NEC、東名阪の中堅市場向け営業をNECネクサに一元化-営業効率最大化を図る


執行役員常務の岩波利光氏

 日本電気株式会社(以下、NEC)は7月6日、国内ソリューション事業体制を10月1日をめどに再編すると発表した。今回の再編により、グループ各社が保有していた東名阪地域の中堅市場向け営業機能をNECネクサソリューションズ株式会社(以下、NECネクサ)へ統合し、大手市場向け営業機能と東名阪以外の地域の全営業機能をNECに統合する。また、今回の再編にともない、NECトータルインテグレーションサービスは、9月末までに営業・SIなどの全機能をNECおよびNECネクサに移管する。

 再編の狙いについて、同社執行役員常務の岩波利光氏は、「4月の組織改正で、事業ごとに持っていた営業機能を統合し、“営業ビジネスユニット”“海外営業ビジネスユニット”を設置した。今回の再編は、国内を担当する営業ビジネスユニットにおいて、お客さま企業の特性にあわせる形で営業体制を強化するもの」と説明する。

 具体的には、東名阪地域の中堅市場向け営業機能をNECネクサに一元化。「中堅市場は東名阪地域に約60%が集中しているので、この部分を新生NECネクサが担当することになる。IT投資の面でみると、大手企業が1~2%程度の伸びであるのに対し、中堅市場は3%程度となっており、市場として期待している」と、NECネクサに一元化することで、営業効率の最大化を図る考え。

 大手市場に関しては、NECに営業機能を統合。「売上規模500億円を目安に中堅と大手を区別しているが、システム案件によってはNECで対応することもある」と述べ、高度なソリューション提供などはNEC本体が担当するとした。

 東名阪以外の中堅市場に関しては、NECの各支社に営業機能を統合。各地域の特性に応じた事業展開と、地域におけるシングルウィンドウを実現し、ソリューション事業の拡大を推進するとしている。


再編の狙い体制強化の概要再編後の営業体制

 今回の再編により、NEC各社から大手市場向けの営業担当約500名をNECにシフト。これにより、NECネクサの営業担当は800名から600名強になる。

NECネクサ 執行役員社長の森川年一氏

 NECネクサ 執行役員社長の森川年一氏は、「NECグループの販売・サービス事業担当5社が統合して発足したのが2001年。しかし、発足後5年はミニNECのままで推移してしまい、強みを出すことができなかった。ここ2年は実際のお客さまが見えたことで、どの市場を攻めればいいかが明確になり、中堅市場に関しては2ケタ成長を実現している」と、中堅市場に的を絞ることで成果がでていると紹介。「今回の再編により、大手担当の人員がNECに移るものの、中堅市場のお客さまに対するNECの中核企業として貢献していく。具体的には、中堅向けERPパッケージであるEXPLANNERの導入企業数を現在の600社から4年後には倍の1200社にまでシェア拡大を図りたい」(森川氏)と述べた。





(福浦 一広)

2009/7/6 18:03