MOTEX、5年間の長期レポート機能を搭載した「LanScope Cat6」新版


 エムオーテックス株式会社(以下、MOTEX)は8月25日、ネットワークセキュリティツール「LanScope Cat6」の新版「同 Ver 6.3.0.0」を発表した。9月28日より販売開始する。

 LanScope Cat6は、ネットワークやセキュリティを管理・監視するためのツール。「資産管理」「操作プロセス管理」「アプリケーション稼働管理」「プリントログ」「ファイル配布」「不正PC検知」「Webアクセス監視」「デバイス制御」「サーバー監視」といった機能が利用できる。

 新版では、マイクロソフトの最新技術「Silverlight 3」で開発した「長期レポート機能」を実装。ログ保存日数が90日間から最長5年間に拡張され、より長い期間のデータを解析・分析することで、情報漏えいの発生傾向を事前に察知できるようにした。

潜在リスクを見える化して予防処置を可能とする「長期レポート」

 長期レポート機能では、Silverlight 3によりインターフェイスを刷新。ユーザビリティに優れたグラフィカル画面から、「診断レポート」「現状把握」「問題抽出」「全ログくし刺しによる分析」といった機能が利用可能となっている。

 診断レポートでは、長期ログから現在までのリスクを分析し、原因・傾向の追求が可能。「環境」「セキュリティ」「効率」のカテゴリごとにリスク推移を表示し、対策すべき人と内容をレポートする。1年間の傾向や前年比較がつかめるため、潜在リスクを見える化して、問題が顕在化する前に対策すべきタイミングを提示してくれる。

 面白いのは「効率」に関するデータ。操作ログの数から、企業生産活動の効率を示してくれるもので、「例えば、3月末などに勤務時間外の操作が多いと、効率の数値は下がることになる」(MOTEX)。年間で見れば、どの時期にどの部署で残業が多いかなどが把握できるので、人員配置戦略のきっかけにもできる。

従来の診断レポート画面Silverlight 3により大幅に刷新された長期レポート画面
問題抽出画面
全ログくし刺しによる分析

 現状把握では、さまざまなログから問題点を部署や人を軸にランキングで表示する。今までは最新のランキングのみ表示できたところを、過去の任意の期間で表示可能になったため、「対策が必要な特定の時期における、問題の部門・部署・人が一目瞭然(りょうぜん)となる」(同社)という。

 問題抽出では、さまざまな操作ログを基に問題を抽出する。各種の操作量をさまざまな条件からグラフ化し、詳細検索が可能。例えば、「ある時期にプリンタの使用率が高い」などが把握できる。任意に条件を追加することもできるため、あらかじめ適切な条件を追加したテンプレートを作成しておけば、定期監査時のデータ抽出を自動化することが可能という。

 このほか、診断レポート・現状把握・問題抽出から1クリックでログを表示することが可能。このとき新版では、すべてのログをくし刺しにして一覧表示してくれるようになった。例えば問題の部署や人からログを表示すると、PC操作、プリンタ操作、アプリケーション操作などジャンルを問わず、該当するログをすべて表示してくれる。これにより、問題となる人や操作をより詳しく特定することが可能という。

vProなどにも対応、運用効率をさらに向上

 vProテクノロジー対応も図られた。LanScope Cat6のエージェントが未導入のPCでも、vProに対応していれば、LanScope Cat6を使って端末検出が可能となる。さらに端末の電源がオフになっていてもインベントリ情報が取得できるようになるほか、リモートからの電源オン・オフなども可能となる。これにより、クライアントPCのメンテナンスコストを大幅に削減するという。

 さらに運用強化として、ファイル配布機能を強化。ファイルを配布して自動適用する機能だが、これまではexeファイルにのみ対応していたところを、新版では「.bat」「.msi」「.vbs」「.reg」などの配布・実行に対応。パラメータを事前に設定しておくことも可能となったので、より柔軟にさまざまなファイル配布が実現する。

 対応プラットフォームとしては、Windows 7/Windows Server 2008 R2/SQL Server 2005 64ビット版などを新たにサポート。最新のデータベースに対応したことで、データ抽出速度4倍の高パフォーマンスを実現している。

 価格は、標準パッケージ10ライセンスが39万4800円から。




(川島 弘之)

2009/8/26 16:45