cours”プロセッサを2基搭載した環境をデモを交えて紹介Windows Server 2008 R2 RCが稼働するデモ環境。24のスレッドが動作しているのがわかる





(福浦 一広)

2009/6/3 16:15