「北欧ならではのデザイン性」、タンバーグがビデオ会議製品「C20」を訴求

公家社長は「チャネル強化」に意欲

8月3日に代表取締役社長に就任した公家尊裕氏

 日本タンバーグ株式会社は8月7日、ビデオ会議システムのエントリーモデル「Quick Set C20(以下、C20)」に関する製品説明会を開催。8月3日に代表取締役社長に就任した公家尊裕氏が、「エンタープライズ以外にも市場のすそ野を広げる戦略的な製品。使いやすさはそのままに低価格化し、北欧ならではのデザイン性にこだわった」と紹介した。

 C20は、6月に発売された、省スペース性・小さな会議室を狙ったエントリーのビデオ会議システム。エントリーながら「1080p30fps/720p60fps」に対応し、「WXGAコンテンツの共有」「20KHzの広帯域オーディオ」「デュアルディスプレイオプション」など、ハイスペックを備えるのが特徴となる。

 「マイク」「ネットワーク」「カメラ」「モニタ」「電源」を順につなぐ簡単な5ステップの物理接続に対応。ミュートボタンを本体に備えた新デザインの無指向性マイクと、最大12倍ズームのメインカメラ、リモコン、ケーブルが付属する。

 ラインアップは、1080p30fps/720p30fpsと4倍カメラズームに対応する「C20」、1080p30fps/720p60fpsと12倍カメラズームに対応する「C20 Plus」の2点。価格はそれぞれ、119万8000円(税別)、139万8000円(同)。

Quick Set C201080p30fps/720p60fpsに対応新デザインのマイク

簡単な5ステップで接続可能インターフェイス

 テクニカル・サポート・マネージャーの中村昌弘氏は競合比較として、デュアルディスプレイ解像度の優位性に言及。「1080p30fpsの製品を提供するのはライフサイズとポリコムだが、デュアルの解像度は720p7fpsがせいぜいで、当社製品の1/2ほどしか性能が出ない。例えば、PCをつないでコンテンツ共有を行う際、他社製品だとカクカクした映像となってしまうが、当社製品では上位モデルのC60/C90はもちろん、エントリーのC20でも非常に滑らかに映し出せる」とアピールした。

 とはいえ市場が拡大しコモディティ化が進めば、機能的な差別化は図りにくくなる。「そこで当社の強みとなるのがデザイン性だ。タンバーグの本社はノルウェー。北欧ならではの洗練されたデザインは、大きな武器になると自負している」と説明。また「当社はこの業界では老舗。昨今は映像ばかりフォーカスされているが、映像と音声ともに歴史の長い卓越した技術を持っている」(中村氏)とも付け加えた。

 一方、公家社長は「ビデオ会議を日本市場にもっと広めたいという強い思いがある。世界的にも右肩上がりの同市場は非常に魅力的。特にアジアパシフィックは伸び率が大きく、日本もまだまだ伸びしろが大きい」と意欲を示し、「エンタープライズ市場以外にも、すそ野を広げるためにC20を訴求していく。具体的には、すでにビデオ会議を導入している大企業の小さな会議室や、グループ・関連会社が当初の狙いとなる」と戦略を語った。

 また日本市場に関しては、チャネル開拓が課題と述べ、「ネットワークインテグレーションを含む場合、チャネルの影響力が大きい。日本では、他社と比べてチャネルのカバー範囲が狭かった。社長として最初に取り組むのはチャネルの強化。ここをしっかりと整えて、来年に備えていく」(公家社長)とした。




(川島 弘之)

2009/8/7 15:04