UQ、モバイルWiMAX「UQ WiMAX」を7月1日より有料サービスに

WiMAX搭載PCからの利用方法、1日プラン・お試しプランなども発表

同社代表取締役社長の田中孝司氏
発表会にはパートナー各社の代表も出席
パートナー各社から発表されたWiMAX搭載PC

 UQコミュニケーションズ株式会社は6月8日、モバイルWiMAXサービス「UQ WiMAX」を7月1日より有料サービスとして提供することを発表した。あわせて、各種サービスやMVNO(Mobile Virtual Network Operator:仮想移動体サービス事業者)、WiMAX搭載PCなどリテールデバイスとの接続方法なども発表した。

 WiMAXは、IEEE 802.16eを基に規格化された高速ワイヤレスインターネットの愛称。無線LANと異なり、広いエリアで高速ブロードバンド環境を利用できるのが特長。同社では、今年2月より関東エリアで試験サービスを開始しており、今回正式サービスを7月より行うことを発表した。

 同社代表取締役社長の田中孝司氏は、「UQが目指すのが、“いつでも”“どこでも”“あらゆるものが”ブロードバンドにアクセスできる世界の実現。これを実現するためには、標準規格をベースとしたオープンなモデルが必要。今回、デバイスのオープンモデルとネットワークのオープンモデルの2つのオープンモデルをスタートすることを発表する」と紹介。

 デバイスのオープンモデルは、通信事業者がサービスや製品などを統合して提供するのではなく、さまざまな企業が接続用のデバイスを提供できるようにするもの。これにより、WiMAX搭載PCを購入したユーザーは、製品購入後に利用する通信事業者を選択し、WiMAX経由で登録することができる。

 ネットワークのオープンモデルでは、同社以外の企業がUQ WiMAXの回線を利用したMVNO方式の接続サービスを発表。田中氏は、「これにより、業種や業界を超え、さまざまなオペレーターが登場することになる」と、ネットワークサービス自体に各社が参入できるオープンなモデルにより、WiMAXの普及を促進すると述べた。


WiMAX搭載PCからWiMAX経由でオンライン登録が可能7月以降、各社から対応デバイスおよびWiMAX搭載PCが発表される予定MVNO参入企業も今後拡大していく

 このほか、7月より開始される有料サービスの各種料金プランも発表。定額プランの「UQ Flat」は月額4480円(登録料は2835円)で提供。また、1日だけ利用できる「UQ 1 Day」は日額600円(登録料は無料)で10月1日より提供される。そのほか、複数のWiMAXデバイスを使い分けられる「WiMAX機器追加オプション」は、追加1台あたり月額200円(2010年1月までは無料)で提供される。なお、WiMAX機器追加オプションは最大2台まで追加(合計3台)でき、同時接続できるのは1台のみとなっている。また、無線LANサービス「UQ Wi-Fi」を10月1日より提供。UQ FlatおよびUQ 1 Day利用ユーザーに無料で提供されるオプションで、東海道新幹線や都営地下鉄、19の空港などで利用可能となっている。


基本プランのUQ Flat1日利用のUQ 1 Day

複数のWiMAXデバイスを使い分けられる機器追加オプションWi-Fiスポットが無料で利用できるUQ Wi-Fiオプション

 7月からの有料サービスで提供されるエリアは、関東・中部・関西の3エリア。「関西エリアで空白の地域が目立つなど、エリアの拡充は不十分。着実に基地局を設置していく」と、サービス提供エリアに関しては、順次拡大する考えを示した。なお、サービス申し込み前に接続可能かどうかを確認できるよう、「Try WiMAX」というお試しサービスを7月1日より提供することも発表。Try WiMAXは、データ通信カードやWi-Fiゲートウェイセットを15日間無償貸与するサービス。そのほか、7月1日より同社サイトにおいて、接続可能なエリアをピンポイントで検索できるサイトも公開するとしている。


エリア別の設備状況-関東エリアエリア別の設備状況-中部エリアエリア別の設備状況-関西エリア
米Intel主席副社長 兼 最高セールス&マーケティング責任者のショーン・マローニ氏

 発表会には、米Intel主席副社長 兼 最高セールス&マーケティング責任者のショーン・マローニ氏も出席。「データ通信量は急速に増加しており、スマートフォンの場合で音声通信の30倍、ノートPCにいたっては音声通信の450倍もの帯域幅が必要となっている。インターネットはすでに生活の中心になっており、WiMAXはよりデータを送る環境を整えるものになっている」と、増加するモバイルでのデータ量に対応するのがWiMAXであると強調。「WiMAXを普及するためには、業界全体でのエコシステム構築は重要。日本では、13社のOEMパートナーがWiMAX搭載PCへのコミットメントを表明していただいた。世界全体でみても、2009年末までに100モデル以上のWiMAX搭載PCが出てくる」と、ブロードバンドアクセスの新たな波が広がっていると述べた。





(福浦 一広)

2009/6/8 14:19