ノーテル、中堅・中小向けUCソフトソリューション「SCS」


SCSのクライアントPC向けソフトフォン

 ノーテルネットワークス株式会社(以下、ノーテル)は9月9日、中堅・中小企業向けのユニファイドコミュニケーションソフトウェア「Software Communication System 3.0」(以下、SCS)を発表した。

 SCSは、IPベースのユニファイドコミュニケーションを実現するために必要な機能を提供するソフトウェア製品。主に50~1000ユーザー程度の中堅・中小企業を対象としており、容易な導入・運用を可能にしているという。ユーザーは、プレゼンス(在席情報)に基づいた音声、ビデオ、IM(インスタントメッセージング)、最大4名までの音声/Web会議といった機能を利用可能。また、オープンソースベースで開発されており、自社製品のみならず、他社製品との互換性も確保されているとのことで、会議機能についても、固定電話とソフトフォンなど、異なるクライアントを混在させた状態で行える。

 さらに、ライセンス体系が単純化されているのも特徴で、「1つのユーザーライセンスの中にすべてが入っているので、購入すればすべての機能を利用可能」(Nortel アジア/中東/アフリカ エンタープライズ・コミュニケーションズ・プラットフォーム リーダーのロイ・ワキム氏)になっている。

 なおSCSは、サーバーソフトとクライアント向けのソフトフォンから構成される。サーバー側のソフトはLinuxベースのソフトウェアアプライアンスとしてパッケージ化され、一般的なx86サーバーに容易にインストール可能。クライアント向けのソフトフォンは、Windows Vista/XP/2000に対応する。

 想定価格は、100ユーザー規模の場合で3万6000円/ユーザー。外部ゲートウェイとの接続が必要ない場合は3万円/ユーザーとなる。

シンプルなライセンス体系を採用するNortel アジア/中東/アフリカ エンタープライズ・コミュニケーションズ・プラットフォーム リーダーのロイ・ワキム氏
ノーテルの代表取締役社長、レイ・テスク氏

 また、ノーテルの代表取締役社長、レイ・テスク氏からは、Nortelの今後に関する説明が行われた。EricssonへCDMA事業を売却するほか、Alteonに代表されるWebスイッチの事業はイスラエルRadwareへ売却。Avayaへのエンタープライズ事業売却も手続きが進行中という。ただしエンタープライズ事業については、破産法363条にのっとった売却プロセスがまだ完了しておらず、最終的な売却先は9月15日に決定する見込み。現在進行している正式な入札プロセスの結果によっては、Avaya以外への売却の可能性もあるとした。

 今回発表されたSCSは、エンタープライズ事業に含まれるため、Nortel自身の事業でなくなることは確実。これについてテスク社長は「今後のロードマップについては買収先によって異なるために何ともいえないが、SCSやACEといったソリューションは、どこに買収されたとしても、その企業の重要なコンポーネントになることを確信しているので、今回発表した。サポートについても、従来通りの高い品質を維持するため、Nortel Business Services Groupを新設するなど、取り組みを進めている」と述べている。




(石井 一志)

2009/9/9 18:04