シトリックス、XenAppの全機能を統合した「XenDesktop 4」

XenAppユーザー向けの優待キャンペーンを期間限定で実施

 シトリックス・システムズ・ジャパン株式会社は10月26日、デスクトップ仮想化ソリューションの最新版「Citrix XenDesktop 4」を発表した。11月16日より販売を開始する。

代表取締役社長のマイケル・キング氏

 XenDesktopは、デスクトップの仮想化を実現するデリバリーソリューション。最新版では、XenAppの全機能を統合するなど、デスクトップ関連のデリバリーテクノロジーをすべて搭載しているのが最大の特長。これらデスクトップ関連のデリバリーテクノロジーは、「FlexCastテクノロジ」という名称で統一化されている。

 同社代表取締役社長のマイケル・キング氏は、「シトリックスは、デスクトップ仮想化に対して、PCよりも優れたユーザー体験を提供すること、すべてのユーザータイプに対応すること、そして投資に見合った確実なリターンをもたらすことを目指している。今回発表したXenDesktop 4は、これらを満たす完全なデスクトップ仮想化を実現する製品」と紹介。「デスクトップ仮想化は、大型導入が始まっており、Windows 7への移行といった追い風もある」と、XenDesktop 4によりデスクトップ仮想化を推進する考えを示した。

 FlexCastテクノロジは、オフラインをサポートしたローカルVMの配信、ローカルPCにインストールするタイプの仮想アプリケーション、デスクトップ環境のストリーム配信、ブレードPCのデスクトップ環境のストリーム配信、仮想マシンベースのデスクトップ配信、共有型のデスクトップ配信、の6種類の仮想デスクトップデリバリーに対応。また、配信先もPCだけでなくスマートフォンなどさまざまなデバイスが利用できる。近日提供を予定しているXenClientもFlexCastテクノロジに対応する予定。

 最新版では、高品位な仮想デスクトップを実現するCitrix HDX(High-Definition user eXperience)技術も強化。FlashベースのマルチメディアやアプリケーションをローカルPCの処理能力を利用して再生する「HDX MediaStream for Flash」、CAD/CAMアプリケーションなどをWAN回線経由でも利用可能にする「HDX 3D」など、使用する帯域幅を従来と比べて大幅に削減しながら、ユーザーエクスペリエンスを向上したとしている。


XenAppの全機能をXenDesktopに統合さまざまなデバイス・ユーザーに対して仮想デスクトップ環境を提供するFlexCastテクノロジ強化されたHDX。同社によると最大90%帯域幅を削減できるという

 価格は、VDIに特化した「VDI Edition」が1万3700円(ユーザー/デバイスライセンス)、XenAppの全機能を統合した「Enterprise Edition」が3万2200円(ユーザー/デバイスライセンス)、デスクトップ仮想化に必要なすべての機能を含んだ「Platinum Edition」が5万100円(ユーザー/デバイスライセンス)。このほか、10デスクトップまで利用可能な無償版「Express Edition」も用意される。

 同社ではXenDesktop最新版の発表にあわせて、既存のXenAppユーザー向けに「XenDesktop 4トレードアッププログラム」を実施すると発表。XenAppで利用している同時使用ユーザーライセンスの2倍の数のXenDesktop 4ユーザーライセンスに交換できるというプログラムで、新規にXenDesktop 4を購入する場合と比べて、最大80%のコスト削減可能なのが特長。XenAppのほか、Presentation ServerやMetaFrameといった旧製品を利用するユーザーも対象となっている。実施期間は、2010年6月30日まで。





(福浦 一広)

2009/10/26 16:42