日本オラクル、ユーザー視点でWebアプリケーションの性能を監視する「RUEI」
Oracle Real User Experience Insight |
日本オラクル株式会社は8月5日、Webアプリケーションの性能監視製品「Oracle Real User Experience Insight(以下、RUEI)」を発表した。
RUEIは、Webアプリケーションのパッシブ型性能監視ツール。監視対象のWebアプリケーションを操作するすべてのユーザーの性能・応答時間・処理速度・可用性を監視することで、ビジネストランザクションを分析できるのが特長。
常務執行役員 システム事業統括本部長の三澤智光氏は、「クラウド時代になると、Webアプリケーションの体感スピードやレスポンスが非常に重要になる。これまではサーバー側の運用監視は行っているが、ユーザー視点での性能監視が不十分。RUEIは性能監視にフォーカスした製品」と紹介する。
提供される機能は、KPI/SLAモニタリング、表示エラーページの分析、ボトルネックページの分析、ドメインごとの負荷分析、アクセス動向分析レポート、KPIアラート通知(SNMP)、BIツールとの連携、など。
運用監視ツールと性能監視ツールの違い | パッシブモニタリングとアクティブモニタリングの違い | パッシブ型の性能監視により、ユーザー視点での監視を実現 |
同社システム事業統括本部 データベース製品ビジネス推進本部 データベース製品戦略推進部 シニアマネージャーの大槻剛士氏は、「性能監視のアプローチとしては、パケットをモニタリングするアクティブモニタリングと、ビーコンを配布して情報を収集するアクティブモニタリングの2つがある。アクティブモニタリング型の性能監視製品としてOracle Service Level Management Packをすでに提供しており、今回のRUEIによりパッシブモニタリングもカバーすることができる」と説明。
「RUEIを利用することで、リンク切れやアプリケーションエラーを発見できるといった機能的な視点のほか、応答時間・スループット・SLA順守状況の分析といった性能的な視点、ユーザーの動向やWebの性能が経営に与える機会損失を軽減するといった経営的な視点に対応できる」(大槻氏)と、利用メリットを紹介した。
RUEIのトップページ。KPIのしきい値を超えているかどうかのほか、エラー内容をグラフで表示したり、PVやトランザクション、応答時間などリアルタイムのデータをまとめて表示している | システムごとのエラー状況を確認しているところ。グラフで視覚的に確認できる | 条件を設定してエラー内容を絞り込むことも可能 |
時系列でエラー状況を確認している画面。一定の間隔でエラーが起きていることがわかる | 特定の時間に絞り込んだ画面。その時間帯のセッション情報も一覧表示できる。結果、「在庫がない」というエラーメッセージが表示されていたことが判明し、入荷予定日を表示するように改善することで解決できた |
価格は、1プロセッサあたり940万2200円(最小2プロセッサより)。
常務執行役員 システム事業統括本部長の三澤智光氏 |
三澤氏は、「性能監視は日本市場にとって新しい分野。インターネット型のアプリケーションは増えており、性能監視を手組みで行っている企業にとって大きなメリットとなる製品と考えている。また、基幹業務系で性能監視はほとんど行われていないので、こうした分野にも大きな機会があるとみている」と説明。今年いっぱいかけて、パートナーへのスキル提供のほか、リファレンスカスタマーの立ち上げなど新市場開拓を進めていく考えを示した。
2009/8/5 15:47