“本気度”を伝える「マイクロソフト大手町テクノロジーセンター」開設


 マイクロソフト株式会社は10月6日、各種検証の支援やソリューション開発などを行う「マイクロソフト大手町テクノロジーセンター」を同日付で開設したと発表。同センターにおいて、同社代表執行役社長の樋口泰行氏などが出席した開設セレモニーが行われた。

 大手町テクノロジーセンターは、ハードウェアを含む包括ソリューションの提供、安定したシステム導入、運用の支援、システム品質の向上の支援など、エンタープライズ企業におけるシステムライフサイクル全般をサポートすることを目的として開設。また、産学連携による研究支援や日本のソフトウェアベンダー、ハードウェアベンダーとの連携による製品開発支援など日本発のイノベーション創出も目指す。サーバー、ストレージ、電源、ネットワーク機器などは、「センターアライアンスメンバー」として協力するパートナー企業16社が提供。大手町テクノロジーセンターは、同社の顧客、パートナーなどが利用できる。


開設セレモニーで行われたテープカットの様子開設セレモニーには、センターアライアンスメンバー企業の代表も出席

代表執行役社長の樋口泰行氏

 冒頭あいさつを行った樋口氏は、「マイクロソフトはパソコン用のOSやオフィス製品から成長させていただき、ミッションクリティカルな企業向け製品を提供できるまでになった。今回の大手町テクノロジーセンターの開設は、社員にとっては長年の夢。この大手町を中心としたエリアには多くのお客さまがおり、家賃は高かったのですが(笑)少しでも近づける場所にと大手町を選んだ。設備面でも、サーバーを300台、ワークステーションを300台、ストレージを500TBと大規模な環境を整えることができた。場所といい環境といい、エンタープライズビジネスにマイクロソフトは本気だということが伝えられるセンターとなっている」と、同社製品が大規模環境でも十分利用できることを理解できる設備となっている点を強調した。


大日本印刷株式会社 取締役の小槙達男氏
東京工業大学 学術国際情報センター 教授の松岡聡氏

 開設セレモニーには、ユーザー企業代表として、大日本印刷株式会社 取締役の小槙達男氏が出席。「6年前に、基幹システムのアーキテクチャとしてマイクロソフトを選択した。当時のマイクロソフトは、それほどエンタープライズ色が強くなかったこともあり、正直、心配な面もあった。しかし、弊社の若い社員の強い意向があったほか、マイクロソフトの大きな支援もあり、各種システムは順調に立ち上がった。お世辞ではなく、選択は間違いでないと確信できた」と、エンタープライズ分野でマイクロソフト製品が十分に利用できるものであると紹介。

 「システム構成が複雑化する現在、事前の検証が重要。とはいえ、大規模化したシステムを検証するのは大変であり、今回開設された大手町テクノロジーセンターは時宜にかなったもの。十分に活用され、ユーザー企業に大きな貢献をしていただくことを期待している」と、同センターに対する期待を述べた。

 また、同センター開設にあたり、協力を行った東京工業大学 学術国際情報センター 教授の松岡聡氏は、「マイクロソフトとは、Windowsのスーパーコンピュータでの利用や、GPUなど次世代スーパーコンピューティング技術の活用などで協力関係にある。現在、3ペタフロップスの世界最速となるスーパーコンピュータを研究しているが、そのスーパーコンピュータではWindowsも動く予定で、これらはマイクロソフトとの協力で成立したもの。こうした次世代の研究を行う上で、大手町テクノロジーセンターは、われわれが行っているとんがったテクノロジーを一般企業で利用可能な形にすることに役立つ。日本のITを進歩させる上でも重要だ」と、研究開発の面でも有効な施設であると強調した。





(福浦 一広)

2009/10/6 17:00