「Teradataに限界はない」、コーラーCEOがDWHの利点語る

Teradata Partners 2009基調講演

米Teradata President兼CEOのマイク・コーラー氏

 米国ワシントンDCにてTeradata Partners 2009が開催されている。世界中から大勢のユーザーが集まり、Data Warehouseの最新情報を共有するイベントだ。24回目となる今回のテーマは、「ACCELERATING INSIGHT」。10月19日には、米Teradata President兼CEOのマイク・コーラー氏が壇上に立ち、基調講演を行った。

 Teradataでは、企業内の戦略データを全社的に共有し、経営層から現場担当者まで必要な人すべてに共通の情報を提供する「EDW(Enterprise Data Warehouse)」や「ADW(Active Data Warehouse)」といったコンセプトを推進している。

 コーラー氏はそのメリットに改めて言及。同コンセプトにより「Better Information」「Faster Decisions」「Lowest Costs」の3点が実現すると述べた。

 「データの統合で、より深い洞察が可能になり、組織やユーザーを越えた可視性を実現できる。顧客管理とリスク管理のための情報があるとしよう。これらが統合されていれば、両社をマージしてより多くの課題に解決策を導き出すことが可能となる。データ間の重複排除も進むだろう。すなわち、データの統合で問題解決の機動性を高めることができるのだ」(コーラー氏)。

 これが「Better Information」により生み出される利点だ。「ある金融業会の顧客が、情報のデータマート化を進めようとした際、当初の予測では5000万ドルのコストが必要と考えられていたが、実際には重複が多く、90%のデータはすでに存在するものだった。そのため新たなコストは10%分で済み、当初の1/5に抑えることができた」(同氏)という事例もあるという。

 データが統合されていれば、質問に対する回答も早く導き出すこともできる。「データのレイテンシを削減し、リアルタイムデータにアクセスすることが可能となる。結果、意思決定のレイテンシを小さくできるというわけだ」(同氏)。

 「Lowest Costs」のメリットも忘れてはならない。「DWHでデータを統合することで、1つの情報源でより多くのユーザー、クエリ、アプリケーションに対応すること可能となる。メンテナンスやサポートも範囲を狭めることができるし、開発やETLのコストも最小限に抑えることができる」(同氏)。

 Teradataは、2008年にストレージ仮想化に対応した「Teradata 13.0」を発表したほか、継続的にハードウェアラインアップも拡充。2009年はR&D、パートナー、増員などに投資を行い、この不況下においても上半期を好調に終えたという。コーラー氏は「Teradataに限界はない」と終始強気な発言。「EDWではユーザー数、同時クエリ数、解析量など一切に制限がない。すでに1000以上もの成功事例がある。今後も継続的な革新をコミットする」と述べた。




(川島 弘之)

2009/10/20 12:30