「ワイヤレス、IP、Ethernetのテストを新たな三本柱に」、イクシア


Ixiaの社長兼CEO、アトゥール・バトナガー氏

 イクシア株式会社は7月8日、同社の事業戦略に関する説明会を開催。米Ixiaが買収した米Catapultのワイヤレス製品によってポートフォリオを拡大し、IP、Ethernetとあわせた3本柱として事業を行っていくとした。

 Ixiaではこれまで、IP、Ethernetに特化したテストソリューションを提供してきたが、「お客さまからのワイヤレスをやってくれないかという要望により、Catapultを買収した」とのこと。これによって、重要度が増しているワイヤレス製品を補完し、ネットワークコアからワイヤレスエッジまで、一貫したソリューションを提供できるようになったという。

 この点について、Ixiaの社長兼CEO、アトゥール・バトナガー氏は「これからは、ネットワークの利用の変化に伴い、マルチメディアのリッチアプリケーションを考慮する必要があるほか、適切な試験によってエンドトゥエンドの信頼性を確保することが求められるので、有線とワイヤレスを一緒に考えてあげる必要がある」という点を指摘。「次世代アプリケーションが、ますますインタラクティブでリアルタイムなものになっていくと、スケーラビリティや信頼性の高いテストツールが使われるようになってくる。また、お客さまは、できるだけ統合された環境でのテストを望んでいる」(バトナガーCEO)とし、統合的なテストソリューションを提供可能な、自社の優位性を訴えた。

 また同社では、次世代携帯電話の通信規格であるLTE(Long Term Evolution)をサポートしている点も強み。こうした先進的な製品を提供するために、売り上げの25%をR&Dに回しており、今後も継続して製品開発を行っていく意向を示した。なお、先進的な製品という点では、本業ともいえるIP/Ethernetの分野でも、40Gigabit Ethernet(GbE)、100GbEの製品をすでに提供できているのも強みである。

 日本については、バトナガーCEOが、「高い品質を要求する日本のお客さまが、当社のクオリティを高める手伝いをしてくれる」とコメントしたほか、「40GbE、100GbEの製品についても、日本のメーカーが最初にクオリティやパフォーマンスを評価してくれ、その結果大きなビジネスになっている」とも述べ、重要な市場だとの考えを示した。

 なお、説明会には日本の主要顧客である日立電線から、情報システム事業部 ネットワーク開発部部長の瀬戸康一郎氏が登壇。「当社では1機種あたり約100人月の検証作業を実施しているが、イクシアの機器を活用したテスト、特に自動化ツールによって、繰り返し行う試験を自動化し、精度向上と工数の圧縮を実現した」と、イクシア製品を利用するメリットを説明している。




(石井 一志)

2009/7/8 17:23