日本オラクル、顧客マスターデータを連携させる「Customer Hub 8.1」


 日本オラクル株式会社は6月11日、顧客情報の連携と統合を可能にするマスターデータ管理製品の新版「Oracle Customer Hub 8.1」を発表した。同日から提供開始する。

 Oracle Customer Hubは、従来Siebelが提供していたマスターデータ管理製品「Siebel Universal Customer Management」を機能拡張したもの。同製品を中核に各データの主要部分を鍵にひも付けることで、企業内、グループ内に散在する顧客情報の連携・統合が可能。全社的な顧客データの標準化・統一化とリアルタイムな情報更新を実現する。

 新版では、同社のSOAによる異種アプリケーション統合基盤「Oracle Application Integration Architecture(以下、Oracle AIA)」に対応。これに伴い、業務アプリケーション製品「Oracle E-Business Suite」と「Siebel CRM」の顧客データを、新製品を活用して統合する仕組み「Oracle Customer Hub プロセス統合パック」の提供を開始する。

 同パックは、顧客データの連携に必要な、同期・検索に関するデータ項目や動作を事前定義したソフトパッケージで、連携部分の構築期間を短縮してくれる。さらにOracle AIAでは、他ベンダー製品や独自開発システムが混在する環境でも、Oracle Customer Hub 8.1による顧客データの連携が可能となるため、より広範な統合が可能となる。

 今後日本オラクルでは、Oracle Customer Hub 8.1と名寄せツールとの連携を強化していく方針。すでにデータクレンジング製品「TRILLIUM」との連携が実現しており、同製品の販売代理店であるアグレックスと共同で、日本語環境での技術検証を行っている。検証が完了次第速やかに、企業の顧客データ統合、標準化や品質向上などの課題を解決するソリューションとして幅広く展開するとのこと。




(川島 弘之)

2009/6/11 17:56