NEC、2009年度第1四半期は大幅な減収減益ながら期初予想を上回る結果に

取締役執行役員常務の小野隆男氏

2009年度第1四半期の実績

セグメント別 第1四半期の実績

　日本電気株式会社は7月30日、2009年度第1四半期連結決算を発表した。売上高は前年同期比22.3％減の7785億円、営業損益は前年同期比441億円減のマイナス400億円、経常損益は前縁同期比521億円減のマイナス450億円、四半期純損益は前年同期比343億円減のマイナス338億円と大幅な減収減益となった。

　同社取締役執行役員常務の小野隆男氏は、「景気悪化による需要低迷の影響を受け、すべてのセグメントで減収となった。しかしながら、期初の想定値と比べると、すべてのセグメントで予想を上回って推移した。順調なスタートを切れている」と、大幅な減収減益ながらも、想定値と比べて売上高で500億円程度上回る結果になったと述べた。

　ITサービス事業は、売上高が前年同期比7.6％減の1697億円、営業損益は前年同期比30億円増のマイナス1億円。官公庁向けや流通業向けは堅調に推移したものの、全般的な投資抑制の影響を受け、売上高は減少。営業損益に関しては、システム開発の効率化や固定費削減などにより改善している。

　ITプロダクト事業は、売上高が前年同期比37.5％減の391億円、営業損益は前年同期比235億円減のマイナス110億円。セキュリティ関連製品は堅調に推移したものの、サーバーなどの出荷が減少したことで、売上高が大幅に減少。営業損益に関しては、大幅減益ながらもほぼ想定どおりとしている。

　ネットワークシステム事業は、売上高が前年同期比20.0％減の1750億円、営業損益は前年同期比40億円減のマイナス35億円。世界的なシステム投資抑制などの影響により、売上高が大幅に減少。固定費削減など順調に推移しているものの、売上高が大幅に減少したことで損益悪化となっている。

ITサービス事業	ITプロダクト事業	ネットワークシステム事業

　社会インフラ事業は、売上高が前年同期比4.3％減の572億円、営業損益は前年同期比20億円増のマイナス4億円。航空宇宙・防衛分野が堅調に推移したことで、前年並みの売上高を確保。営業損益は、原価低減や販売費および一般管理費の効率化で改善している。

　パーソナルソリューション事業は、売上高が前年同期比17.1％減の1950億円、営業利益は前年同期比28億円増の87億円。国内の携帯電話機市場の縮小やPCなどの分野での企業のIT投資抑制の影響を受け、売上高は大幅に減少。しかし、携帯電話機の国内出荷台数は130万台で想定よりも上回る結果となり、売上高に貢献したと説明。営業利益に関しては、固定費やコスト削減により、前年同期と比べて改善している。

　エレクトロンデバイス事業は、売上高が前年同期比40.0％減の1222億円、営業損益は前年同期比260億円減のマイナス276億円。半導体分野の売り上げが減少したことや、電子部品その他が選択と集中の推進により大幅減収。営業損益も売上高が大幅に減少したことを受けて悪化している。

　その他の売上高が前年同期比46.1％減の202億円、営業利益は前年同期比4億円増の3億円。

社会インフラ事業	パーソナルソリューション事業	エレクトロンデバイス事業

　固定費削減計画の進ちょく状況について、小野氏は「第1四半期の進ちょくをみると、人件費などを中心に735億円の削減、進ちょく率でいうと27％と、計画を上回る形で推移している」と述べた。