クレオ、IFRS対応計画を発表-2010年3月よりZeeM会計で順次対応


ZeeM会計のIFRS対応方針
IFRS対応のロードマップ
執行役員の林森太郎氏

 株式会社クレオは10月20日、法人向け会計システムソリューション「ZeeM会計」のIFRS(International Financial Reporting Standards:国際財務報告基準)対応計画を発表した。コンバージェンス(収れん)対応版を2011年3月までに順次リリースし、アドプション(全面採用)対応版を2011年12月にリリース。2015年に予定されているIFRS強制適用に向け、機能強化を行うとしている。あわせて、企業のIFRS対応を支援する「ZeeM IFRS対応推進室」を新たに設置したことも発表した。

 IFRSは、国際会計基準審議会(IASB)により策定された会計基準。100カ国以上が適用あるいは適用予定で、2009年6月には金融庁からIFRS適用に向けた中間報告が発表されている。

 IFRSが業務システムに与える影響について、同社執行役員の林森太郎氏は、「会計システムのコアとなる単体会計システム、その上流システムの固定資産管理システムの2つがIFRS対応範囲となる。また、連結会計システムや開示システムに関しては、トータルソリューションとして対応を予定している」と説明。

 具体的には、コンバージェンス対応、アドプション対応、そしてIFRS強制適用に向けた機能強化の3つのステップで対応。

 コンバージェンス対応では、資産除去債務、マネジメントアプローチの採用による「セグメント情報の開示」、“会計上の変更/過去の誤謬”への対応(過年度遡及変更)を行う。このうち、資産除去債務とセグメント情報の開示は2010年3月に対応製品をリリース。また、過年度遡及変更には、2011年3月リリースの製品で対応する予定。

 アドプション対応では、「複数帳簿対応」「財務諸表対応」「期ずれへの対応」「固定資産/リース資産への対応」を2011年12月にリリースする。「複数帳簿対応は、日本基準とIFRS基準の2つの帳簿を単体会計システムで対応するもの。財務諸表対応は、アウトプットされる帳票をIFRS対応とするもの。期ずれへの対応は、連結財務諸表の作成で用いる親会社・子会社の財務諸表が同一日付で作成しなければいけないため、会計期間をまたがって出力できるようにするもの。固定資産/リース資産への対応は、複数の資産台帳管理や減損の戻入、資産除去債務の割引率見直しなどに対応するもの」(林氏)と紹介する。

 IFRS強制適用に向けた機能強化は、コンバージェンス対応・アドプション対応リリース後、にIFRS基準の追加に伴う機能追加、先行適用企業の要望などを取り入れて行われるもの。2012年1月以降から、強制適用が予定されている2015年4月まで、順次機能強化を行うとしている。

 また、IFRS対応を進める企業に対し、ZeeM会計ソリューションを軸とした支援を行うために、「ZeeM IFRS対応推進室」を設置。IFRS動向の見極めや、IFRS対応の推進などを行う。

代表取締役社長の土屋淳一氏

 同社代表取締役社長の土屋淳一氏は、「中間報告が発表されたことで、IFRSに大きな関心が集まっている。また、われわれベンダーがどのように対応するのかに対して、ユーザーの関心が集まっている。今回、ZeeMのIFRS対応を明確化することで、責任を持って対応製品を提供することを表明する」と、ベンダーとしてIFRSに確実に対応する考えを示した。





(福浦 一広)

2009/10/20 17:03